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窓の防音対策!自分でできる方法とプロに任せたい本格リフォーム

更新日 2025年11月13日

この記事でわかること

防音できる音
話し声やテレビなどの音は防音対策が可能です。一方で、対策するのが難しい音は、電車やドアの開閉音などです。

防音対策の種類
自分でできる対策としては、「防音カーテン」「防音テープ」「防音シート」があります。また、「窓ガラス自体の交換」「内窓(インナーサッシ)を設置」という方法もあり、専門業者に依頼すれば精度の高い対策が可能です。

■ご注意

マンションやアパートといった集合住宅にお住まいの方は、防音対策を行なう前に管理規約を確認するようにしてください。また、自分で対策するのが不安という方は専門の業者に依頼するようにしましょう。

目次

窓の防音対策が必要な理由

隣近所から聞こえる生活音が気になることはありませんか?子どもの声やテレビの音をうるさく感じるとき、一方で、「自分も近隣住民に迷惑をかけているのではないか?」と心配になるかもしれません。あるいは、外を走る車の走行音や工事音などが煩わしく思う場合もあるでしょう。もし、そうした音を気にし過ぎてストレスに感じるなら、窓の防音対策を考えてみませんか?

窓の防音対策で抑えられる音は?

窓は壁や床と違い、薄くて音漏れの原因になりがちです。窓に防音対策を施すことで、生活騒音を抑えられます。対策できる音としては、人の話し声やテレビ、スマートフォンから出る音などがあります。一方、対策するのが難しい音は、電車の音やドアの開閉音などです。防音できるかどうかは、空気の振動による音か、床や外壁を振動させて発生する音かで異なります。そのため、悩ましい騒音がどのような種類かを考慮したうえで、適切な防音対策を取るとよいでしょう。

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自分でできる窓の防音対策とは?

窓の防音性を強化するには、窓ガラス本体もしくはサッシとの隙間、どちらかにアプローチする方法が一般的です。今回は、自分でできる防音対策として、防音カーテン、防音テープ、防音シートの3つをご紹介します。

防音カーテン

防音カーテンとは防音機能の高いカーテンで、防音以外にも断熱と遮光に効果があります。ただし、一般のカーテンより重く、価格も高いため、これらの特徴を理解したうえで購入を判断しましょう。

防音カーテンには「遮音カーテン」と「吸音カーテン」の2種類があります。両者の違いは防音する仕組みで、共通しているのは、上部にひだがないことと防音性が高いことです。それぞれの防音の原理と特徴を解説します。

遮音カーテン

カーテンの裏に樹脂コーティングが施されており、音をはね返すことで防音効果を高めます。特に、高音域に対して効果が高く、低音域には効果が低いといわれています。遮音カーテンは主に、外部からの音を防音することに特化しているでしょう。

吸音カーテン

高密度の生地や多層構造の生地が室内の音を吸収してくれます。表面に凹凸がある生地を使用し、表面積を増やすことで音が吸収されるという仕組みです。3層構造、5層構造、7層構造など生地の厚みが増すほど防音効果が期待できるので、購入する際は層の数に注目しましょう。

防音テープ

防音テープは、窓とサッシの隙間をふさぐことで防音効果を発揮するテープです。防音だけでなく、防虫や冷暖房効率が向上する効果があります。ただし、防音テープだけでは室内外の音を遮るのに不十分な場合もあるため、気になる方はほかのアイテムとの併用を検討してみましょう。

防音シート

防音シートとは、窓の上から貼ることで防音効果をもたらしてくれるシートです。窓用のほか、壁用などもあり、取り付ける箇所によってシートの種類が異なるため、購入の際は正しく選びましょう。また、ワイヤー入りガラスに防音シートを貼ると、熱割れの可能性があるので注意してください。なお、シート単体では防音効果に限界があるので、ほかの防音アイテムとの併用がおすすめです。

自作も可能?防音ボード(パネル)で防音効果UP!?

ご紹介した3つの防音アイテムのほかに、防音ボード(パネル)というアイテムがあります。たとえば、大音量でゲームや映画を楽しんだり、楽器を毎日のように演奏したりと、一般的な生活音を超える音が出るなら、既にご紹介した3つを組み合わせても音漏れが心配かもしれません。その場合、窓にはめ込む防音ボードを検討するのもよいでしょう。ただ、窓は基本的に開閉するもので、外の明かりを取り込む役目もあります。防音ボードを使うことで空気の入れ替えができなくなり、部屋も暗くなるなど、毎日の生活にも少なからず影響が出てしまいます。便利なアイテムではありますが、使用するかどうかは事前によく吟味することが大切です。

専門業者に任せるべき窓の防音リフォーム例

効果の高い防音対策を施すには、やはりプロに任せたほうが安心でしょう。リフォームによってできる窓の防音対策として、「窓ガラスの交換」と「内窓(インナーサッシ)」の2つをご紹介します。

ただし、マンションの場合、窓は共用部分とされるケースも多く、所有者の判断でリフォームすることが難しいこともあります。業者に依頼する前に、必ず管理規約を確認するようにしてください。

窓ガラスの交換

一般的に窓ガラスは厚ければ厚いほど防音性に優れるとされています。なかでも、複層ガラスは、2枚のガラスの間に空気層が設けられているガラスで、防音のみならず断熱効果や結露も軽減できるでしょう。ものによっては、異厚複層ガラスと呼ばれるような外側のガラスが厚く、内側が薄くなっていて防音性が高い種類もあります。

内窓(インナーサッシ)

既に述べたように、窓枠や窓ガラスはマンションの共用部分とされている場合が多いため、一般的には交換できません。しかし、内窓なら窓サッシのさらに内側に設置することになるので、所有者の判断で自由に設置が可能です。内窓を取り付けると複層ガラスと同じ構造ができあがり、防音効果はもちろん、断熱効果や結露の軽減効果もあるでしょう。さらには、窓と鍵が二重になることで防犯にもつながります。

サポートアイテム以上の防音を徹底するならリフォームがおすすめです。また、場合によっては補助金を申請することができるので、「お金がかかるから」と決めつけず、検討する価値はあるでしょう。

実はサッシのほうが音漏れしている!?

どこから音漏れしているか考えたとき、窓ガラスそのものを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はサッシからの音漏れのほうが大きいといえます。音は空気の振動で伝わるため、ほんの少しの隙間も音漏れの原因となります。特に左右複数の窓ガラスが引き違いで設置されているサッシは、その隙間から音が漏れがちです。

音漏れの対策には、窓ガラスとサッシの両方の防音性能を向上させるか、あるいはサポートアイテムで音漏れをできるだけ小さくすることが重要です。なお、近年のサッシは性能向上が著しく、防音効果も高まっています。

窓ガラスの防音対策における注意点

窓の防音対策は生活をより快適にしてくれる半面、気を付けなければならない点がいくつかあります。ここでは窓の防音対策をするにあたっての注意点をご紹介します。

まず、自分で防音対策をする場合、サッシの隙間を埋めるテープの跡が残ったり、のり部分が溶けてはがれにくくなったりするかもしれません。また、防音シートやボードによって、窓の開閉に支障を来す可能性もあります。壁と違って窓は開け閉めするものなので、本来の機能を損なわない注意が必要です。
そして、リフォーム業者にサッシの交換や内窓の設置を依頼する場合は、マンションの管理規約を確認しましょう。スマートに高い防音効果を望むなら、専門業者に任せるのが一番ですが、窓は共用部分になるため、勝手な判断でいじらないことが大切です。

今回は窓の防音対策についてご紹介しました。窓周辺のリフォームは防音性を高めるだけでなく、断熱性の向上や、結露の抑制といった効果も得られます。さらに、壁や天井の内部に断熱材を充填して断熱性を上げることも可能で、省エネ・節電効果の点で注目されているリフォームです。長谷工リフォームでは、専門的な知識とスキルによって、きれいに洗練された窓環境をご提案いたします。「部屋の断熱性が気になる」「冷暖房が効きにくい」など、暮らしのお悩みに寄り添いながら、快適な住まいづくりをサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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最新の設備や、自分好みの雰囲気の住まいは見ているだけでも楽しいですよね。長谷工リフォームではお部屋・予算・こだわり別にリフォーム事例をご紹介していますので、ぜひのぞいてみてくださいね。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。