長谷工のマンション再生

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敷地売却の基礎知識

※掲載内容は単棟型マンションを前提とした一般的な事例や考え方を示したものです。実際の事業内容、必要経費、長谷工の支援内容等は、マンションの状況や事業手法、契約内容により異なります。

マンション敷地売却(再生円滑化法に基づくマンション等売却事業をいう)とは

マンション敷地売却は、建物および敷地を一体で売却し、その売却代金を区分所有者へ分配する再生手法です。
居住を継続するのではなく、資産として処分する手法に位置付けられます。
敷地を取得したデベロッパー等(以下「買受人」)は、マンションに限らず、他用途の事業にも活用することが可能です。

マンション敷地売却事業の
種類

マンション敷地売却事業、マンション除却敷地売却事業、敷地売却事業の3つの事業が制度として位置付けられています。

マンション敷地売却事業:建物と敷地を一括して売却

建物と敷地を一体で売却し、引渡し後は買受人が事業を行います。
解体や工事に伴うリスクは買受人が負担するため、管理組合の負担が少なく、比較的短期間で進めることができます。

マンション敷地売却事業(建物敷地一括売却)のイメージ図。建物が建ったままの敷地を、そのままの状態で買受人へ売却します。

マンション除却敷地売却事業:建物を取り壊した上で敷地を売却

マンションを解体して更地にしたうえで敷地を売却します。
解体費用は区分所有者が負担します。更地化により売却しやすくなり、条件改善が期待できる場合に有効です。

マンション除却敷地売却事業のイメージ図。建物が建った敷地を解体して更地にし、更地の状態で買受人へ売却します。

敷地売却事業:滅失した建物の敷地を売却

建物が滅失している、または既に解体された状態において、敷地利用権(共有持分)を売却します。
解体後すぐに買受人が見つからない場合には、「建物の除却」と「敷地売却」を分けて実施することが可能です。

敷地売却事業のイメージ図。建物が既に滅失・解体された敷地について、敷地利用権を買受人へ売却します。

※赤い「売却済」の印があるものが、売却する対象(買受人へ引渡すもの)を示しています。

マンション敷地売却の決議
要件

建物敷地売却決議
建物取壊し敷地売却決議

敷地売却決議

成立要件

区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の賛成

敷地共有者等の議決権の5分の4以上の賛成

一定の事由が
あった場合の
緩和要件

区分所有者・議決権・敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上の賛成

一定の客観的事由に該当する項目

  1. 耐震性の不足(旧耐震基準のマンションで耐震診断の結果、基準を満たさないもの)
  2. 火災に対する安全性の不足(避難階段が狭い・2方向避難が確保されていない、防火設備の不備等)
  3. 外壁等の剥落により周辺に危害を生じるおそれ(広範囲に剥落・浮きがある、既に落下事故が発生している、またはその危険が非常に高い等)
  4. 給排水管の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ(飲用に適さない状態が継続、劣化が深刻で、部分補修では改善困難)
  5. バリアフリー基準への不適合(エレベーター・スロープがない、高齢者・身体の不自由な人がほぼ利用できない)

なし

売却価格と分配金の算定
※建物敷地一括売却の場合

分配金総額の求め方

売却代金

必要経費(測量費・鑑定・各種専門家費用等)

分配金総額

各区分所有者への分配金の求め方

分配金総額

各住戸の
評価割合

各区分所有者への分配金

建物敷地一括売却では、マンションの建物と敷地をまとめてデベロッパーなどに売却し、その売却代金から各種費用を差し引いた残りを、区分所有者へ配分(これを「分配金」という。)します。
分配は、売却決議で定められた「分配金取得計画」に基づいて行われ、敷地権割合をベースとしながらも、各住戸の条件や評価を踏まえて算出され、住宅ローンなどの抵当権がある場合は、返済後の残額が手元に入る金額となります。

※分配金の算出方法や分配額は、事業手法、評価方法、マンションの状況等により異なります。実際の事業では専門家による評価や法令等に基づき個別に決定されます。

マンション敷地売却事業の流れ
※建物敷地一括売却の場合

マンション敷地売却事業は、合意形成段階(1~2年程度)、計画段階(6か月~1年程度)、売却段階(1~1.5年程度)の3段階で進みます。合意形成段階では再生方法の比較検討、専門家・コンサル導入、建物・設備診断、客観的事由の該当性の調査、土地価格・解体費の調査を経て売却推進決議を行います。計画段階では買受人に求める売却条件・売却方式の検討や事業者募集の承認を経て、買受人の募集・選定、計画組織の立上げ、売却計画の策定、実施計画案説明会・法定説明会を行い、マンション敷地売却決議を行います。売却段階ではマンション等売却組合の設立認可を受け、非賛同者への売渡し請求・賃貸借の終了請求、転出の申出等に対応した上で分配金取得計画の決議・認可・公告を経て、関係権利者への通知、分配金・補償金の支払い、居住者のマンション明け渡しを行います。権利消滅期日をもって権利売却の登記を行い、買受人にマンションと敷地を売却して売却組合は解散・清算し、事業が完了します。

※事業期間はマンションの状況、合意形成の進捗、法令手続き等により異なります。

再生方法の比較検討

多くのマンションでは、「本当は建て替えたい」と検討するものの、実際には建築条件や費用、居住者の事情などから建て替えが難しいケースが少なくありません。その場合の選択肢のひとつが「売却」です。敷地売却は住まいを手放す手法ですが、「住まいを失う」のではなく「新たな住まいへ移る」選択でもあります。売却代金で実現できる住み替え先の選択肢を示しながら、「売却」という選択肢を共有します。

売却方針の検討

建物敷地一括売却制度を活用した再生の方向性や事業スケジュール、売却後の住まい方について検討します。「売却価格を重視するのか」「売却後の再建マンションへの入居や居住継続などの条件を重視するのか」優先順位を整理します。条件を付けることで買受人の選択肢が狭まり、売却価格に影響する場合があるため、立地や市場性を踏まえた検討が必要です。

買受人の選定

売却条件や概算売却額などを整理し、買受人候補を選定します。区分所有者の納得を得られるよう、公平で透明性の高い手続きで進めることが重要です。売却決議後の契約締結を見据え、買受人候補と基本条件を事前に覚書などで確認しておきます。

マンション敷地売却決議

買受計画や売却条件について区分所有者の合意を得て、マンション敷地売却決議を行います。敷地売却決議は、建物の解体を前提とした計画が一般的※であるため、一定の客観的事由を満たした上で買受人が行政から「除却等認定」を取得する必要があります。認定手続き自体は決議後に行われますが、認定が取得できなければ事業を進めることができません。そのため、買受人の計画内容や建物の状況を踏まえ、決議前の段階から認定取得の見通しを十分に確認しておくことが重要です。

※引渡し後の土地・建物の活用方法は買受人が決定します。一般的には建物を解体して新たな建物を建設しますが、既存建物を活用したリノベーションなどが行われる場合やマンション以外の用途として活用される場合もあります。

マンション敷地売却組合の設立

敷地売却決議が成立すると、区分所有者全員で構成するマンション等売却組合を設立し、売却事業を進めます。非賛同者に対しては、建替えと同様に売渡し請求制度を活用して権利を集約し、最終的に敷地・建物の権利を一体化したうえで買受人へ売却します。
また、売却事業を進めるためには、抵当権の抹消や賃借人との調整など、所有者以外の権利関係の整理も必要となります。これらの手続きも売却組合が主体となって進めることができます。

分配金取得計画の認可

売却組合は分配金取得計画を作成し、行政の認可を受けます。住宅ローンなどの抵当権がある場合は、分配金から残債の返済が行われ、抵当権の抹消手続きが行われます。区分所有者は住戸を明け渡し、権利消滅期日をもって所有権や敷地利用権などの権利が消滅します。

明渡し・事業完了

売却組合は買受人から売却代金を受領し、分配金を各権利者へ支払います。その後、建物と敷地を買受人へ引き渡し、清算手続きを経て解散します。これをもってマンション敷地売却事業は完了します。

マンション敷地売却事業に
おける長谷工の役割

初期の情報収集から買受人の選定、売却条件の検討まで、段階によって求められる支援内容は異なります。場面に応じた適切な立場・役割でサポートを受けながら進めることが重要です。

※長谷工が提供する支援内容は、事業手法や契約形態、参画する立場等により異なります。具体的な業務範囲については個別の契約内容に基づきます。

アドバイザー・相談役
としてお手伝いできること

管理組合が不利な判断をしないよう、中立の立場で全体を導く役割を担います。できるだけ高く・良い条件で売るためにデベロッパー選定・条件交渉・住民合意形成など、管理組合だけでは難しい部分をサポートする存在です。

  • 管理組合への事業提案・説明(スケジュール等)
  • 事業性の初期評価・方向性の助言
  • デベロッパー候補の比較・選定支援(選定基準の整理、面談・ヒアリングのサポート)
  • 住民への説明資料の作成支援・説明会運営サポート
  • 売却条件(補償・スケジュール)の妥当性チェック(第三者視点での確認)
  • 管理組合の意思形成・合意形成プロセスのサポート
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買受人
としてお手伝いできること

売却条件が明確かつ透明で、説明が丁寧で分かりやすいかで信頼度がわかります。
また、高齢者対応や引越し支援・移転先の紹介・スケジュールの調整など、生活面での配慮が十分かも選定要件のひとつです。

  • 敷地売却のメリット・デメリットの整理と説明
  • 売却条件の提示と協議(敷地価格、区分所有者への補償、移転費用支援の内容提示)
  • 管理組合・区分所有者との合意形成支援(説明会対応)
  • 移転先等に関する相談対応(移転時期、サポート内容、生活面の不安解消への対応)
  • 事業スケジュールの提示と共有
  • 契約手続きの実務サポート(敷地売却契約の準備等)
  • 住民・周辺への配慮事項の説明(解体作業や工事の影響、周辺環境への対応等)
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