マンションの建物本体は、一般的な地震に対して十分な耐震性を備えていますが、住宅内の家具や電気製品の転倒などで思わぬ被害を生ずることがあります。
地震の際、重い家具には強い力が振動を伴って加わります。転倒を防ぐには、挟んだり持ち上げたりする方法より、建物本体に家具を固定する方法が確実です。
その中でも最善の方法は、
『壁の桟(下地)と家具をL型金物で固定』することです。
チェーンやベルト、突っ張り棒などによる固定は、たるみにより引きちぎれたり、繰り返しの振動ではずれたりするなど、期待した効果が得られないことがあります。効果が高いといわれるL型金物での固定をお勧めします。なお、壁がコンクリート直壁や乾式耐火遮音壁の場合は、壁に穴をあけられない場合もありますので、不明の点は管理会社などにご確認下さい。
固定先として、壁の桟(下地)に直接固定する方法や、位置調整のために横木を利用する方法があります。壁の桟(下地)の位置と、家具の骨組みを確かめて選択して下さい。
壁下地の桟は、ドライバーの太い柄の部分で軽く叩いて探ることができます。ホームセンター等で売られている下地検知用のセンサーやプッシュピンで確認すればより確実です。
叩いて探す方法:
壁紙とボード越しにコンコンと固い音がしたところは桟の可能性があります。桟は等間隔で配置されていることが多いので、わかりにくい場合は、少し広い範囲から見当をつけると安心です。
マンションによっては、壁の桟が木材ではなく軽量の金属材で組まれていることがあります。この場合は、金属用のビスを使うことになりますが、仕様がわからない場合は、管理会社などにご確認ください。
なお、家具の固定だけでなく、万一転倒した場合の被害の大きさや、建具の開閉などを想定してみて、影響が少ない家具配置を心がけることも重要です。