住まいの修理ガイド

壁紙の剥がれや浮きの原因とは?補修方法から剥がれないための対策まで詳しく解説

更新日 2025年11月13日

この記事でわかること

壁紙が剥がれてしまう原因
壁紙が剥がれてしまう原因には、「経年劣化や接着剤の劣化」「湿気や温度変化による影響」などがあります。

剥がれてしまった壁紙の補修方法
壁紙が剥がれてしまったら、まずは周囲を掃除します。次に、裏側と下地に補修のりを塗ってもとの位置に戻し、ヘラで圧着します。のりは乾く前に拭き取りましょう。剥がれが大きい場合は、補修用壁紙を重ね貼りしてカットし圧着すると、きれいに仕上がります。

■ご注意

賃貸で壁紙が剥がれてしまった場合は、補修をする前に管理会社や大家さんに問い合わせましょう。勝手に補修をしてしまうと、後にトラブルに発展する可能性があります。

目次

壁紙が剥がれる・浮いてしまう原因

壁紙が剥がれる・浮いてしまう原因には、主に以下の3つがあります。

  • 湿気や温度変化による影響
  • 経年劣化や接着剤の劣化
  • 下地の不具合

それぞれの原因について、詳しく解説していきます。

湿気や温度変化による影響

壁紙が剥がれる・浮いてしまう大きな要因は、湿気や温度変化です。湿度が高いと壁紙の裏側に水分がたまり、接着剤の力が弱まってしまいます。浴室やキッチン、洗面所などの水まわりや、窓際、天井付近は湿気がこもりやすく、壁紙が傷みやすい場所です。

また、冬の暖房や夏の冷房などで急激に温度が変化すると、壁材が膨張・収縮を繰り返し、壁紙の剥がれや浮きが発生しやすくなります。 

経年劣化や接着剤の劣化

壁紙や接着剤は、年数がたつにつれてどうしても劣化してしまうものです。特に接着剤は、空気中の湿気や温度変化の影響を受けて、徐々に粘着力が弱まっていきます。

壁紙自体も紫外線や生活によるダメージ(手垢や油分、揺れや振動など)を受けることで、素材が傷んで剥がれやすくなってしまいます。 

下地の不具合

壁紙を貼る前の壁の表面を下地といい、多くは石膏ボードやモルタルなどの素材が使用されます。この下地に汚れや凹凸があると、壁紙の剥がれや浮きの原因となります。また、施行から時間が経過したことによる下地の劣化やカビの発生なども、壁紙が密着しにくくなり、きれいな状態を保てなくなる一因です。

壁紙の剥がれを放置するリスク

壁紙の剥がれを放置するリスクは、主に以下の2つです。

  • カビやダニが発生することがある
  • 剥がれがさらに広がることがある

それぞれのリスクについて、詳しく見ていきましょう。

カビやダニが発生することがある

壁紙の剥がれた部分は湿気がたまりやすく、カビやダニの温床になることがあります。これらはアレルギーや喘息、皮膚炎などの健康被害を引き起こす恐れがあるため、子どもや高齢の方がいるご家庭では特に注意が必要です。 

剥がれがさらに広がることがある

小さな剥がれを放置すると、そこから空気や湿気が入り込み、剥がれがどんどん広がってしまうことがあります。結果として、部分的な補修で済んだはずのものが、壁面全体の壁紙の貼り替えなど大がかりな修繕に発展してしまい、費用や手間が大幅に増えるリスクがあります。

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自分でできる!接着剤やテープを使った、壁紙の剥がれの補修方法

ここでは、壁紙が剥がれてしまった場合と浮いてしまった場合の2つに分けて、自分でできる補修方法を紹介していきます。

壁紙が剥がれてしまった場合

壁紙が部分的に剥がれてしまった場合は、まず剥がれた部分とその周囲をきれいに掃除し、ほこりや汚れを取り除きます。

次に、壁紙の裏側や下地に、壁紙用の接着剤か補修のりを薄く均一に塗ります。壁紙をもとの位置に戻し、ヘラやローラーで空気を抜きながらしっかり圧着しましょう。はみ出したのりは、乾く前に雑巾で拭き取ります。

剥がれが大きい場合や破れている場合は、補修用の壁紙をひとまわり大きめにカットして重ね貼りし、重なった部分をカッターで切り取ってから圧着するほうがきれいに仕上がります。

壁紙が浮いてしまった場合

壁紙が浮いてしまった場合は、まず浮いている部分にカッターで小さな切れ目を入れます。その切れ目から細い筆や注射器などを使って、壁紙用ののりまたは接着剤を壁紙の裏側にしっかりと入れます。のりが行き渡ったら、壁紙を指やヘラで押さえて空気を抜きながら密着させましょう。

最後に、はみ出したのりを拭き取り、必要に応じてマスキングテープなどで仮押さえしながら、完全に乾燥させて仕上げます。浮きが小さい場合はこの方法で簡単に補修できるでしょう。広範囲の場合は下地の状態も確認し、必要に応じて下地補正を行なうとより長持ちします。

壁紙の寿命とは?

壁紙は何年で交換すべきという決まりはありませんが、使用から7年~10年ほどたつと継ぎ目の浮きや汚れが目立ちやすくなります。

家族構成や暮らし方が変わるタイミングで、気分転換も兼ねて貼り替えるのもひとつの方法です。広範囲の貼り替えには家具の移動が必要になるため、間取りの見直しや設備の更新と併せて計画すると、効率的に壁紙を交換できます

壁紙の剥がれを防ぐための対策

壁紙の剥がれを防ぐための対策には、主に以下の3つがあります。

  • 室内の湿度管理を徹底する
  • 家具やものを壁から少し離して配置する
  • 定期的に壁紙の状態をチェックし、早めに補修する

それぞれの対策について、詳しく解説していきます。

室内の湿度管理を徹底する

壁紙の剥がれや浮きの最大の原因は湿気です。そのため、こまめに換気したり、除湿機を活用したりして室内の湿度を適切に保つことが対策になります。特に浴室やキッチンなどの湿気がこもりやすい場所では、換気扇と除湿機を併用すると効果的です。

家具やものを壁から少し離して配置する

家具や家電を壁にぴったり付けて置くと、空気の流れが悪くなり、壁と家具の間に湿気がたまりやすくなります。数センチでも壁から離して配置することで、湿気やカビの発生を防ぎ、壁紙の剥がれを予防できるでしょう。

一方で、耐震対策を優先する場合は、家具を壁ぴったりに配置すると転倒防止の効果があります。どちらにもメリットがあるため、状況に合わせて置き方を工夫しましょう。

定期的に壁紙の状態をチェックし、早めに補修する

日常的に壁紙の状態をチェックし、小さな浮きや剥がれを見つけたら早めに補修することが大切です。早期対応することで、剥がれの広がりや大規模な修繕を防ぐことができます。

また、壁紙の汚れが一番落ちやすいのは「付いてからすぐ」です。汚れが付着していることに気付いたらそのまま放置せず、すぐに拭き取って常に清潔な状態を保ちましょう。

安価に画鋲の穴を補修しよう

画鋲の穴を安価かつ簡単に補修したい場合は、市販の壁補修用パテや100円均一ショップで手に入る補修材を使う方法があります。

まず、穴の中にほこりやごみが入っていないかを確認し、つまようじなどで取り除きます。次に補修用パテを綿棒や指先で穴に詰め、表面を壁になじませるように平らにならします。パテがない場合は、ティッシュペーパーやコピー用紙を小さく丸めて少し湿らせ、穴に詰める方法も有効です。その上から修正液や白い絵の具を塗れば、より自然に仕上がります。

最後に、表面を軽く押さえて平らにし、しっかり乾燥させれば補修は完了です。壁紙の色や模様に合わせて色を調整すると、さらに目立たなくなります。

賃貸で壁紙が剥がれてしまった場合の注意点

賃貸で壁紙が剥がれてしまった場合は、主に以下の2つに注意しましょう。

  • 自分で補修する前に管理会社や大家さんへ連絡する
  • 剥がれた原因によって費用負担が変わる

それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。

自分で補修する前に管理会社や大家さんへ連絡する

小さな壁紙の剥がれは自分で補修できるケースもありますが、勝手に修理すると退去時のトラブルにつながることがあります。場合によっては、業者による修繕が必要だったり、補修方法に指定があったりするためです。補修前には必ず管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。入居者の退去後に壁紙を貼り替えるケースも多いため、賃貸借契約書の内容を確認しておくことも大切です。 

剥がれた原因によって費用負担が変わる

賃貸物件で壁紙が剥がれた場合、経年劣化や自然な損耗によるものなら、原則として貸主(大家さん)が修繕費用を負担します。一方で、ポスターやテープを貼ったことによる剥がれ、結露を放置したことによるカビの発生など、入居者の過失が原因の場合は入居者が費用を負担することとなります。どちらが費用を負担するかは原因によって異なるため、状況を正確に把握しておくことが重要です。 

壁紙の剥がれが気になったらリフォームも検討!

今回は、壁紙が剥がれてしまう原因や、剥がれてしまった場合の補修方法などについてご紹介しました。壁紙が剥がれてしまった場合は、自分で補修することも可能ですが、賃貸物件の場合はトラブルにつながることもあるので、管理会社や大家さんに事前に相談すると安心でしょう。

長く住み続けていると、壁紙の劣化は避けられません。壁紙をきれいに保つためには、湿気に注意するなど、日々のメンテナンスやチェックを意識的に行なうことが大切です。

もし壁紙について悩みや不安がある場合は、プロに頼ることも選択肢のひとつです。長谷工リフォームでは、専門の知識を持った経験豊富なスタッフがワンランク上の空間作りをご提案いたします。壁紙や部屋全体で気になることがある方は、「こうなったらいいのに」を実現する長谷工リフォームへ、ぜひ一度ご相談ください。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。