遺言書の重要性と作成のポイント
遺言書は、自分の死後に財産をどのように分けたいかを記しておく法的な意思表示です。単なる「置き手紙」ではなく、法的な効力を持つ重要な文書であり、元気なうちに作成しておくことで、残される家族に大きな安心をもたらします。
遺言書の重要性:なぜ元気なうちに、準備すべきなのか?
遺言書を作成する最大のメリットは、相続をめぐる家族間の争いを防ぐことができる点にあります。遺言書がない場合、遺産分割は相続人全員での話し合いによって行われます。しかし、分割について、当人たちの意見が合わなければ、親族間の争いに発展することもあります。
遺言書があれば、自分の意思が明確に示されているため、話し合いを省略して遺言書の内容通りに手続きを進めることができ、親族が不要な争いで傷つくことを防ぐことができます。
また、遺言書は法定相続人以外の人に財産を遺すための唯一の手段でもあります。例えば、お世話になった友人に渡したいなど、遺言書がなければその意思は法的に認められません。
遺言書は意思能力がはっきりしている状態でないと作成できません。元気なうちにしっかり準備を行い円満な相続を目指しましょう。
遺言書作成のポイント:知っておくべき2つの形式
遺言書には、代表的な2つの形式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 自筆証書遺言
全文を自筆で書く遺言書です。手軽に作成できる反面、形式に不備があると無効になってしまうリスクがあります。日付、氏名、押印が必須で、パソコンなどで作成したものは原則として認められません。 - 公正証書遺言
公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。証人2人以上の立ち会いが必要となります。公証人が法律に基づいて作成してくれるため、形式不備で無効になる心配がほとんどありません。原本は公証役場に保管されるため、紛失の心配もなく、最も確実な方法とされています。作成には費用がかかりますが、その確実性の高さから多くの人に選ばれています。
遺言書に記載すべき内容
遺言書には、以下の内容を具体的に記載することが大切です。
- 誰に、どの財産を、どれだけ遺すか
不動産の場合は「地番」や「家屋番号」、預貯金は「金融機関名」「口座番号」まで明確に記載します。 - 遺言執行者の指定
遺言書の内容をスムーズに実現してくれる「遺言執行者」を指定しておくと、相続手続きが滞りなく進みます。
- 付言事項
法的な効力はありませんが、「なぜこのような内容にしたのか」という理由や、家族への感謝の気持ちなどを書き記すことで、遺族の気持ちを和らげる効果が期待できます。
遺言書は、自分の人生を締めくくる最後のメッセージです。後々のトラブルを防ぎ、残された家族が安心して暮らせるように早めに準備をすすめましょう。
また、せっかく作った遺言書が無効になってしまったり、思わぬ税負担が発生してしまったりしないように専門家(弁護士や司法書士、税理士)に相談しながら作成することをおすすめします。
執筆:伊藤会計事務所 相続診断士 江頭 雅弥
遺産相続サポートセンター(伊藤会計事務所)
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