2011年06月28日

大京、東京建物、関電不動産、新日鉄都市開発、長谷工コーポレーションが大阪府吹田市で共同開発を進めている「(仮称)吹田千里丘計画」は、このたび、財団法人都市緑化機構が運用する「社会・環境貢献緑地評価システム」(SEGES※・シージェス)において「緑の保全・創出により社会・環境に貢献する開発事業(都市開発版SEGES)」に認定されました。
「都市開発版SEGES」は都市開発の際に緑を保全・創出する優良な計画を評価するもので、2010 年より本格運用を開始し、マンション事業としては全国で初の認定となります。
※ SEGES=Social and Environmental Green Evaluation System

概要

当プロジェクトは、千里丘の原風景を未来に残すという発想の「森緑都市」をコンセプトに、「緑との共存」を目指し、毎日放送千里丘放送センターの跡地約13ha の敷地を得て誕生する総戸数1,000 戸を超える大規模物件です。今回認定された対象敷地は、保存緑地をはじめ提供公園や計画緑地等、約5.1ha(緑地率約40%)に及ぶ緑地の中に、東西2 街区で構成された13 棟の住棟と共用棟を配した計画となっています。

今回の評価のポイント

緑の保全・創出への積極的な取り組みとして、以下のポイントが高く評価されました。

  1. 1.この土地に潜在する風景の再生をコンセプトに、既存樹を最大限に生かした緑豊かな景観を創出
    • ・地域に親しまれた桜並木
    • ・景観木として印象深い約25mのメタセコイア
    • ・愛称「ミリカ」の由来となったヤマモモ 等
  2. 2.環境アセスメント調査を踏まえ、多様な生物の生息域となり、地域の緑と繋がる一体感ある植栽計画
  3. 3.敷地を貫く通り抜け空間は、森の中の小径を想わせる構成とし、人々が自然に触れ合い憩える場として広く地域にも提供
  4. 4.沿道に四季折々の草花、薫り・実りのある樹種、せせらぎ等を配し、自然の効用を五感で感じられるデザイン
  5. 5.緑地を活用した様々なイベントも検討し、自然の素晴らしさを体感することで、良好な地域コミュニティが形成されることを目指す

「吹田千里丘計画」概要(第1工区)

所在地 大阪府吹田市千里丘北
敷地面積 27,798.73m2
規模 地上15階・地下1階
総戸数 633戸(住戸)

※ 計画中のものであり今後変更されることがあります。

事業主 会社概要

株式会社大京

1)本社 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目24番13号
2)代表者 代表執行役社長 山口 陽
3)設立 1964年12月
4)資本金 411億7,100万円 (2011年3月31日現在)

東京建物株式会社

1)本社 東京都中央区八重洲一丁目9番9号
2)代表者 代表取締役社長 畑中 誠
3)設立 1896年 10月
4)資本金 924億円 (2010年12月31日現在)

関電不動産株式会社

1)本社 大阪府大阪市北区中之島六丁目2番27号
2)代表者 代表取締役社長 篠丸 康夫
3)設立 1957年 5月
4)資本金 8億1,000万円 (2010年3月31日現在)

株式会社新日鉄都市開発

1)本社 東京都中央区日本橋一丁目13番1号
2)代表者 代表取締役社長 正賀 晃
3)設立 1961年 4月
4)資本金 60億2,000万円 (2011年3月31日現在)

株式会社長谷工コーポレーション

1)本社 東京都港区芝二丁目32番1号
2)代表者 代表取締役社長 大栗 育夫
3)設立 1946年 8月
4)資本金 575億円 (2011年3月31日現在)

(ご参考) 『都市開発版SEGES(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)』について

『都市開発版SEGES』創設の背景

都市における豊かな環境づくりを目指すには、建築や開発などの際、適切に緑地を保全、創出することが重要ですが、公共団体による規制的手法には限界があり、開発者の自発的な取り組みが求められています。
近年マンションや住宅地等の開発において、付属する良好な環境施設の市場的価値の高まりにあわせ、既存緑地を保全・活用するなど、開発者によりレベルの高い緑化計画がなされる例が増えてきています。
こうした傾向をふまえ、財団法人都市緑化基金(2011.04.01 より財団法人都市緑化機構)では、国土交通省、東京都と連携し、
「ヒートアイランド現象の緩和、良好な景観の形成、地域生態系の保全」など様々な角度から開発事業における緑に関わる取組みを評価し、優秀な事例については評価・認定することで事業者の努力を促す「都市開発版緑地評価制度:都市開発版SEGES」の創設に向けた検討を行いました。
2005年から運用されてきたSEGESは、良好な維持管理により、ずっと続いていく「そだてる緑」のSEGESであるのに対し、新たに都市開発の際に緑を保全・創出する優良な計画を評価する「つくる緑」のSEGESを設け、2008年から制度のトライアルとしての認定が開始され、2010年に本格運用が始まりました。

『都市開発版SEGES』制度 概要

【目的】
建築や開発など都市開発事業における緑の保全・創出計画を、一定の基準に沿って評価・認定することにより、豊かで潤いのある緑の街づくりを推進することを目的とします。

【評価の対象】
建築事業および開発事業に伴って計画される緑地の保全・創出事業(事業面積10,000 m2以上):例えば、面的都市開発(オフィス・店舗ビル等)、分譲・賃貸集合住宅(マンション等)、分譲住宅地開発(戸建て住宅地等)

【制度の特徴】
「継続性」"経年変化"する緑地の保全・創出活動を継続的に評価できるシステム
「普遍性」全国どこの地域でも運用が可能な柔軟なシステム
「自発性」規制緩和の中で、積極的、自主的に緑地の保全・創出に取り組む事業者の自発性を尊重

【基本的評価項目】
都市開発事業者が、既存樹木の保全を始めとする地域の自然性や従来よりその土地に根付く歴史性などの担保に取り組むことは、都市環境の大きな改善につながり、また安全安心で持続可能な都市づくりに貢献するものである。
そこで、都市開発版SEGES は、事業者による緑地等の地域の潜在的価値を担保することに重点をおいた計画、設計、施工活動を評価する基本的な考え方(原理)とする。

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