相続税がかかる人・かからない人~基礎控除額の計算と申告が必要なケース~

くらしのちゃんねる

説明文

「うちも相続税がかかるのかな?」親が亡くなったとき、多くの方が抱く疑問です。実は相続税は、亡くなった方全員にかかるわけではありません。課税対象になるのは全体の約1割程度といわれています。その分かれ目になるのが「基礎控除」です。今回は相続税がかかるかどうかの判断基準をわかりやすく解説します。

相続税の「基礎控除」とは?
相続税には、この金額までは課税されないというボーダーラインが設けられています。それが基礎控除です。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば法定相続人が妻と子ども2人の計3人であれば、基礎控除額は4,800万円。相続財産の合計が基礎控除額以下であれば、相続税はかからず申告も原則不要です。

「相続財産」には何が含まれる?
基礎控除と比較する財産には、以下のようなものも含まれます。

  • 現金・預貯金・有価証券
  • 土地・建物(相続税評価額で計算)
  • 死亡保険金・死亡退職金(非課税枠を超えた部分)
  • 亡くなる前の一定期間内(※)の贈与財産(持ち戻し)
    (※)2024年1月1日以降の贈与から順次延長され、最終的に7年になります(従来は3年)

その他、売買可能な車や貴金属、書画骨董など金銭価値があるものについても相続財産として課税対象となります。
一方、墓地・仏壇などの祭祀財産や、国などへ寄付した財産は課税対象外です。また、借金や葬儀費用は財産から差し引くことができます。

かかる人・かからない人の具体例

■かからない例
夫が死亡、相続人は妻と子2人(基礎控除4,800万円)。財産は自宅2,500万円+預貯金1,500万円=合計4,000万円。
→基礎控除以下なので相続税ゼロ・申告不要。

■かかる例
同じ家族構成で、財産が自宅3,500万円+預貯金2,500万円=合計6,000万円。
→基礎控除を1,200万円超えるため、申告と納税が必要。

都市部に自宅を持ち、ある程度の預貯金がある家庭なら、基礎控除を超えるケースは決して珍しくありません。

注意!「税額ゼロでも申告が必要」なケース
見落としがちなのが、特例を使って税額がゼロになる場合は申告が必要という点です。

  • 小規模宅地等の特例(土地評価額を最大80%減額)を使う場合
  • 配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)を使う場合

これらの特例は「申告すること」が適用の条件です。「計算したらゼロだったから申告しなかった」では特例が認められず、本来の税額を請求されるリスクがあります。

まずは財産の棚卸しから
相続税がかかるかどうかを判断する第一歩は、財産の全体像を把握することです。不動産は固定資産税の課税明細書、預貯金は通帳や残高証明書で確認できます。「基礎控除を超えそうかも」と思ったら、早めに税理士へ相談することで、特例の活用や納税資金の準備がスムーズに進みます。

執筆:伊藤会計事務所 税理士 伊藤 桜子

遺産相続サポートセンター(伊藤会計事務所)

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