トラブル対応編:トイレ
→止水栓を閉めてから、原因をチェックします。
ロータンク内の構造 |
水が止まらないとき、まず止水栓を止めるという作業からすべては始まります。それでとりあえず水は止まるので、そこから落ちついて対処すればよいのです。
水洗トイレのタンクはレバーをひねることによって水が流れますが、レバーをひねるということは、すなわち浮きゴムという“フタ”を開けることです。ここからタンク内の水が流れます。タンク内の水が減っていくと、水に浮いている浮き球が下がります。するとボールタップ部分が作動して新たな注水がなされ、浮き球が所定の高さまで上がってくると水が止まるしかけになっています。こうしていくつかの部品が連動しているため、水が止まらないトラブルには複数の原因があり、それぞれ対処法がちがってきます。
- 浮きゴムに固形洗浄剤がはさまっている
- 浮きゴムがはずれている
所定の位置に浮きゴムをセットします。老朽化しているようであれば新しいものに取り替えます。日曜大工店などで購入することができます。
- 鎖が浮き球にからまっている
- 浮き球のアームが折れている
単に浮き球のアームがはずれている場合はアームをねじ込めば直りますが、浮き球のアームが折れてしまうと、お手上げです。しかるべき窓口に連絡して修理を頼むしかありません。
- 一見して原因が分からない
どのケースにも当てはまらない場合は、ボールタップ弁のなかのパッキンが磨耗している可能性が高いです。この場合は専門業者に修理を依頼するしかありません。
→ひとつひとつチェックを。
まず便器内に残っている汚物を流します。バケツなどに水をくんできて流せば汚物は流れますから、そうしてから点検しましょう。
A タンク内にも水がたまっていない場合
・断水の可能性を探る
断水しているのであれば、当然水は出ません。水道などから水が出るか確かめます。
・止水栓は閉まっていないか
止水栓は硬貨などでも回せるようになっているので、子どもがいたずらしたりすることもあります。止水栓を反時計回りに回して開けてみます。
・浮き球が引っかかっていないか
浮き球やそのアームがどこかに引っかかり、自由に動くようになっているのかもしれません。取り付け位置を調節してみましょう。
・3つのうちのどれでもない
上記3つのいずれでもなければ、ボールタップの故障の可能性が高いです。専門業者に連絡するしかありません。
B タンク内には水がたまっている場合
タンク内に水がたまっているなら、タンクからの排水がうまくいっていないわけです。レバーと浮きゴムをつないでいる鎖が切れていないか確認してください。
鎖が切れていると、浮きゴムが上がらず、排水されません。応急処置として、針金やビニールのひもで代用することもできます。
→たいていはラバーカップで解決します。
便器がつまったとき、大切なのがあわてて水を流さないこと。便器から水があふれてしまったりしたらたいへんなことになります。まず止水栓を閉めて、便器内にそれ以上水が流れないようにしてから、対処します。ラバーカップを用いれば、たいてい解決します。
ラバーカップはいざというときすぐに使えるように、保管場所に気をつけましょう。
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便器の排水口に空気がもれないようにラバーカップを押しつけ、1回ひきます。それでもダメなら数回繰り返します。あまり力を入れると汚物が飛び散ってしまうので慎重に。つまりがとれたようであれば、バケツに水をくんできて少しずつ流し、確認しましょう。
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ラバーカップを軽く数回試してだめなら、力を入れてやってみます。そのためには、汚物が飛び散らないように大きなビニールに穴をあけ、そこにラバーカップを通し、便器にセットします。
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ビニールが完全に便器をおおっていることを確かめて、ラバーカップを排水口に押しつけて引く動作を力強く繰り返します。これでも詰まりがとれなければ、専門の業者に連絡しましょう。