「長谷工100年企業」へと導く
一人ひとりの個性活躍と多様な働き方の実践

2023年4月よりD&I推進室を立上げましたが、当社グループは、元々多様な職種の多様な人材が組織を超えて、お互いに意見をぶつけ合ったり、尊重をしたりしながら皆で一緒に良いマンションを作り続けてきました。その意味ではD&Iを進める土壌が既にできているように感じています。本日は長谷工グループでD&I推進を牽引頂いている皆様よりお話を伺いたいと思います。

女性の活躍推進

早坂所長は、唯一の女性作業所所長として、過去より当社の女性活躍推進を牽引頂いておりますが、女性が少ない建設業界の中、どのような思いでお仕事を続けてこられたのですか?

早坂  学生時代より建築を勉強していた私は、就職活動当時、ゼネコンを志望していました。丁度入社する数年前に、男女雇用機会均等法が施行されたのですが、女性を総合職として採用する大手ゼネコンは大変少なく、その中で唯一、当社が女性総合職を採用すること知り、当社に入社しました。
基本的に作業所は和やかな雰囲気で仕事も楽しく、今日まで仕事を続けてこられていると思っています。また、若い女性の人たちが続けて入ってくることが重要であるとも捉え、その環境づくりを大切にしながら日々業務にあたっています。

早坂所長を中心に2013年からずっと「女性交流会」を続けていますが、どのような活動をされてきましたか?

早坂  現在女性所員は東京地区で60名超の規模になり、そのように若い女性の方が増えてくる中で、私の考え方というよりは、若い世代の方たちの考え方が作業所に今強く反映されてきています。またそれが女性だけでなく、作業所の若い男性所員の働き方にも良い影響を及ぼしていると感じています。

まさにインクルージョンが進んでいるのですね。小向さんも現在早坂所長と同じ職場で働いていらっしゃいますね。

小向  まさか、「レジェンド」の早坂所長とご一緒の作業所で仕事をする日がくるとは思っていませんでした。現在私は、育児休業から復帰して1年になります。私が就職活動していた当時、作業所の女性所長がいることを大々的にアピールしていたのは当社だけでした。また入社後には周りの人たちから、「長谷工は女性活躍推進に積極的で、女性の作業所監督も多いから良い会社だよね」、と度々言われます。それも全て早坂所長のお陰であり、また日々公私ともに色々なアドバイスを貰い、大変感謝しています。

作業所で働きながら家庭や育児と両立していくことについてはいかがお考えですか?

小向  会社全体として色んな人の色々な働き方がある中で、私の働き方は1つの事例に過ぎないと思います。つまりは、結婚するしないも子供がいるいないも、また例えシングルマザー・シングルファザーになっても、当社は「働き続けられる会社」であり、「個人のライフプランにあった働き方ができる会社」なのです。作業所は好きだけれども働き方で悩んでいる相談相手には、そのように答えています。私は作業所が大好きです。

同じく家庭や育児と両立しつつ、現在設計部門にて役職者としても活躍をされている堤チーフはいかがな環境にありますか?

  私は、入社してから構造設計室で10年程勤めた後、同じ構造グループ内のリニューアル設計室に異動し、現在に至っています。チーフ職に就きながら、仕事と育児を両立していく上で、確かに苦労する面はあります。しかし、幸いなことに構造グループの上席が皆、部下一人ひとりの個人的事情・家庭事情への理解があるため、業務量に配慮頂いたり、在宅勤務を多用させて頂くことで、仕事を続けられています。自分が働けない分は、他の誰かの負担になるのは事実なので、周囲への感謝の気持ちを忘れないことが大切だと思っています。今後子育てが落ち着いたら、フォローする側に回りたいと考えています。

障がい者の活躍推進

篠原チーフは、障がい者の雇用・活躍に取り組む特例子会社(株)長谷工システムズにお勤めになっています。労働環境全般について教えてください。

篠原  障がい者が働く特例子会社ということで、色々と環境が整備されています。一例ですが、自動車通勤を認めてもらったり、社内には障がい者用のトイレやスロープが多く設置されたり、ドア幅も車椅子が通れるように設計されています。また通院休も設けられています。このような環境の下、現在私はレンタルリース部門の収支管理を行っています。頭を使う仕事、事務的作業は健常者・障がい者の優劣はありませんので、毎日働きがいのある仕事を任せてもらえていると有り難く思っています。

長谷工グループ全体で障がい者の活躍を拡げていくためのアドバイスがありましたらお聞かせください。

篠原  いま申し上げたようなハードウェアの対応は進めやすい一方、内部疾患者、精神・知的障がい者への対応という点では、そういった方たちが働けるような、今までと違った職域を設ける必要があるでしょう。現実的には中々難しい面もあるかとは思いますが、そういった新しい職域をどんどん用意していくことが、障がい者雇用率の上昇にも繋がっていくのではないかと考えています。

外国人の活躍推進

ズンさんの現在のお仕事内容を教えてください。

ズン  現在私は、長谷工グループで人材紹介・派遣事業を担う(株)長谷工ジョブクリエイトに在籍し、ベトナム人の長谷工グループ内外企業への転職サポートや、彼らの生活支援を行っています。その他、ベトナム人など外国人の採用を希望する日本企業に対しては、ビザ関係など様々な受け入れ支援を行っています。来日する前の2年間、私はベトナムで(株)長谷工シニアウェルデザインの介護実習生に日本語を教えていました。その時に長谷工グループのことを知り、いつの日か長谷工グループで働きたいという夢を抱き、そしてそれが叶い今日に至っています。

日本の職場で働く上で苦労する点はどのようなところですか?

ズン  一番大変なところは間違いなく日本語です。また、(株)長谷工ジョブクリエイトが私にとって日本での初めての職場でしたので、当初は職場のマナー面で苦労したりもしましたが、来日してから約3年が経ち、その点もだいぶ慣れてきました。これまで勉強してきたこと、いま現在日本で経験していることを、ベトナム人や現地ベトナムにしっかりと案内していき、長谷工グループの発展に貢献していけたらと思っています。

シニア人材の活躍推進

成田特任所長は、定年後の現在もなお作業所所長としてご活躍頂いています。これまでご苦労されたエピソード等がありましたら教えてください。

成田  私が所長になったのはバブル崩壊真っ只中の1996年でした。当時は経営が非常に厳しい時期でしたが、「長谷工さんが潰れるんだったらウチも一緒に潰れますよ」と言ってくださる協力会社の人たちがほとんどで建栄会を中心に一丸となって、工事を止めることなくひたすらマンションをつくり続けました。その結果として、気付いた時には債務返済・復配を果たしていました。そういった意味では、悲壮感というものよりも、とにかく忙しくマンションづくりに努めていたというのが当時の印象です。

成田特任所長世代の方々の並々ならぬご苦労が今の長谷工を支えてきたのだと実感します。今後我々後進へ託していきたいことなどについて一言お願いします。

成田  私事になりますが、現在私は66歳で、私が80歳になる時には当社は100歳になるんですね。後進の皆さんには、当社成長の系譜を受け継ぐ身として、当社を100年企業に是非育ててもらいたいと思います。それが私から後進の皆さんたちへのお願いです。
会社は社員一人ひとりの集合体な訳であり、各人が自覚を持って100年企業にすることは非常に大変なことかもしれません。しかしゴールはもう見えています。後進の皆さんには、どんどん会社を良くするために積極的に発言してもらい、お互いがそれを尊重しながら形として表して欲しいと思っています。