2011年05月26日

長谷工コーポレーションと、耐震スリットの製造・販売・施工をおこなうロンビックジャパンの2社が、共同開発した『後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法』について財団法人日本建築防災協会の技術評価(建防災発第2690号)を取得しました。
今後は、株式会社長谷工リフォームが、住環境への影響を軽減し'居住しながら耐震補強'できる工法の一つとして、新耐震基準(1981年)以前に施工されたマンションの管理組合を中心に積極的に提案してまいります。(特許・意匠登録出願中)
本工法は、腰壁と柱の間に高精度の部分スリットを設置することで柱の変形性能を向上させる耐震補強工法です。住戸内へ立ち入らずに耐震補強工事を行うことができるメリットに加え、このたびの技術評価取得により"完全スリット工法と同等の耐震補強効果である"ことが認められました。これにより、管理組合が特定行政庁に耐震改修認定を申請する際の審査が容易になります。

『後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法』の特長

  • "完全スリット工法と同等の耐震補強効果が得られる工法"であると(財)日本建築防災協会から評価
    • ・特定行政庁における耐震改修認定の審査が容易
  • 住戸内の工事が不要で'居住しながら耐震補強'が可能
  • はつり工事が不要で低振動・低騒音・低粉塵
    • ・スリットを施工する専用機と機械先端に取り付ける専用刃の採用により低振動・低騒音(室内計測ではつり工事よりも約20db低減)
    • ・湿式工法のため低粉塵
  • 機械一台あたり4~5箇所/日 を施工可能
    • ・※但し、スリットの長さ、条件によって変化

[部分スリットを施工している様子]

背景・目的

柱の耐震性能を向上させる工法のなかでも、最も簡便で安価な工法のひとつが、腰壁と柱の間に耐震スリットを施工する工法です。(財)日本建築防災協会の設計指針では(構造体である柱と非構造体である腰壁を完全に切り離す)完全スリット工法の採用を原則としていましたが、完全スリット工法は工事の際に住戸内に影響が及ぶため、居住しながらの工事は困難でした。
そこで、当社が持つマンション設計施工の技術・ノウハウとロンビックジャパンが保有する耐震スリット施工の技術・ノウハウを融合し、居住しながら工事を行うことができ、かつ完全スリット工法と同等の耐震効果が得られる部分スリット工法を開発すべく共同研究を2009年11月よりスタートしました。

部分スリットの設置位置(マンション共用廊下側から見た立面イメージ図)

耐震スリットの工事による住戸内への影響(断面イメージ図)

(財)日本建築防災協会による技術評価

長谷工コーポレーションの技術研究所(埼玉県越谷市)にて、実物の1/2縮尺試験体による構造性能実験を行い、独自の「柱の可撓(かとう)長さ」(たわむことが出来る柱の長さ)に関する評価を取りまとめたほか、部分スリットの仕様や施工・品質管理の要領等を盛り込んだ設計・施工指針を取りまとめました。その設計・施工指針に示される、設計方法(適用範囲、基本仕様および柱の可撓長さの評価法等)と施工方法(施工要領および品質管理)は妥当であると認められ、2011年2月28日付けで(財)日本建築防災協会の技術評価を取得しました。(評価番号:建防災発第2690号、有効期間5年)

工事に関するお問い合わせ

問い合わせ先:
長谷工リフォーム 営業推進部 石井
電話:
03-3457-1635
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