孫へ財産を引き継がせる方法のメリットと注意点
孫への遺産相続は、節税効果や財産承継の確実性など、多くのメリットがありますが、実行するには適切な方法を選ばないと思わぬ税負担が発生する可能性があります。
孫に財産を遺すための二つの主要な方法
孫が法定相続人でない場合、財産を遺す方法は主に「遺言による遺贈」と「生前贈与」の二つです。
遺言による「遺贈(いぞう)」
遺言書を作成し、「孫に財産を遺す」と明記することで、孫に財産を引き継ぐことができます。
メリット
・相続税の節税効果
世代飛ばしで相続させると、子世代の相続が発生しないため、その分の相続税を一回分スキップできます。
・財産承継の確実性
遺言書があれば、他の相続人の意向に関わらず、指定した財産を孫に確実に承継させることができます。
注意点
・相続税の2割加算
孫は法定相続人ではないため、孫が受け取った財産に対する相続税は、原則として相続税額にその2割が加算されます。
・遺留分
遺言の内容が、子など法定相続人の遺留分(最低限保証された相続割合)を侵害する場合、後にトラブルになる可能性があります。
「生前贈与」による承継
孫が未成年であっても、生前贈与の制度を利用して財産を移すことができます。
- 暦年贈与
1年間に贈与する財産が110万円以下であれば、贈与税は非課税となります。この非課税枠を活用する形で贈与を行うことで、相続税の課税対象になる財産を減らすことができ、大きな節税効果があります。
- 相続時精算課税制度
60歳以上の親や祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与する場合に選択できます。この制度を選択すると、毎年110万円を超える金額について2,500万円までの特別控除を受けることができ、非課税で多額の財産を移せます。ただし、この方法で贈与した財産は相続税の課税対象となってしまう点は注意が必要です。
孫への相続計画の重要性
孫への相続は、一見シンプルに見えますが、遺言執行や贈与税、相続税の2割加算、遺留分など、税務上・法務上の複雑な問題が絡み合います。特に、相続時精算課税制度は一度選択すると撤回できないため、慎重な検討が必要です。 孫の将来を見据えた確実かつ円満な財産承継のためには、税理士などの専門家に相談し、ご自身の家族構成や財産状況に合わせた最適な方法を選択することが非常に重要です。
執筆:伊藤会計事務所 相続診断士 江頭 雅弥
遺産相続サポートセンター(伊藤会計事務所)
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