団塊・ポスト団塊・新人類とライフデザイン
2026年08月07日 / 『CRI』2026年8月号掲載
目次
「団塊世代」が後期高齢者となった。かつて、よくわからない若者たちとしてそう呼ばれた「新人類」もリタイア前後だ。わが国で若者が社会を席捲した世代が現役卒業を迎えている。
真正「団塊」は1947~1949年生まれ、広義には1951年生まれまでで、現在後者では74~79歳となる。見合い婚と恋愛婚の数が逆転し、その数と相まってわが国を本格的に若者文化の社会にし、ニューファミリーと呼ばれて友達夫婦・友達家族を始めた。また、「ポスト団塊」は“ポパイJJ世代”とも呼ばれ、1952~1960年生まれで、現在65~74歳。日本の若者がオリジナルのファッションを生み出し、世代の音楽はその後のJポップの源流となった。さらに「新人類」は1961~1970年生まれで、55~65歳。バブルを担い、若者が一流のレストランに行き、ブランドをわがものとした。
今後、この世代がシニアと呼ばれてただ萎んで行くのか。世の中はそう見ているかも知れないが、当事者はどうも違うようだ。当研究所の調査でも「これから自分なりのライフスタイルを創って行きたいですか」という質問に40〜70代の79.3%と約8割が「創りたい・やや創りたい」と答えた。子供が独立し、ようやく自分たちの時間が出来、これから「新しい大人のライフスタイル」を創りたいのである。
子供部屋の空いた家で、リフォームをするとして、要介護を考えた階段の手すりや風呂場のバリアフリーなどだけなのか、ということである。ある住宅設備メーカーがショールームで、自分なりの大人のライフスタイルに焦点をあてた提案をしたところ、大人気となった。実はこの世代はそれを待っていた。
考えられることとしては、例えば、夢のカフェ/たまり場になる家/キャットタワーのあるリビング/ホームシアターになるリビング/妻や仲間も招くオーディオルーム/ウェストコースト風ガレージ/妻が楽しむ趣味の部屋/大人の二人のボディメンテルーム/書籍&デジタルの知的マイルーム/レガシールーム、などだ。
「夢のカフェを創りたい」は60代女性に夢を聞いたときに「自宅カフェ」が意外に多かったのである。また「たまり場になる家」は仲間や家族が集まれる家だ。子供の独立後はリビングに「キャットタワー」を置くのはどうだろうか。夫の書斎の前に編み物など妻の趣味の部屋があっても良いのでは。介護予防のためには夫婦二人で「ボディメンテナンス」だ。また、団塊は70代後半である。諸々整理もしつつ、若き日のレコードジャケットなどは「レガシー」としてディスプレイしてもいいだろう。
人生100年時代。自らのファイナルステージをどう創るか、試行錯誤し、創意工夫することが大いなる楽しみとしてのライフデザインとなるのではないだろうか。

人生100年時代 未来ビジョン研究所 所長
1975年早稲田大学商学部卒。(株)博報堂入社。プロモーション企画実務、研究開発に従事の後、企業のソーシャルマーケティング開発を推進。2000年エルダービジネス推進室、2011年新しい大人文化研究所を設立。さらに、2019年独立し当研究所を創設、現在、所長。
著書:『50歳を超えたらもう年をとらない46の法則』(講談社+α新書)『シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす』(日本経済新聞出版社、韓国版・台湾版発刊)他。