ESG方針

①基本的な考え方

長谷工グループは以下を基本姿勢として、気候変動対応に取り組むこととする。

(1)
「長谷工グループ企業理念」に掲げた「都市と人間の最適な生活環境の創造」に向け、気候変動対応を重要な経営課題と位置付け、長谷工グループ全体で取り組みを推進する。
(2)
パリ協定や我が国政府の方針を踏まえ、2050年カーボンニュートラルを目指す。
  • 低炭素施工や脱炭素住宅に係る技術開発に注力するとともに、必要な投資を行う。
  • 再生可能エネルギーや脱炭素に資する外部の技術・製品を積極的に導入する。
(3)
気候変動対応を事業機会の拡大・創出につなげるべく、気候変動に係るリスク・機会を分析し、分析結果を踏まえた対応策を策定し、具体的な目標を設定した上で進捗を管理する。
(4)
目標実現に向け、長谷工グループの総力を結集するとともに、必要に応じ、サプライチェーン、デベロッパー、建設業界等とも協力し、取り組みを進める。
(5)
気候変動対応に係る取り組みについて理解を得るため、情報開示を進め、社内外のステークホルダーと積極的に戦略的なコミュニケーションを推進する。

②TCFD提言に基づく開示

長谷工グループは、2021年からTCFD提言に沿って、気候変動対応に関する「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」及び「指標と目標」について開示しています。「戦略」としては、事業に重大な影響を及ぼしうる気候変動関連のリスク・機会を右表のとおり特定のうえ、リスク最小化・機会最大化を図るための取組みを進めているところです。

脱炭素社会への移行の影響

  • 炭素税の導入により各種コストが増大するリスク(全事業共通)
  • 建物に係る環境規制強化により建設コストや改修コストが増大するリスク(建設事業、不動産事業)
  • 省エネ建築物の需要増加により事業機会が拡大する可能性(建設事業、不動産事業)

気候変動の物理的影響

  • 熱中症予防のための工事中断時間増加により工事が遅延するリスク(建設事業、不動産事業)
  • 気象災害の頻発・激甚化により建設中物件や保有施設・従業員の被災、サプライチェーンの断絶等が発生するリスク(全事業共通)
  • 災害に強い住宅の需要増加により事業機会が拡大する可能性(建設事業、不動産事業)

指標と目標

長谷工グループは、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(CO2)総排出量を指標として削減目標を設定しています。

(2030年目標について、SBTの認定を取得致しました。)

③長谷工グループ CO2排出量削減計画(移行計画)

(1)2030年度までの計画

スコープ1・2(2030年度目標:2020年度比▲42%)

スコープ1
スコープ2の削減に優先的に取り組む方針ですが、2030年度目標の達成に向け、スコープ1の削減も進めてまいります。
a.建設現場
建設現場で排出するスコープ1は、重機や車両で使用する化石燃料の燃焼によるものです。
アイドリングストップや重機・車両の適正整備、車両台数の削減等に加え、低炭素燃料や電動フォークリフトの導入を推進し、大型重機の電動機種については、普及状況を見つつ、2020年代後半に本格導入を目指してまいります
b.オフィス等
オフィス等で排出するスコープ1は、営業用等の車両等で使用する化石燃料の燃焼によるものです。アイドリングストップや車両の整備等の徹底に加え、ハイブリッド車やEV車の導入を推進しており、2020年代後半にはEV車を本格導入することを目指してまいります。
スコープ2
当面、スコープ2の削減に優先的に取り組み、2026年度スコープ2ゼロの実現を目指す。スコープ2は2020年度スコープ1・2の36%を占めており、スコープ2ゼロが実現すれば、大きく前進することになる
a.建設現場
2021年建設現場で使用する電力の100%再エネ化を2025年末までに実現する目標を公表。長谷工コーポレーションの建設現場は、2023年に100%再エネ化を達成、残るグループ各社の建設現場ても対応を進め、目標達成を目指してまいります。
b.オフィス等
グループ各社が利用しているオフィス、保有賃貸物件の電力の再エネ化を進めています。再エネ化が難しい施設は非化石証書購入による実質再エネ化を図り、2026年度にはスコープ2のゼロを目指してまいります。

スコープ3(2030年度目標:2020年度比▲13%)

スコープ3
長谷工グループのスコープ3の大部分は、購入する建設資材等の製造過程までの排出(カテゴリ1)及び建設・開発した建物の入居者が生活等で使用する電気やガスによる排出(カテゴリ11)であり、これらの削減に向け、以下のとおり取り組んでいます。
a.カテゴリ1
環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」について、2030年度採用件数50%以上の目標を掲げ、事業主各社に対する採用提案を強化しています。また、木造活用の推進にも取り組んでいます。
b.カテゴリ11
ZEH-Mの推進に取り組んでいます。特に、当社グループが主体となって開発する新築マンション(分譲・賃貸)については、2022年度設計着手分以降、全てZEH-M Oriented基準を満たすとし、事業主各社に対しても、ZEH-M基準を満たす仕様の採用提案を強化しています。
(※)ZEH-Mは、Net Zero Energy House Mansionの略称。外周部分の断熱性能向上、高効率設備の導入、再生可能エネルギーの導入により、エネルギー消費量を低減する性能を備えたマンション。このうち、ZEH-M Orientedは、断熱性能と消費エネルギー量について一定基準を満たしたマンション。

(2)2050年度の目標達成に向けて

2050年度削減目標の達成には、先進的な技術の活用が不可欠である、また政府等による各種支援策等も重要な要素になると考えています。自社グループでの研究・開発やステークホルダー各社との連携・協働を進めるとともに、外部の動向も注視しつつ、具体的な削減策を検討してまいります。

④脱炭素・低炭素化の取り組み事例

(1)住宅の木造化・木質化

集合住宅における木造活用の推進

長谷工グループでは2014年からマンションの木造化・木質化に取り組んでおり、マンションの共用棟のほか、共用部や専有部最上階で木造・RC造のハイブリッド構造を実現してきました。2025年7月現在、竣工済みの物件は20件、施工中の物件は9件となります。

長谷工版BIMシステムを木造にも対応できるように拡張し、基本設計・実施設計で活用した上層4層を耐火木造化する賃貸マンション「ブランシエスタ目黒中央町」が2025年3月に竣工しました。本マンションは、国土交通省の補助事業「令和4年度第3期 優良木造建築物等整備推進事業」に採択されています。将来的には高層物件の木造化にも挑戦するほか、賃貸マンションのみである現状から分譲マンションの展開へとステージを進めたいと考えています。

(2)ZEH-M(ゼッチ・マンション)の普及

脱炭素社会に向け、住宅そのものの省エネルギー化が必要不可欠となっています。長谷工グループでは、集合住宅の省エネルギー化の実現が、脱炭素社会の実現に向けて大きく貢献できる分野であると認識し、ZEH-Mの普及に取り組んでいます。2024年度、ZEH-M Oriented以上の基準を満たした着工事業件数は61件でした。

長谷工グループは、マンションデベロッパー事業を行う長谷工不動産、総合地所、当社グループが主体となって開発する新築マンションのZEH化を推進し、2022年度以降に設計着手する全ての分譲マンション・自社保有賃貸マンションについて、ZEH-M Oriented基準を満たしたものとしています。また、当社グループが施工する新築マンションにおいても、2030年度までにすべての物件をZEH-M Oriented仕様とすることを目指しています。

(3)災害に強いマンション提案

長谷工グループは、自然災害対策として「災害対策技術WG」を設立し、「災害に強いマンション提案」を行っています。今後も積極的に提案・採用し、「集まって住むことの強み」を活かし、安全・安心で快適なマンションづくりをハード・ソフト両面から支援していきます。

長谷工の非常用ライフライン「防災3点セット」

長谷工グループは、マンションの基本性能だけでなく、災害後の居住者の生活基盤確保を重視しています。2003年から、分譲マンションに「非常用飲料水生成システム」「非常用マンホールトイレ」「かまどスツール」の防災3点セットを採用・提案し、災害時に必要な水・トイレ・火を確保できるよう取り組んでいます。

⑤イニシアチブへの参画・外部評価

「FTSE Blossom Japan Index」
英国FTSE Russell社が公表する株価指数、日本の上場企業の中から、ESGスコアが高い企業から構成され、企業のサステナビリティへの取り組みを評価し、投資家にとってのESG投資の指標となることを目的としている
「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」
米国MSCI社がMSCI ジャパンIMI指数構成銘柄の中から、ESG評価が相対的に高い銘柄を選別して構成した株価指数
「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」
東証株価指数を構成する銘柄から、企業の炭素排出量と環境情報の開示状況に基づいて構成比率を調整したESG関連の株価指数。環境に特化した投資指標として、低炭素経済への移行を促進する役割を担っています。
「SOMPOサステナビリティ・インデックス」
ESGで優れた企業約300社から構成される株価指数。企業の持続可能性を評価し、ESG評価と株式価値評価を組み合わせて構成され、年金基金や機関投資家に利用されている
「Science Based Targets」
パリ協定が求める基準と整合した企業が設定する温室効果ガス排出削減目標、パリ協定の目標と整合性を持ち、国際的な基準に沿った脱炭素経営を推進する枠組

TCFD開示

企業が気候変動に関連するリスクや機会について、財務的な影響を含めて情報開示することを指し、国際的な枠組みである「気候関連財務情報開示タスクフォース」の提言に基づいている

TNFD「自然関連財務情報開示タスクフォース」

企業が自然環境や生物多様性に関するリスク・機会を評価し、財務的な影響を含めて情報開示するための国際的な枠組み。

【経団連生物多様性宣言イニシアチブ】

企業や団体が生物多様性の保全と持続可能な利用に積極的に取り組むことを表明し、その活動を広く発信・共有するための枠組みです。日本経済団体連合会(経団連)が主導

CDPは、2000年に英国で設立されたNGO、投資家・企業・都市・国家・地域が環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営。740超の機関投資家のESG投資における基礎データとしての地位を確立している

「Myじんけん宣言」

企業・団体・個人が人権を尊重する行動を自ら宣言し、誰もが人権を尊重し合う社会の実現を目指す法務省主導のプロジェクト

Japan Wood Design Award(ウッドデザイン賞)

木材の利活用を通じて社会課題の解決を目指す優れた建築、製品、活動などを表彰する日本の顕彰制度、林野庁が支援