2006年08月23日

 長谷工コーポレーションとニチアスセムクリート(本社:東京都港区、社長:塩見 敬一)は、マンションの住戸から屋上に突出する通気管の屋上端部の防水を保護する新型乾式通気管キャップ(商品名:「Rハット」※)を共同開発・商品化しました。「Rハット」は、強度や耐久性に優れたGRC(ガラス繊維補強セメント)を採用した小型・軽量の通気管キャップで、従来の乾式工法と比較してコストダウン、湿式工法と比較して施工省力化を可能にします。当社が設計・施工するマンションではこれまで鉄筋コンクリート造で通気管キャップを施工する湿式工法が中心でしたが、今後はこれに替わる仕様・工法として標準採用していく方針です。(特許出願中)
※「Rハット」の名称は、"屋上(Roof)の廃材を減らし(Reduce)、迅速な(Rapid)作業ができる"の頭文字「R」と帽子「ハット」を合わせた造語です。


【「Rハット」の特徴】
  • コストダウン:従来の乾式工法と比較して、コストを約30%削減することができます。
  • 省力化と高い作業性、メンテナンスが容易:片手で運べる重量(1体は約11kg)で、「Rハット」用に開発した接続金物(ジョイントキット)の採用で通気管への着脱は非常に簡単です。このため排水立て管内の点検と清掃も容易です。
  • 長期の信頼性:耐久性のあるGRCを採用し、経年による強度劣化はほとんどありません。
  • 目立たずスッキリ:シンプルでコンパクトな形状とデザインで、スッキリとした屋上景観にします。
  • 環境への配慮:「Rハット」では湿式工法のような型枠工事が不要で、型枠の廃材が生じることもありません。

[Rハット]
 
【通気管について】
 一般的に、マンションの屋上には排水の立て管が延びて通気管として突出しています。通常、キッチン、トイレ、洗面所・ユニットバス等にそれぞれ排水立て管があるため、縦系統の最上階1住戸につき3本程度の通気管があります。通気管には排水の流れをスムーズにするとともに、排水管からの臭気を防ぐ封水を保つ重要な役割があります。


【通気管キャップについて】
 通気管キャップは、通気管への異物侵入や不測の衝撃荷重等による被害を防ぐとともに、屋上通気管周りの防水層を紫外線や風雨から保護するもので、屋上への通気管の開放方式としては乾式と湿式があります。
 乾式工法では、円筒状の防水継手を通気管に被せる工法が一般的で、施工の省力化が図れることが大きなメリットですが、製品コストが割高になる課題があります。一方の湿式工法は施工費が比較的安価な反面、型枠・鉄筋・コンクリート工事を伴うため、工程管理・労務管理が難しいなどの課題があります。
 Rハットは、施工の省力化と製品コストの低減という両工法のメリットを追求して開発した画期的な新商品です。

【今後の展開】
 Rハットの施工に対しては、設備業者や専門工事業者から「工程に余裕ができる」「省力化されるので労務の負担が減る」といった高い評価を受けております。こうした声を受けて、今後は東京地区で設計・施工する物件に標準装備していくことを決定しました。また、日本管材センター(TEL03-5541-5119 営業企画:松本)を通じて「Rハット」の外販(オープン価格)を行う予定です。
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