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床暖房の「熱源」による違いは?

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床暖房は、ストーブのように室内に燃焼機器を置く必要はなく、エアコンのように温風で空気を暖めるものでもないため、空気を汚さず、埃やハウスダストを舞い上げる心配のない空調機器です。

 


床暖房には主に「温水式」と「電気式」があります。温水式は、給湯器を熱源とした温水を床材の下に流して床を暖めるもので、電気式は床下にヒーターが埋め込まれています。いずれも、床材は温度上昇に耐えられるものが使用されています。温水式は、全体が比較的均一に温まりやすく、初期コストは高めですがランニングコストが抑えやすいことから広い面積の条件に向いているといえます。一方で電気式は、温水に比べるとランニングコストが高く温度ムラが生じる可能性がありますが、初期費用が低いため部屋の一部など限定的に設置したい時には有利といえます。

 

床暖房を後から新設する場合には、既存の給湯能力、電気回路や容量などの確認が必要です。マンションによっては、熱源方式が限定されたり、新たに給湯器を設置して床レベルを上げる必要があったりすることもあります。また、導入できない可能性もゼロではありませんが、設備機器以外に、床材や壁の一部を取り替える工事なども必要になるため、マンションリフォームの設計や施工の専門業者に相談されることをお勧めします。

 

 

文:亀梨奈美

監修者

小西 昌太

一級建築士/既存住宅状況調査技術者/日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター

設計事務所にて個人住宅から店舗、マンション、複合施設の他、まちづくり計画などの経験を経て独立。現在は風土と暮らしを探究した、癒しの居場所づくりを中心とした設計監理に取り組む傍ら、戸建からマンション管理までインスペクションするさくら事務所に参画し、プロホームインスペクターとしても活動している。

 

WRITER

亀梨 奈美
不動産ジャーナリスト。住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

X:@namikamenashi