長谷工グループの
サステナビリティマネジメント

私たち長谷工グループは、長期的な視点に立ち、暮らしを取り巻く社会課題を、
事業を通じて解決していくことを目指しています。
住まいと暮らしの創造企業グループとして、企業理念の実現に向け、CSRビジョンのもとCSR活動を推進し、
持続可能な社会に貢献していきます。

サステナビリティ推進担当役員メッセージ

取締役執行役員 経営管理部門サステナビリティ推進担当兼グループシニア事業管掌 吉村直子

⻑⾕⼯グループは、「都市と⼈間の最適な⽣活環境を創造し、社会に貢献する。」という企業理念の実現に向け、住まいと暮らしに関する様々な事業を展開していますが、住まいや暮らしを取り巻く社会課題は、時代とともに変化しています。私は、⾼齢者居住に関する調査研究等に⻑く携わってきた経験から、急速な⾼齢化や⼈⼝減少に絡む課題解決が⻑⾕⼯グループに求められる重要な社会的役割の一つになると考えており、「人生100年時代の住まいと生活のサステナブルデザインを模索し、より良い商品やサービスの提供につなげたい」という思いを持っています。サステナビリティ推進担当の執行役員であると同時に取締役も兼務している立場を活かし、取締役会においてサステナビリティマネジメントを徹底できる体制を目指します。今後、当社が社会の要請に応える企業活動を行い、循環型社会への貢献を意識した経営の高度化を果たせるよう自らの職責を果たしていきたいと考えています。

商品やサービスに直接関わらない事業運営の部分でも、サステナビリティに関する社会の関心は高まっています。当社では、社会情勢等の変化に即し、2023年5月に2回目となるマテリアリティの見直しを行い、①人的資本(ダイバーシティ&インクルージョン、人材育成)、②気候変動への対応、③人権の尊重、④サプライチェーン・マネジメントの4つを最重要課題と特定しました。これら4つのマテリアリティについては、各種の「方針」や「ガイドライン」を策定し、開示していますが、取り組みは緒についたところであり、今後、事業活動を進める上での基軸として一層の推進が必要と考えているものです。特に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進については、私自身、当社初の社内出身の女性取締役として、より直接的に関わっていきたいと考えています。

この他、CSR活動と⻑期的な企業価値の向上との連動について明瞭に⽰せているかという点についても、改善の余地が残されていると捉えており、この部分に対処することで、当社のサステナビリティ経営に対するステークホルダーの皆様の理解や賛同を一層高めたいと考えています。サステナビリティへの取り組みは私たちがあるべき道を進む際のコンパス(羅針盤)ともなるものだと思っています。⻑⾕⼯グループはステークホルダーの皆様とのエンゲージメントも深めながら、真摯に取り組んでまいります。

長谷工グループのサステナビリティ

長谷工グループ企業理念

都市と人間の最適な生活環境を創造し、
社会に貢献する。
私たちは、住まいと暮らしの創造企業グループとして、企業理念の実現に向け
以下のCSRビジョンのもとに、CSRへの取り組みを推進していきます。

CSRビジョン

大切な暮らしを、もっと、ずっと。 私たちは、一人ひとりの暮らしに寄り添い、よりよい毎日を創っていきます。未来を想うまちづくりに、人びとと共に挑戦していきます。
暮らしを取り巻く社会課題領域
  • 気候変動対応
  • 生態系保全
  • 安全・安心
  • 防災・災害対応
  • 地域活性化
  • 人口動態変化・高齢化社会への対応
  • ダイバーシティ推進
  • 女性活躍
  • 健康・医療・介護
  • 職業教育・雇用機会創出
  • 保育・子育て
  • 持続可能な消費
  • 資源循環

CSRビジョン策定

グループ各社の若手〜中堅社員を中心に集まったワーキンググループ(WG)での議論を通じて、CSR取り組みへの共通理解を深めるとともに、グループとしての目指す姿(CSRビジョン)を明文化しました。CSRビジョンの議論は、並行して実施したマテリアリティ特定の結果も考慮しながら進めました。

WGメンバーから出された意見
  • 従来の「長谷工らしさ」を大切にしつつも、新しいチャレンジの可能性も考慮に入れたCSRビジョンが策定できました
  • CSRの意義や「本業を通じたCSR」への社員の理解はまだまだなので、社員への浸透が今後の大きな課題です

CSR方針

私たち長谷工グループは、CSRビジョンの実現に向け、次の方針のもとに、
CSRへの取り組みを推進していきます。
  1. 住まいと暮らしに関わる幅広い事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。
  2. 環境や社会に配慮した事業プロセスの実現に向けた取り組みを、ステークホルダーと協働して推進します。
  3. 生活者をはじめとする様々なステークホルダーの期待に応え、社会に新たな価値を生み出し続けていくために、グループ総合力を最大限に活かすマネジメントを強化します。
  4. 企業活動のすべてにおいて、高い倫理観のもとに、法令遵守を徹底します。
  5. CSR取り組みの継続的な改善を図っていくとともに、情報開示を積極的に進め、組織としての透明性を高めます。
CSRへの取り組み推進の核となるのは、
私たちが大切にしている
「グループ総合力」です。
人・組織と
連携力
チャレンジ精神と行動力にあふれる人材が、社内の様々な部署、グループ会社、取引先、地域の皆様とともに、社会の期待に応える新しい価値を創出します。
生活者視点
私たちは、日本のマンションの歴史を生活者とともにつくってきました。 住まいと暮らしの現場の最前線で、生活者のニーズを常に開拓し、長谷工の総合力を活かした商品・サービスを形にします。
住まいと暮らしの
技術・ノウハウ
住まいと暮らしに関わる幅広い技術とノウハウを基盤に、さらなる社会・環境課題の解決を後押しする技術開発や事業提案に積極的に取り組んでいます。

4つのCSR取り組みテーマ

長谷工グループのCSRの目指す姿である「4つのCSR取り組みテーマ」の実現に向けた取り組みを推進しています。

んでいたい空間
  • 持続可能な
    暮らしとまちづくり
  • 製品(サービス)の
    安全
  • 技術開発
  • コミュニティへの
    配慮と参画
いていたい場所
  • 人的資本
    (ダイバーシティ&
    インクルージョン・
    人材育成)
  • 労働環境・安全衛生
大切にしたい風景
  • 気候変動への対応
  • 生物多様性への配慮
  • 汚染予防・周辺環境配慮
信頼される組織風土
  • ガバナンス・
    リスクマネジメント
  • 情報開示と
    エンゲージメント
  • 人権の尊重
  • サプライチェーン・
    マネジメント
  • んでいたい空間

    様々なひとが安心して暮らし、成長し、それぞれのスタイルで活き活きと過ごす空間をつくっていきます。保育、教育、介護、福祉など、暮らしの質を上げていくための事業を推進していくとともに、さらなる安全・安心と環境配慮を暮らしのスタンダードにしていきます。

    • 3 関連するSDGs目標
    • 3 すべての人に健康と福祉を
    • 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    • 8 働きがいも経済成長も
    • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
    • 12 つくる責任つかう責任
    • 13 気候変動に具体的な対策を
    • 15 陸の豊かさも守ろう
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • いていたい場所

    多様な人びとが活躍する、安全で生産性の高い職場をつくっていきます。住まいと暮らしに関わる技術とノウハウを備えた人材が、熱意溢れるチームワークの広がる職場で、協力会社とともに今と未来のまちづくりに挑戦していきます。

    • 3 関連するSDGs目標
    • 5 ジェンダー平等を実現しよう
    • 8 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • 切にしたい風景

    住まいをつくり、暮らしのサービスを提供するプロセスの環境配慮を推進します。生態系への影響に配慮し、資源・エネルギー効率の向上を追求し、協力会社とともに自然を大切にする現場・職場をつくっていきます。

    • 3 関連するSDGs目標
    • 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
    • 12 つくる責任つかう責任
    • 13 気候変動に具体的な対策を
    • 15 陸の豊かさも守ろう
    • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • 頼される組織風土

    ステークホルダーから信頼され、ともに価値を生み出すグループであり続けるために、組織として果たすべき取り組みを着実に実践していきます。また、グループの総合力を活かすマネジメントを強化し、住まいと暮らしの新たな社会・環境課題を的確にとらえ、事業を通じた社会貢献の領域を常に開拓していきます。

事業と関連性の深い社会課題とSDGs

SDGs(国連の持続可能な開発目標)の17目標のうち、長谷工グループの事業と関わりの深い10目標を特定しました。
長谷工グループの事業は世界の社会・環境課題と密接な関わりがあることを認識し、事業を通じた課題解決によって、社会価値の創造と長谷工グループの成長を両立させていきます。

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
  • SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS 世界を変えるための17の目標

マテリアリティ

気候変動やエネルギー問題、少子高齢化、貧困・人権問題など多くの環境・社会課題が山積しており、企業が課題解決に果たす責任は大きくなっています。長谷工グループでは、優先的に取り組むべき課題を事業軸・社会軸の視点で検討のうえマテリアリティとして特定し、CSRを推進する上での指針としています。なお、マテリアリティの内容は、2017年に初めて特定した後、2020年4月及び、本年2023年5月に見直しを行いました。今後も、経営方針・社会情勢との整合性の観点から適宜見直しを行っていきます。

マテリアリティの特定プロセス

長谷工グループのマテリアリティ

特定したマテリアリティは、4つのCSR取り組みテーマの要素としてすべて盛り込んでいます。

長谷工グループのCSR行動計画

サステナビリティを実践するための具体的な取り組みとして、「長谷工グループCSR行動計画」を定め、進捗を図っています。CSR行動計画は、「4つのCSR取り組みテーマ」を基本構造としており、テーマごとに定めた「2037年(創業100周年)ありたい姿」に向かっていくための取り組み項目と、その達成度合いを測る指標(KPI:重要評価指標)で構成しています。行動計画には、長谷工グループ全体の事業活動を盛り込んでおり、年度ごとに見直し・改善を行っています。
2020年2月に中期経営計画(NS計画)が策定され、サステナビリティと経営方針の連動をより一層図るため、行動計画の見直しを行いました。

2022年度の目標および実績について報告します。

長谷工グループCSR行動計画(2022年度実績)[PDF:1.38MB]

CSR経営の確立に向けて —中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan」

長谷工グループは、「住まいと暮らしの創造企業グループ」としての更なる飛躍を目指して、2020年2月、長谷工グループ長期ビジョン~2030年3月期に目指す姿~と、その実現に向けた中期経営計画「HASEKO Next Stage Plan(NS計画)」を策定しました。重点戦略として「CSR経営への取り組み」を掲げ、企業経営との更なる連動を図ることで、長谷工グループの持続的成長を目指しています。

住まいと暮らしの創造企業グループにおける更なる飛躍を果たすべく、以下の取り組みを進めています。

重点戦略6. CSR経営への取り組み

  1. 事業を通じた課題解決によって「社会価値の創造」と「グループの成長」を両立させ、企業価値向上を実現
  2. 長期的な成長を図るうえで重要なESG要素と当社グループの強みをCSR取り組みテーマに取り纏め、CSRの目指す姿として推進

サステナビリティマネジメント体制

長谷工グループではサステナビリティの実現に向けて、下図のマネジメント体制の運用を通じて、CSR活動の組織的な推進を図っています。
取締役会の下部組織として、長谷工コーポレーション社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しており、サステナビリティに関する方針、活動計画の審議・決定ならびに活動状況の把握・レビューを行っています。なお、サステナビリティ委員会での審議・報告事項については、取締役会に報告され監督される体制となっており、重要な事項については取締役会に付議し審議の上決定しています。
また、委員会の下部組織として、「サステナビリティ推進会議」を設置し、脱炭素やエネルギー・環境技術などの環境施策も含め、グループ全体でのCSR活動の推進・浸透に取り組んでいます。
今後もサステナビリティの実現に向け、各種取り組みを積極的に進めていきます。

マネジメント体制図

各会議体の役割

会議体 役割 構成 開催頻度 事務局
サステナビリティ
委員会
経営レベルでのCSR経営
の審議・決定
【委員長】長谷工コーポレーション社長
【委 員】長谷工コーポレーション各部門担当役員
・グループ各社社長
年2回 サステナビリティ
推進部
サステナビリティ
推進会議
CSR経営の具体施策の審議・実行 【メンバー】長谷工コーポレーションおよび
グループ各社役員・部長
年3回 サステナビリティ
推進部
住宅企画推進室