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剥がれやカビ……壁紙のトラブルにはどう対処する?

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2024.03.28
 

 

壁紙は5〜10年程度の張り替えが推奨されており、退色や剥がれ、浮きなどの経年劣化が生じやすくなります。空気中の湿度変化に応じて壁紙も乾燥収縮を繰り返し、壁紙の糊の粘着力も弱くなることが「剥がれ」や「浮き」の原因となります。

 

とはいえ、一度に壁紙のすべてが剥がれることは考えにくく、多くの場合、端から徐々に剥がれていきます。部分的な剥がれであれば、剥がれが広がる前に粘着部のゴミや埃を取り除いたうえで、壁紙の裏側にクロス用の接着剤や文具用の木工用ボンドをはみ出さないように塗布し、十分に圧着します。剥がれてから時が経つと補修が難しくなりますので、早めに対処しましょう。

 

壁紙にカビが見られる場合は、アレルギーや喘息などのリスクもあるため、注意が必要です。カビの原因とも考えられる雨染みや結露等の湿気対策を検討するほか、早めに消毒用アルコールでカビが発生している部分を拭き取って対処しましょう。ただし、壁紙の種類によっては表面が損傷してしまうおそれがありますので、まずは目立たない場所で試すことをおすすめします。

 

剥がれやカビの原因にもなる結露に対しては、室内の換気や湿度調整を心がけるとよいでしょう。健康な生活を続けるためにも、壁紙を美しく、清潔に保ちましょう。

 

 

文:亀梨奈美

監修者

小西 昌太

<保有資格>

一級建築士/既存住宅状況調査技術者/日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター

設計事務所にて個人住宅から店舗、マンション、複合施設の他、まちづくり計画などの経験を経て独立。現在は風土と暮らしを探究した、癒しの居場所づくりを中心とした設計監理に取り組む傍ら、戸建からマンション管理までインスペクションするさくら事務所に参画し、プロホームインスペクターとしても活動している。

 

WRITER

亀梨 奈美
不動産ジャーナリスト。住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

X:@namikamenashi