大切にしたい風景
研究・技術開発:
環境負荷低減を実現する技術

#エネルギー・CO2#汚染予防・周辺環境

環境向上関連技術

新しい場所打ちコンクリート杭工法「HND-NB工法」の開発

当社では、日興基礎及び大亜ソイルと、新しい場所打ちコンクリート杭工法「HND-NB工法」を2017年に共同で開発しました。
今回開発した「HND-NB工法」では、今までより拡底部の引抜き抵抗力を大きく評価できるようになり、加えて杭の中間部にも拡径部を設けることで、押込み支持力と引抜き抵抗力をさらに増加させることができます。これまでの拡底杭工法より、杭長を短くできるとともに、杭の軸部径を細くしても同等の支持力と引抜き抵抗力が得られるため、使用するコンクリートや掘削土を削減でき、またそれらを運搬する車両も削減できることから従来工法よりも環境にやさしい工法と言えます。
今後は、当社設計・施工案件で積極的に採用を促進していきます。

既往工法とHND-NB工法
HND-NB工法による施工風景
HND-NB工法で施工した杭(中間拡径部)

内装断熱リフォーム工法の開発

集合住宅において、建物全体を対象とした断熱改修を行う場合は、共用部である外壁を断熱する工法があります。一方、各住戸単位で断熱改修を行う場合には、管理規約上共用部を改修することが難しいため、居住者の責任下で可能な、住戸内を断熱する工法が適しています。
住戸内を断熱する際には、現状の室内の表層壁を一部または全面解体し、躯体面への断熱材の施工をした後、新たに表層壁の復旧工事を行う工法が主に用いられています。しかし、室内を解体するため工事が大掛かりになり、入居者に負担を強いることから、実際の施工は多くはありません。また、断熱材の施工方法として新築同様の発泡ウレタン吹付工法を用いる場合は、工事用車両のスペースや配管経路等の検討などの課題があります。
一方、各種ボード系断熱材の躯体への貼付工法は、木造等の戸建住宅の改修には適した工法ですが、築年数の古い集合住宅におけるリフォームでは、コンクリート面に不陸がある(平滑でない)ケースもあり、密実に断熱材を貼付けることが難しく、結露が発生する可能性があります。
そこで、躯体状況等における課題を考慮した上で、各種性能検証において微小な不陸であれば結露は発生しないことを確認し、実際の住戸での実大実験を行い、結露等の懸念の少ない内断熱改修工法の開発を行いました。今後は、既存住宅への住環境改善提案として、積極的に展開していく予定です。

#エネルギー・CO2

省エネルギー関連技術

高流動断熱補強材「タイガー断熱フローHC」の開発、BCJ評定取得

長谷工コーポレーションと吉野石膏は、新たな高流動床用断熱補強材「タイガー断熱フローHC」(特許出願済)を2018年に共同で開発し、(一財)日本建築センターのBCJ評定を取得しました。「建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)」に適合し、かつフローリング直張り工法に用いることが可能な断熱補強工法として提案していきます。

※「タイガー断熱フローHC」は床用の断熱補強材で、防露性能や断熱性能、セルフレベリング(自己水平)等を併せ持つことで作業工程を単一化し、省力化とコスト削減を実現します。

住戸内通風仕様の構築

近年、居住者の環境配慮や省エネに対する関心は高まっており、社会全体でも自然エネルギー利用へのニーズが増加しています。こうした背景から、各住戸内での効果的な通風の実現が望まれていました。窓を開けて自然の風を取り入れることで住戸内の温度を下げることができれば、エアコンの使用時間削減にもつながります。
効果的な住戸内通風の実現にあたっては、風の流入から流出まで、適切な通風量や風の経路についての考慮が必要です。従来、当社では、自然通風を確保するために、防犯性・プライバシーに配慮した網戸一体型サッシや、玄関を明るくできる玄関小窓などのオリジナルアイテムを採用・提案してきました。今回新たに開発したのは、通風機構を組み込んだファッションドアです。これらの商品を組み合わせて「住戸内通風システム」を構築しました。シミュレーションと実大検証実験により、中間期において2~3℃の住環境改善効果が確認されました。
今後は、実際の採用に向けて、積極的に提案していく予定です。

通風機構を組み込んだファッションドア
住戸内通風経路のイメージ
実大検証実験結果(リビングの室温の変化)

建物省エネ計算設計支援ツール開発

近年、行政の都市開発諸制度の採用案件等でも省エネに関する要求性能が高まっており、通常より高い省エネ性能(BEI)を指定される場合があります。このため、集合住宅設計では企画段階で、指定された性能に適合するかの検討が必要になっています。従来、こうした要望に対しては外部調査会社での検討を行っていたため、多くの時間がかかり、迅速な対応ができないという課題がありました。
そこで当社は、企画段階において簡易的に建物全体の省エネ性能を予測できるツールを開発しました。このツールでは、建設地、方位、住戸数などのブロックプランに関する情報を入力し、外壁と設備の仕様を選択することで、高い精度で省エネ性能が算出され、従来よりもスピーディな対応が可能となりました。
本ツールは、2018年4月より運用を開始しており、今後もよりよい住環境の提案に活用していく考えです。