長谷工総研レポート
 

Top / 長谷工総研レポート / 2003年8月21日

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コンパクトマンションにみる小型住戸の供給像
−都心における小型シフトの新しい類型−
(長谷工総合研究所「CRI」特集レポート:9月号所収)



 株式会社長谷工総合研究所では、表題のレポートをまとめました。レポートの全文は、8月26日発行の「CRI」9月号に掲載いたします。

《要旨》
 長らく拡大基調にあった分譲マンションの平均専有面積が、2003年上半期には縮小に転じた。その要因は様々に考えられるが、都心部の販売単価の高いマンションが増え、面積縮小や小型住戸の供給を加速したことも一因だろう。小型住戸シフトは都心部に顕著であり、ワンルームとファミリー向けの隙間を埋めるような30〜50m2の住戸も増えている。なかでも小型であることに特化した商品づくりがなされている「コンパクトマンション」には注目するデベロッパーも多く、供給数は増加している。
 小型シフトの一角を担う「コンパクトマンション」を取り上げ、供給事例から動向と展望を報告する。

【コンパクトマンションの動向】 
〜「大人の都心生活」を追求した住空間

 住戸のコンパクトさはその通称のとおりだが、最大の特徴は、形態よりむしろコンセプトに特化した割り切りの商品づくりに見出せる。特に立地、価格、付帯サービスにおいてはこれまでの小規模物件、小型住戸と一線を画した仕上がりとなっている。

  • コンセプトは「大人」の「都心生活」
    割り切ったターゲットの設定によってコンセプトを追求している。ターゲットは職も住も都市に密着する男女単身者、DINKS、子育てを終えて都心回帰を期する元気シニア世帯の実需層、週末の都市生活を楽しむセカンドユースといった都市生活者に絞り込み、それらを借家人とする投資層までを捉えている。
  • 環境に目をつぶりエリアイメージのよい立地に
    マンションで大事とされてきた住戸方位や周辺の環境よりも、銀座・お茶の水といったエリア好感度の高さ、交通アクセスのよさ、駅の近さなどに重きをおき、従来のオフィスビル用地にも進出している。 

  • 小さくても居心地のよい空間を
    都心でも安心感をもてる高度なセキュリティシステム、専有面積の割には充実した水廻りや収納スペースを備え、小型住戸ながらも品質や機能は落とさない居心地の良さを売り物にしている。
  • 広さよりも価格の手頃さを
    例えば、銀座から徒歩5分の35m2マンションが3,200万円台と、年収500万円の単身者でも検討してみたくなる価格帯がねらわれる。
  • いつでも賃貸に回せる持家
    立地の利便性がよいうえに、賃貸代行サービスを事業者が用意するなど、資産運用できることが強調される。気が変わったり結婚などで住まなくなる場合にも安心と、保有への心理負担を軽くしている。

【コンパクトマンションの展望】 
〜費用と意識の負担をやわらげ都心居住の裾野を拡大

  • (持家拡大の効果)都心でしかも手頃な価格での供給は、富裕層でなく投資層でもない一般の消費者にも、エリア選択の枠を広げ、持家派の拡張、都心回帰の追い風にもなると考えられる。
  • (投資拡大の効果)資産運用支援システムや親しみやすい広宣手法によって従来の投資用マンションにありがちな近寄り難いイメージをやわらげ、都市住宅への投資の裾野も拡大する可能性がある。

  • (実需の引き出し)合理的で水準の高い住宅の実現は、ワンルームに飽き足りない賃貸層や、都心居住に憧れながらも踏み切れない持家層などの潜在需要を引き出し、増加する都市住宅を実需につなぐ効果がある。
  • (波及効果)割り切りを伴った都心居住が普及することで、コンバージョンビジネスへの波及も期待できる。