2009年07月28日

   長谷工コーポレーションは、構造計算データから鉄筋の組み手(組み合わせ)や各所配筋の納まりを考慮した配筋施工図を自動で作成する『配筋施工図自動作成システム』を開発しました。(特許申請中)
   一般的に、鉄筋工事では意匠図・構造図に従い定められた径・本数の鉄筋を所定の位置に配筋施工しますが、その組み手や細かい各所配筋にあたっては、専門工事業者職長のノウハウに依る部分がありました。この「配筋施工図自動作成システム」においては、構造計算データから組み手等も考慮した配筋施工図を当社で作成して専門工事業者に渡すことができるようになるため、配筋施工図の作成業務を省力化するだけでなく、鉄筋工事における生産性の向上と品質の均一化を図ることができます。
   今後は、当社が設計・施工する新規着工作業所に随時導入を図り、鉄筋工事のさらなる品質と精度の向上に努めてまいります。
※ 開発にあたっては、当社の中核となる鉄筋工事の専門工事業者と連携しノウハウを反映させています。


【『配筋施工図自動作成システム』導入による効果】


【『配筋施工図自動作成システム』の導入効果】

1.配筋施工図等の作成業務を省力化
従来は、専門工事業者が意匠図や構造図を確認しながら配筋施工図を作成していましたが、「配筋施工図自動作成システム」を使用することで、パソコンの簡単な操作で作成が可能になり、大幅な時間短縮が図れます。また、配筋仕様(仕様のルール)を盛り込んだ長さが表示されるため、加工図の作成業務も効率化が図れます。
2.早期の施工納まり検討(設計へのフィードバック)
「配筋施工図自動作成システム」は、施工納まりの悪い部分を表示させることができるため、構造計算データができた段階から施工納まりの検討をスタートし、設計へのフィードバックすることが可能になります。
3.施工品質の均一化・生産性の向上
当社が配筋施工図を作成して専門工事業者に渡すことができるようになるため、情報の一元化が図れ、鉄筋工事における生産性の向上と品質の均一化を図ることができます。
4.施工ミスの防止
「配筋施工図自動作成システム」で作成した配筋施工図には、施工ミスを防止するための工夫がされています。例えば、柱については上階の配筋情報も記載されている上、主筋・フープの材質・径・本数・ピッチの変化も視覚的に分かりやすく表現し、梁についても組み手や2段筋の配置などが明確に表示されています。

【鉄筋の組み手を考慮した『配筋施工図自動作成システム』】

(1)柱と梁、梁同士の鉄筋が上下・位置関係に矛盾を生じないように(特に鉄筋の交差部の組み手が)自動配置します。
(2)同時に、鉄筋同士の間隔(あき)チェックも実施します。鉄筋同士の間隔(あき)が確保できない場合はエラー表示します。(この段階から納まり検討をスタートできます。)

(3)継ぎ手位置・定着長さ等は配筋仕様(仕様のルール)を盛り込んだ長さを表示します。
(4)柱の情報は、施工階とその上階2フロアー分を表示し、上階で寸法が変化する場合は形状の変化をつけ目視確認できるように表示します。
(5)梁の情報は、1段筋、2段筋の有無・本数を表示します。


【今後の機能拡張・関連するシステムの開発】

    今回のシステムでは地上階(1F~屋上)までを対象としましたが、今後は基礎部分の作図まで拡張するほか、現場に納入する鉄筋の径・形状・本数など材料の拾い出しシステム、三次元の自動作図システムの開発も進めてまいります。
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