2018年11月30日

 長谷工コーポレーションは、吉野石膏と、防露性能とセルフレベリング(SL=自己水平)機能を併せもつ新たな高流動断熱補強材「タイガー断熱フローHC」(特許出願済)を共同開発し、この度、一般財団法人日本建築センターのBCJ評定(TE1016-01)を取得しました。
 2016年4月から「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく建築物のエネルギー消費性能の表示制度(省エネ性能表示制度)がスタートし、マンションを含む住宅は、2020年までに建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合が義務化予定です。そこで当社では、省エネ基準に適合する新材料の開発を進めてまいりました。
 「タイガー断熱フローHC」は、熱橋(※1)部の断熱補強と結露を防止する床用の断熱補強材で、セルフレベリング機能を有しています。断熱性能については、第三者試験によって、建築物省エネ基準に適合することを確認いたしました。施工性においても、従来の湿式および乾式の断熱材に比べて、単一工種での施工による省力化とコストダウンを図ることができます。
 今後は、マンションの建築物省エネ基準を先取り技術として、当社が設計・施工する新築分譲マンションの事業主へ積極的に提案してまいります。
(※1)躯体を構成する部材のなかで、外壁と内壁の間にある柱や梁などが熱を伝える現象のことで、ヒートブリッジともいう。

【「タイガー断熱フローHC」の特長】
・建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)、および住宅性能表示制度に適合
・防露性能とセルフレベリング機能を併せ持つ新しい床用の高流動断熱補強材
・単一工種による施工で省力化とコストダウンを実現

[(一財)日本建築センターのBCJ評定書]

【断熱性能】
比較的寒冷地で断熱等級4を実現する場合、指定部位の熱橋部の断熱性能が「断熱補強2」として規定されています。この規定では、熱抵抗値0.1㎡・K/W以上の断熱性能がある材料を床上に施工することが求められています。
当社と吉野石膏は、材料の配合を最適化することで熱抵抗値0.1㎡・K/W以上を目指して開発を進めていきました。開発した材料は、セルフレベリング機能をもつ断熱補強材という新しいカテゴリーの材料のため、施工性、熱伝導率、結露など各種の試験項目を設定し、長谷工技術研究所、および第三者機関である(一財)建材試験センターにて性能を確認いたしました。

【単一工種による施工・省力化】
本工法は、フローリングをコンクリートの上に直接施工する場合の工法です。梁など熱橋部の断熱補強を行う場合、従来は、SL材の施工後に断熱モルタルや乾式の断熱ボードなどを組み合わせた工法で、複数工種による施工を行っていましたが、「タイガー断熱フローHC」では単一工種による施工で省力化を図ることができます。
打設の容易性、仕上がり状況、乾燥収縮によるひび割れや平滑性などについて、全く問題ないことを確認しました。また、施工後の品質についても、内装壁やフローリングの施工、歩行強度などについて、問題がないことを確かめています。現在はハンドミキサーによる練り混ぜとバケツによる流し込みですが、将来的にはポンプ車による施工の省力化などへの取組みも検討中です。

[従来品と高流動断熱補強材「タイガー断熱フローHC」の施工工程の違い]
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