代表取締役社長 池上 一夫

「住まいと暮らしの創造企業グループ」として更なる飛躍を目指してまいります

当社は「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」を企業理念に、グループ全体でマンションを中心とした様々な事業を行っております。新築マンションにおいては、1969年に自社施工の第一号が竣工して以来、施工累計は約70万戸となっております。この数は日本の分譲マンションストックのおよそ1割に相当するものであり、施工実績ナンバーワン企業として、マンションという居住形態を広く普及させ、業界に先駆けたさまざまな技術開発で今日のマンションのスタンダードを築くとともに、豊かな住まい方を追求してまいりました。

長谷工グループは長期ビジョン〜2030年3月期に目指す姿〜として、ハード・ソフト両面から「住まいと暮らしの創造企業グループ」へと飛躍することを目指しております。今期は中期経営計画HASEKO Next Stage Plan(略称:NS計画)の4年目に入り、社会情勢の変化を見据えた成長戦略に引き続き取り組んでまいります。建設関連事業においては、主力の分譲マンションのエリアを拡大し、超高層や再開発、賃貸、社宅、学生寮、戸建など住宅系の幅を広げるとともに、物流施設、データセンター、オフィスビルなど事業領域の拡大・強化を図っております。また、デベロッパー事業を地方都市においても積極展開しており、管理やリフォームなどサービス関連事業の拡大につなげております。海外においては、米国における収益基盤の確立、東南アジアにおける施工生産体制の確立をテーマに掲げ、引き続き各事業に取り組んでまいります。

住まいのあり方や働き方に対するニーズは新型コロナウイルス感染拡大によって大きく変化・多様化し、様々な創意工夫が求められております。BIM&LIMなど独自のDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進することで、商品・サービスの競争力強化や生産性向上に革新的に取り組み、新たな事業モデルの創出を目指しております。そのため2021年11月からDXアカデミーをスタートし、スペシャリスト人材の育成にも注力しております。また多様な人々の活躍については、4月より社内にD&I推進室を立ち上げ、これまでの女性活躍の取り組みをさらに進めていくとともに、「個性活躍」をキーワードとして多くの社員が働きがいをもって生き生きと活躍できる環境づくりにも取り組んでまいります。

ESGに関する取り組みとしては、長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO‐Emission」を制定し、温室効果ガスの排出量削減目標を設定しております。昨年6月にはSBT(Science Based Targets)イニシアチブより科学的な根拠に基づいた目標として認定を受けております。建設現場の使用電力100%再生可能エネルギー化推進や、環境負荷を低減する施工技術の開発・導入、2022年度以降に着手したすべての自社開発分譲マンション・自社保有賃貸マンションのZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化推進、マンションの木造化技術への挑戦など、事業を通じた課題解決に長谷工グループ全体で取り組み、企業価値向上を目指しながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、人権尊重の考え方を明確にするとともに、企業として人権尊重責任を果たしていくため、昨年1月に「長谷工グループ人権方針」を制定いたしました。今後も、サプライチェーンも含めた人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施してまいります。

これからもグループ各社の連携をさらに高め、総合力を発揮することで、「住まいと暮らしの創造企業グループ」として更なる飛躍を目指してまいります。今後とも引き続き、より一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年4月
株式会社 長谷工コーポレーション
代表取締役社長 池上 一夫