遺品整理で見過ごされがちな「税務上のリスク」追徴課税を避けるための心得
故人を偲びながら行う遺品整理。それは心の整理をつける大切な時間です。しかし、この作業には、もう一つの重要な側面があります。それは、故人の残した財産を正確に把握し、適切な相続手続きにつなげるという税務上の責任です。遺品整理の過程で確認すべきことを見落としてしまい将来思わぬ税務上のリスクとなり、申告漏れや追徴課税につながるケースが後を絶ちません。
今回は、こうしたリスクを回避し、延滞税などの余計な負担を負わないためのポイントを解説します。
隠れた財産に注意!遺品整理で確認すべきポイント
遺品整理中、思いがけず故人の財産が見つかることがあります。これらが相続税の課税対象になることを忘れてはなりません。
- タンス預金・へそくり
タンスの奥や仏壇の引き出しから見つかる現金で亡くなった方のものは、すべて相続税の対象です。
- 有価証券・貴金属
株券、債券、投資信託の証書、骨董品、絵画なども相続財産として評価が必要です。
1株未満の端株などは普段利用している証券会社ではなく信託銀行などに保管されている場合があるので注意が必要です。
- 名義預金
故人が家族名義で管理していた預金は、実質的に故人の財産と見なされる可能性があります。
「家族名義だから大丈夫」という誤解は、申告漏れの大きな原因になります。
追徴課税を避けるための3つのステップ
遺品整理を始める前に、以下の点を頭に入れておくことで、税務上のトラブルを未然に防ぐことができます。
- 書類はすべて保管
通帳、保険証書、不動産の権利証、過去の贈与に関する書類など、遺品から見つかった書類はすべて捨てずに保管してください。
一見不要に思える書類が、相続手続きで重要な手がかりとなる場合があります。 - 生前贈与の有無の確認
遺品を整理する際に、過去に行った贈与の契約書であったり贈与の記録が残されていることがあります。生前贈与した財産も相続税の課税対象となることがあるため見つけたら必ず保管しておきましょう。 - 専門家への早めの相談
相続財産が多岐にわたる場合は、税理士などの専門家に早めに相談しましょう。
故人の財産を漏れなく把握し、適切な手続きをアドバイスしてくれます。
遺品整理は、故人の想いを引き継ぐ大切な時間です。その過程で税務上のリスクを正しく理解し、適切に対処することは、残された家族が安心して新たな一歩を踏み出すために不可欠なことです。故人からの最後のバトンを、税務上の問題なく、しっかりと受け取ることが、何よりの供養となるでしょう。
執筆:伊藤会計事務所 税理士 伊藤 桜子
遺産相続サポートセンター(伊藤会計事務所)
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