住まいの修理ガイド

フローリングにできたカビを取る方法!補修や予防も解説

更新日 2025年11月13日

この記事でわかること

フローリングにカビが生える原因
フローリングにカビが生えてしまう原因としては、マットレスやラグの敷きっぱなし、結露、水の拭き残し、水漏れなどさまざまなものが挙げられます。

フローリングのカビの落とし方
まず、フローリングワイパーで床のほこりやごみを拭き取ります。次に消毒用エタノールの原液を乾いたクロスやキッチンペーパーに吹きかけ、カビを拭き取ります。カビを落とす際に掃除機の使用は避けましょう。掃除機を使うとカビも吸い込み、排気口からカビの胞子を拡散してしまいます。

■ご注意

フローリングの種類によっては、カビ取り剤で変色したり、フローリングが傷んだりすることがあります。また、カビを取り除くつもりが増殖する場合もあるので、事前に使ってよい洗剤や推奨される掃除方法を確認しておきましょう。

目次

フローリングにカビが生える原因とは?

フローリングにはシミが点々と広がるように黒カビが生えます。カビは適度な湿気とあたたかな空気があればどこにでも発生するため、目の届かない場所で広がっていることもあるでしょう。フローリングにカビが発生する原因は、具体的にどんなものがあるのでしょうか?

マットレスやラグの敷きっぱなし

フローリングの上にマットレスやラグを敷いたままにしていると、通気性が悪くカビが生える恐れがあります。また、夏の間は足の裏の汗がカーペットやラグに付きやすく、フローリングとの間に湿気がこもるため、カビが生えやすくなるでしょう。さらに、カーペットやラグの上に観葉植物の鉢を置いている場所も湿気がこもりやすく、カビが生えやすいため注意が必要です。

結露

窓や壁に発生する結露が床に浸透し、フローリングのカビの原因になることもあります。フローリングの床材にはカビの栄養となる有機化合物が使われていることがあり、これが結露によって溶け出すことで、カビの繁殖を促す可能性があります。

窓際にベッドやソファなどを置いている場合、湿気や人間の皮脂と汗、適度な温度というカビが生えやすい条件がそろいます。特に、カビは胞子を飛ばして拡散するため、窓際の家具に発生したカビが空気中に広がり、フローリングに移る可能性もあるでしょう。

自分でできる効果的な結露対策は「換気」です。窓際の結露が気になる方はこまめに換気する習慣を付けておくとよいでしょう。

水の拭き残し

こぼした飲み物の拭き残しがあったり、子どもが水をこぼしてそのままにしていたり、ペットの粗相に気付かなかったりした場合、カビが生える原因になります。こぼした飲み物や水が家具の下まで入り込むと、家具とフローリングの隙間でカビが増殖してしまうでしょう。

水漏れ

配管の故障や雨漏りによる水漏れは、フローリングの下に湿気をこもらせてしまい、カビを生む可能性があります。床下や壁の中で発生する水漏れは見つけにくく、気付かないうちにカビが広がってしまうこともあります。普段から家に水漏れがないか気を配っておきましょう。

フローリングに生えたカビの落とし方

フローリングに生えたカビを落とすには消毒用エタノールの原液を使います。準備するものは次の通りです。

  • 手袋
  • 消毒用エタノール
  • フローリングワイパー
  • 乾いたクロスやキッチンペーパー

まず、フローリングワイパーで床のほこりやごみを拭き取ります。このとき、掃除機を使うとカビも吸い込み、排気口からカビの胞子を拡散してしまう可能性があるため、掃除機の使用は避けましょう。次に消毒用エタノールの原液を乾いたクロスやキッチンペーパーにスプレーで吹きかけ、カビを拭き取ります。

消毒用エタノールで拭くことでフローリングに染み込んだカビを除菌することはできますが、カビの黒い色は残る可能性があります。また、フローリングのコーティング剤によっては消毒用エタノールの使用で変色したり、材質によってメーカー指定の専用の洗剤を使わなければならなかったりする場合があるため、注意が必要です。掃除の前に必ず取扱説明書を確認しておきましょう。

フローリングに付着した白い汚れはカビ?

フローリングの白い汚れは、白カビである可能性があります。白カビとは、フワフワした白い綿状や粉状の菌糸を持つカビで、特に湿度が高く、風通しが悪い場所に発生しやすいのが特徴です。ほかのカビと同じように胞子を飛ばすため、吸い込むとアレルギーや呼吸器系のトラブルにつながる可能性があり、小さいものでも放置できないカビです。

ただし、床の白い汚れは、カビ以外の可能性もあります。フローリング用ワックスの白化現象がそのひとつです。ワックスの白化現象とは、水分や濡れた布などを床に放置すると塗られたワックスが元の液体の状態に戻ろうとするため白く変わることです。白化現象が起きたフローリングに布を敷き、アイロンをかけると消える可能性があります。

さらに、サポニンも白い汚れの正体のひとつです。植物などに含まれる「天然の界面活性剤」と呼ばれる物質で、特に花梨フローリングでよく見られます。このサポニンが空気中の酸素と触れると白く変色する性質があるため、白カビと勘違いされることがあります。ただし、サポニンは乾いた布で簡単に拭き取ることができ、床を塗装するとサポニンが空気に触れることもないため、白くなりません。

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フローリングのカビを落とした後の補修

フローリングのカビを落としても、黒ずんだ状態が残ってしまい、気になる人もいると思います。そんなときは、次の方法で補修してみましょう。

最初に、サンディング(研磨)マシンやサンドペーパーを使って、黒く残ってしまっている箇所を削り落とします。

その後、木材用の着色塗料で周りと色を合わせ、フローリングワックスで仕上げると補修は完了です。

ただ、カビがフローリングの深いところまで浸透している場合や広範囲にわたって繁殖している場合、あるいは自分でカビ取りをすることに自信がない場合は、プロに依頼するのが安心です。

●「フローリングの傷の補修」に関する記事はこちら

フローリングのカビを落とす際の注意点

先にお伝えしたように、フローリングのカビを落とす際に掃除機の使用は避けなければなりません。カビの胞子を排気口から部屋中に拡散してしまうので、掃除機は使わないようにしてください。

また、漂白剤やハイターの使用も避けましょう。カビ取りというとお風呂のカビ取り剤を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、お風呂のカビ取り剤は塩素系洗剤で、床のカビに使用するとフローリングが変色してしまう可能性があります。

フローリングのカビには重曹の使用もおすすめしません。重曹は研磨剤としても使われるもので、フローリングに使うと傷を付けてしまう恐れがあるからです。

フローリングに生えたカビを落とすには消毒用エタノールが有効ですが、使用する際には注意が必要です。消毒用エタノールはカビ取りに適していますが、保護剤で表面をコーティングされていないフローリングに使うと変色する場合があります。カビ取りを行なう前に、目立たないところで使用してみて、変色しないか確かめてから使用しましょう。

賃貸のフローリングにカビが生えたら退去費用はどうなる?

賃貸物件を退去する際の原状回復費用は、故意や過失があった場合に発生する可能性があります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を踏まえると、通常の損耗や経年劣化と認められる場合は貸主の負担となる一方、水漏れを放置していたといったような借主に過失がある場合、原状回復費用は借主の負担となる可能性があります。※1気になる点がある場合は不動産会社や管理会社に相談するようにしましょう。

フローリングのカビを予防するには?

フローリングのカビを予防するためには、フローリングにマットレスや布団を直置きしないことが重要です。仮に直置きする場合は、こまめにマットレスを壁に立てかけたり、布団を畳んだりして敷きっぱなしの状態を避けましょう。定期的にカーペットやラグを取り外して風を通し、洗濯や陰干しを行なうことがおすすめです。

また、結露が発生したらこまめに拭き取り、結露が起きないように、部屋の温度・湿度を管理しましょう。さらに、フローリングの上に食べ物・飲み物や、植物の鉢植えを直置きしないことも防カビ対策のひとつです。髪の毛、ペットの抜け毛もカビの栄養となるので、普段視界に入らないベッドの下や、家具の隙間などもこまめに掃除するのがポイントです。

上記の予防を行なってもカビは発生する可能性があります。自分で取り除くことが難しいと感じたらプロに依頼しましょう。

フローリングの劣化が気になり始めたらリフォームもあり?

ここまで、フローリングのカビを取り除く方法や注意点について説明してきました。フローリングにカビが目立ち始めたということは、建物自体が経年劣化していることを意味します。そのため、カビを除去するだけでなく、住まい全体をリフォームして、新しい空間にアレンジするのもおすすめです。

また、リフォームを行なうことで、カビが生えた不衛生な空間がきれいになるのはもちろん、ペアガラスの設置や内窓の追加などにより、結露やカビが発生しにくい状態にリフレッシュすることもできます。古いタンスやキャビネットを、スッキリとしたデザインの造り付け収納に変更すれば、掃除もしやすく衛生的な空間になるでしょう。

長谷工リフォームは、無料で相談できるサービスを実施しています。「フローリングの色を家の雰囲気に合わせたい」「家の収納を増やしたい」など、リフォームのご希望があれば、ぜひ一度ご相談ください。ご要望や予算に合わせて快適な空間づくりをお手伝いします。

※マンションの床材のリフォームは、管理規約による遮音等級の制限により、対応できないケースもございます。

※1出典:国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
(最終確認日:2025年8月7日)

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。