まぶしい食欲

私がビールで晩酌をする向かいで、高校2年の息子がカレーライスを食べている。 見事な食べっぷりである。窓を開け放ったマンション8階の部屋で、大汗をかきカレーと格闘する彼に、私はしばし見とれていた。 自分もかつてはそうだった。夕方に食パン一袋を軽々と片づけたあと、今よりは素材も味も格段に落ちるはずの夕食のカレーライスをペロリと平らげたものだ。酒も煙草も疲れも知らない若者の、ピカピカの胃袋。歳を取り失ったものの中で何を惜しむかと問われれば、私は間違いなくこれを上位に挙げると思う。 食べることは、生きることだ。 元気がない時は若者と食事をせよ、と教える先輩がいた。その時は聞き流していたが、今はその意味がよくわかる。

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