長谷工テクニカルセンター
~ 長谷工が創造する住まいと暮らし ~ 2018年度特集

長谷工コーポレーションの創業80周年プロジェクトの一つとして、2018年に東京都多摩市に新設された「長谷工テクニカルセンター」は、「長谷工技術研究所」「長谷工マンションミュージアム」「長谷工グループ技術研修センター」「長谷工コミュニティ アウル24センター」を集約した施設です。
住まう方々の目線に立った安全・安心、快適に住まうための研究・技術開発・研修を行うとともに、広くマンション事業主や行政、管理組合、そしてお客様に対して新技術・新商品・技術検証等を情報発信する拠点としての役割を担っていきます。

設立の経緯

長谷工コーポレーションでは1975年に技術開発本部を本社内に設置して以来、越谷技術研究所をはじめとした技術拠点で「安全・安心、快適な住まい」をつくるための要素技術の研究や最新の技術開発に取り組んできました。こうした技術拠点には、近年マンション事業主やマンション管理組合など、社外からの来訪者が増加しており、長谷工グループの新築・既築の研究・技術開発を分かりやすく伝える機能がより一層求められていました。こうした背景を受け、技術関連機能を集約し、「長谷工テクニカルセンター」として充実を図ることとしました。「長谷工テクニカルセンター」の新設にあたって、当社は東京都多摩市が市内への企業立地を支援する「多摩市企業誘致条例」の指定企業に認定されました。今後、多摩市の「にぎわいのある街づくり」に貢献していく考えです。

長谷工テクニカルセンター

施設紹介

集合住宅の歴史とグループの総合力を
理解し体験できる拠点を目指して - 長谷工テクニカルセンター館長/長谷工マンションミュージアム館長 江口 均

「長谷工テクニカルセンター」は、創業80周年プロジェクトの最後の事業として準備が進められてきました。この施設には、長谷工グループが長年にわたって蓄積し研鑽してきた技術や知識、ものづくりの歴史を一般に広く伝えたいという思いが込められています。
特に「長谷工マンションミュージアム」は、集合住宅の歴史を総合的に振り返るとともに未来の展望を知ることができる、日本で初めてのミュージアムです。展示内容を検討する際には、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)とも協働し、資料もお借りしながら、日本におけるマンションの歴史を多角的に知ることができるよう、工夫を凝らしました。
70年代のマンションの一室を家具まで含めて再現したり、マンション再生の工法を紹介するとともに、複数の企業とコラボレーションして未来の住まいを体感していただける企画展示も行います。今後は近隣の小学生の見学を受け入れるなど、地域への貢献も果たしていく考えです。
また、社員が過去の歴史を知り、総合力をどのように発揮してきたかを体験できる場としても、「長谷工テクニカルセンター」は大きな意味を持つと考えています。
これからは生活スタイルが変わって、マンションも変化していくことでしょう。特にハード面について、過去から現在、そして未来に至る進化の過程や、普段は見ることのできない部分もご覧いただきながら「安全・安心、快適」を追求する私たちの姿勢をお伝えすることで、多くの方々がより一層、新たな視点でマンションに興味を持っていただけたらと考えています。そして創業100周年を迎えたとき、「長谷工テクニカルセンター」がより活用され、未来につながる拠点となっていることを願っています。

長谷工技術研究所マンションづくりの根幹となる研究・技術開発の要所

「長谷工テクニカルセンター」の中核となる施設が、「長谷工技術研究所」です。長谷工技術研究所では、建物の長寿命化や耐震性強化、CO2削減をはじめとする環境問題など、常に顧客や社会の新たなニーズに応えるべく、集合住宅に関する様々な性能実験や研究開発に挑戦しています。
長谷工技術研究所の最大の特長、それは、実物のマンション、本物の環境を敷地内につくっていることです。
私たちは“実験”という言葉を、“実際に経験すること”と考えています。住宅実験棟、多目的実験棟では、それぞれリアルな検証ができる空間を用意しています。
私たちがつくる先進のマンションテクノロジーの土台にあるのは、ずっと繰り返し続けてきた地道な実験への熱意そのものです。

  • 多目的実験棟の外観
  • 多目的実験棟の構造実験エリア
  • 住宅実験棟の熱環境試験室
  • 住宅実験棟の外観
  • 住宅実験棟の免震ピット

長谷工マンションミュージアム“ものづくりへの想い” を広く世の中に発信する拠点

長谷工が長年にわたって培ってきた技術力と“ものづくりへの想い”を、広く世の中に発信する拠点として、「長谷工マンションミュージアム」が2018年にオープンしました。長谷工グループでは、これまでもモデルルームなどで基本性能についてアナウンスしたり、構造など隠れた部分が見えるように展示したりと、ものづくりに対する考えを伝えてきましたが、時代背景や技術の進化も踏まえたストーリーとして情報発信していませんでした。そうした、長谷工グループの知恵や工夫を集結して可視化したのが、この「長谷工マンションミュージアム」です。9つのゾーンを体験すると、集合住宅の成り立ちから変遷、未来のあり方までが一つのストーリーとして感じられる内容になっています。
ミュージアムの最大の特徴は、「参加型のコミュニケーションの場」になっていることで、たとえば、「暮らしと住居の変遷」では、1973年に規格型マンションの原型として開発した「コンバス」と最新の「Be-Next」の実物のモデルルームを同一空間に展示。集合住宅の今昔のカタチを実空間で比較体験することができます。また、「まるごとマンションづくり」ゾーンでは、工事現場の様子をVR映像で紹介。実際に見て、触れて、体感できるプログラムを随所に散りばめています。
時代とともに変わっていく集合住宅と、変わらない長谷工グループの想い。この二つを発信していくことで、マンション文化の創造と住まいの躍進を支えていきます。

  • エントランスホール
  • 人類の誕生から集合住宅の成り立ちまで、集まって暮らすことの豊かさを大迫力の映像で伝える「はじまりの物語」
  • 日本と世界の集合住宅の変遷を紹介する「集合住宅の歩み」ゾーン
  • 集合住宅の今昔を実空間で比較できる「暮らしと住居の変遷」ゾーン
  • 建設現場の様子を実際に見て、触れて、体感できる「まるごとマンションづくり」ゾーン
  • 近未来のマンションのあり方を紹介する「これからの住まい」

長谷工グループ技術研修センター管理業界の技術の底上げに寄与する研修施設

「長谷工グループ技術研修センター」は、長谷工管理ホールディングスが管理するマンションの管理組合運営を支援するフロント社員やライフマネージャー(管理員)、クリーンスタッフ(清掃員)、ビル管理技術者などの養成を行う研修施設です。マンション管理に必要な知識と技術力を習得するための多様な実習用設備を備え、一貫したカリキュラムのもとで研修を行います。「長谷工テクニカルセンター」への移転に伴い、一部設備をリニューアルしたほか、水廻りの設備を統合するなど、より効果的に研修が行える空間を整備、研修室も拡張し、より多くの受講者を受け入れられるようにしました。
実際の設備を配した研修施設はほかにもありますが、「長谷工グループ技術研修センター」の特徴は、床や天井の裏側など、普段見ることができないマンションの設備構造がくまなく見え、かつそれらを連動して学べることにあります。そのため外部からの研修依頼も多く、年間延べ7,000名の受講者のうち約半数を外部研修の受講者が占めています。東京都の職業訓練校に認定されていることから、公益財団法人東京しごと財団等が実施するシルバー人材向けの研修にも活用されており、長谷工グループのみならず、管理業界全体の技術の底上げに寄与しています。

  • エントランス研修
  • 屋上研修ゾーン
  • 清掃研修ゾーン
  • 消火設備研修ゾーン
  • 専有部研修ゾーン

長谷工コミュニティ アウル24センター24時間365日体制で住まいの安全・安心を守る

長谷工コミュニティが自社保有する「長谷工コミュニティアウル24センター」では、24時間365日体制でマンションの警報監視を行っています。異常事態が発生した際は、警報の自動通報もしくは居住者からの電話通報を受け、迅速に状況を把握し、警備員やスタッフが現場に出動します。また、夜間休日のフリーダイヤルによる電話受付窓口としてのコールセンター機能も担っています。
「アウル24センター」が対応するマンションの所在地は、北は東北、南は沖縄まで広範囲にわたり、問い合わせ内容も管理マンションのことから、建設現場、アフターメンテナンス、賃貸マンション、リフォーム工事案件に至るまで多岐にわたります。「長谷工テクニカルセンター」への移転を機に、これまで以上に磐石な体制を築き、住まいの安全・安心を守り続けます。