特集

総合省CO2改修


はじめに

 日本で分譲マンションが作られはじめて数十年になりますが、年々高経年マンションの数は増え、断熱性能や設備等の仕様の古さや老朽化、いわゆるマンションの「老い」への対応が大きな課題になっています。
 そこで、高経年マンションを対象に、居住者が住みながら「省エネ、省CO2」と「長寿命化」を同時に実現・解決する長谷工の新しい大規模改修メニューをご用意しました。それが「総合省CO2改修」です。

国土交通大臣表彰を受賞!

 平成25年度に多摩ニュータウンエステート鶴牧4・5住宅で実施した『総合省CO2改修』プロジェクトが、優れた断熱性能と高経年共同住宅の長寿命化を実現したことにより、平成26年10月『第26回住生活月間功労者表彰』で国土交通大臣表彰(団体)を受賞しました。このほか、「第31回住まいのリフォームコンクール」ビジネスモデル部門優秀賞、「住宅金融支援機構」理事長表彰とあわせて 3つの賞をいただきました。

【プレスリリース】“総合省CO2改修”で高経年マンションの室温をバリアフリー化 冬季の室温が上昇 入居者の体の負担を軽減し暖房費も削減 今後もグループの総合力による改修提案でリフォーム受注を強化[PDF:1002KB]

総合省CO2改修とは

 高経年(築30年程度)のマンションに「居住者が住みながら、外断熱改修とスマート化改修、設備の高効率改修を同時に行う」ことにより、建物の魅力を飛躍的に向上させるとともに建物の延命化と新たな価値をつくりだす大規模改修メニューです。
 ここで言う高経年のマンションは、ほとんどが省エネ法施行以前の建設であるため、快適に住まうためには断熱改修等による温熱環境の改善や結露対策などが必要です。しかしマンションの断熱改修は内断熱工法が一般的なので内装解体が必要となり、住みながらの改修は居住者の皆さまの負担が大きく省エネ改修が実現しない一因となっています。そこで、建物の外壁および屋根面に断熱層を有する外装材を貼り付ける「外断熱改修工法」の採用により省エネ改修を容易にしました。さらに、開口部の断熱改修として樹脂製の内窓を取り付けます。
 また、スマート化改修は、電力の高圧一括受電導入による電気料金の低減に加えてスマートメーター設置による「見える化」を行います。居住者の皆さまの節電意識を高め、省エネ行動喚起につなげます。
 これ以外のマンション個別の課題に対しても、大規模修繕の機会に実施できるよう様々な改修メニューを取りそろえています。

【スマートメーターの設置イメージ】
スマートメーターの設置

導入メリット

環境・省エネ性能を向上

この2つのメニューを同時に導入することにより、マンションの大幅な「省エネ・省CO2」と「長寿命化」を図ることができます。

  • 外断熱改修により断熱性能が向上(省エネ等級が2から4超に)し結露防止、快適性向上、暖冷房費削減などの効果が期待できます。
  • スマートメーター導入により各住戸の消費電力リアルタイムデータが把握でき(見える化)節電行動を促進します。
  • また、高圧一括受電とスマートメーターの導入により、将来の創エネ(太陽光発電等)・蓄エネ機器(蓄電池等)の設置が容易になります。
  • 「外断熱改修」と「スマート化改修」によって改修前に比べ、ライフサイクル全体でのCO2排出量を削減します。
「住みながら改修」による居住者の皆さまの負担軽減

今回の改修メニューは、内装解体等も行わず専用内部への立ち入りも最小にして行いますので居住者の皆さまへの負担は非常に小さくなっています。

建物の長寿命化

「外断熱改修」により、断熱層がコンクリートを保護するためひび割れや中性化進行などの劣化が抑制されます。これにより、コンクリートの余寿命が伸びると見込まれます。

健康増進効果

省エネ・省CO2効果の他に、室内温熱環境向上による健康増進効果(健康維持による医療費削減等)が期待できます。

資産価値向上効果

建物自体の基本性能が大幅に向上し延命化も見込めることから、資産価値向上が期待できます。

改修メニュー

 改修メニューの中心である外断熱改修とスマート化改修に加えて、管理組合様のニーズに応じて下記のようなメニューをご用意しています。

■外断熱改修

・外壁外断熱改修
・屋根外断熱改修
・樹脂内窓改修(後付け)

■設備の高効率化改修

・共用部照明のLED化
・高効率給湯器への更新

■耐震改修

・住みながら耐震改修

■スマート化改修

・高圧一括受電導入
・スマートメーターによる見える化
・幹線改修による専用部電力容量増強
・HEMS、MEMS導入(予定)
・太陽光発電、蓄電池設置(予定)

■その他の改修技術

(上記以外の改修メニューも
必要に応じ実施する)

国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」※1に採択

 また、「総合省CO2改修」は、国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」の平成24年度第2回募集で採択されました。
 『なかなか実施が進まない既存共同住宅の省エネ改修に対し、断熱改修・設備の仕様変更・スマート化を組み合わせたビジネスモデルとしての展開を目指す』(選評より)点が評価されました。なお、過去5年間の募集で既築共同住宅の実物件(「エステート鶴牧4・5住宅」)を対象とした提案の採択は初となります。

※1【国土交通省「住宅・建築物省CO2先導事業」】:省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅・建築プロジェクトを公募によって募り、支援することで省CO2対策を強力に推進し、住宅・建築物の市場価値を高めるとともに居住・生産環境の向上を図ることを目的に、平成20年度から国土交通省が実施しています。

第一号物件に選ばれた「エステート鶴牧4・5住宅」

 「エステート鶴牧4・5住宅」の皆さまは、築30年を超えるお住まいの大規模改修に際して、住みながらの改修を希望されていると共に、何よりも「鶴牧の地に長く住み続け、子供たちの“ふるさと”を守りたい」という気持ちを強くお持ちでした。
 そこで、建て替えるのではなく、建物性能の大幅向上と延命化、そして付加価値創出が期待できる「総合省CO2改修」を長谷工リフォームが提案したところ、ご好評を得て、メニューの中から外断熱改修とスマート化改修を行うこととなりました。
 なお、本物件の導入メリットは下記の通りです(当社試算による)。

  • 光熱費が約37,000円/年・世帯削減されます。
  • スマート化改修で省エネ意識が高まります。
  • ライフサイクル全体でのCO2排出量が約23%削減されます。
  • 建物の想定供用期間が約45年から約90年に「長寿命化」されます。

「総合省CO2改修」採用第一号となる本物件は、既に本年2月に着工、2014年3月に竣工しました。

「エステート鶴牧4・5住宅」の概要
所在地東京都多摩市鶴牧
敷地面積11,345.14m2
延べ床面積37,531.20m2
構造規模鉄筋コンクリート造(壁式構造)・3〜5階建て
住棟数29棟
総戸数356戸

施工内容と現場の様子

外壁の外断熱改修
屋上の外断熱改修
樹脂製内窓(後付け)の設置

Q&A

Q:うちのマンションでも総合省CO2改修を行いたいのですが。
A:下記のとおり、実施のための条件を考えています。ただし、マンション個別に条件が異なりますのでまずはご相談ください。
・RC住宅であること(外断熱改修が施工しやすいこと)
・新耐震基準に合致していること(1981年改正基準法。それ以前の設計であれば耐震診断が必要です)
Q:かなりの費用がかかるのでは?
A:外壁の塗装を塗り重ねていく修繕も、ある年数を超えるとすべてはがして塗り直さなければならず、莫大な費用がかかります。そうなる前に外断熱で覆うことによって寿命を伸ばすことができれば、長期的には差額は小さくなりますのでぜひご検討ください。