2015年03月09日


 長谷工コーポレーションは、マンション居住者が住まいながら耐震化を可能にする工法の開発を進めております。この度、その工法の一つである「柱増打ち補強工法」(特許出願済)が、東京建築検査機構の評定を取得しました(第TBTC 評定14001号)。

  長谷工グループは、安全・安心、快適な住まいづくりの一環として、既存マンションを“住まいながら耐震化”できる技術開発に取り組み、提案・設計・施工を行っています。「柱増打ち補強工法」、開放廊下およびバルコニーに面する柱の外側方向に鉄筋コンクリートを増打ちし、柱の厚みを増すことで地震発生時の柱の変形性能を向上させる耐震補強工法です。その特長は、①住戸内の工事が不要なため、マンション居住者が住まいながら工事が可能、②外付け耐震補強工法などの大掛かりな工事と比較して安価に補強することが可能、③2011年2月に開発済の「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」と組み合わせることで更に耐震性を向上させることが可能などです。

 耐震性が心配されるマンションにおいて、耐震診断や耐震補強工事が進みにくい要因としては「改修工事の費用がないため」、「診断費用がないため」、「実施方法が分からないため」、「耐震診断により資産価値が低下するから」などが挙げられています(東京都都市整備局 2013年3月マンション実態調査結果より)。
 評定取得により、本工法の仕様や設計・施工・品質管理が妥当と認められ、採用が容易になったことから、今後は当社のマンション再生事業部が既存の耐震補強工法と合わせて建築構造上の耐震性が心配されるマンションに積極的に提案してまいります。

【「柱増打ち補強工法」のメリット】
■ 住戸内の工事が不要で‘住まいながら耐震化’が可能
■他の外付け耐震補強工法(外フレーム補強工法)などと比べて安価
■ 本工法と開発済みの「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」との組み合わせにより、更に耐震性能を向上させることが可能

【「柱増打ち補強工法」の概要】
本工法は、既存マンションの開放廊下およびバルコニーに面する柱の外側方向に鉄筋コンクリートを増打ちし、柱の厚みを増すことで地震発生時の柱の変形性能を向上させる耐震補強工法です。
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[本工法の実施位置]

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[本工法の断面イメージ]
【東京建築検査機構の評定取得】
評定の取得にあたっては、長谷工コーポレーションの技術研究所(埼玉県越谷市)にて、試験体による構造性能実験を行い、本工法が耐震性を向上できることを確認し、柱増打ち耐震補強工法の仕様や施工・品質管理の要領等を盛り込んだ設計・施工指針として取りまとめました。東京建築検査機構によって、その設計施工指針に示されている総則、材料と材料強度、補強設計方法及び施工方法は妥当なものと認められました。(第TBTC 評定14001号、2014年11月17日付)
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実験風景

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評定書

【これまでに開発・提案している“住まいながら耐震補強”が可能な工法】
※長谷工コーポレーションのホームページにて紹介
http://www.haseko.co.jp/hc/what/technology/piping/taishinhokyo.html

♦組立て鉄筋を使用した、そで壁付柱の耐震補強工法(2009年11月)
 柱とそで壁(※1)を一体として補強することで、せん断強度を高め、建物の耐震性能を向上させる工法です。わずか数cm の壁厚増でありながら、効果的な耐震補強効果が得られます。また住戸内の工事が不要であるため、住みながらの耐震補強が可能です。財団法人日本建築防災協会の技術評価(建防災発第2669号)を取得しました。
 (※1) そで壁:玄関脇などに設けられた、躯体からそでの様に少し突き出した壁

 【本工法のメリット】
  ・住戸内の工事が不要で「居住しながら耐震補強」が可能
  ・わずか数cm の壁厚増で補強可能

♦「後施工部分スリットによる柱の耐震補強工法」(2011年2月)
 柱の耐震性能を向上させるために、腰壁(※2)と柱の間に耐震スリットを施工する際、完全スリット工法(※3)の採用を原則としていました。しかし完全スリット工法は、住みながらの工事は困難です。この工法は、完全スリット工法と同等の耐震補強効果が得られ、かつ住戸内に影響を及ぼさない部分スリット工法です。財団法人日本建築防災協会の技術評価(建防災発第2690号)を取得しました。
 (※2)腰壁:サッシの下などに設けられた腰の高さに相当する90cm 程度の高さの壁
 (※3)完全スリット工法:構造体である柱と非構造体である腰壁を完全に切り離す)


 【本工法のメリット】
  ・住戸内の工事が不要で「居住しながら耐震補強」
  ・住戸内に入ることなく、共用廊下側から施工可能
  ・施工時間が短く、仕上りもきれい
  ・工事中の騒音や振動が少ない

♦粘弾性ダンパーを使用した耐震補強工法(2011年8月)
 粘弾性ダンパー(※4)と呼ばれる装置を用いて、制震構造の原理により耐震補強を行う工法です。
 その仕組みは、粘弾性ダンパーで地震エネルギーを吸収し、建物に作用する地震力を低減させ建物の耐震性能を向上させます。共用部分を補強するだけでよいため、住まいながらの工事が可能です。ビューローベリタスジャパン(株)の建築技術性能証明(第BVJ-PA10-001号)を取得しました。
 (※4) この工法は、長谷工コーポレーション、東急建設、コンステックの3社共同で技術評価を取得しました。また、使用する粘弾性ダンパーは、コンステックと住友ゴム工業が開発したものです。

   【本工法のメリット】
   ・住戸内の工事が不要で「居住しながら耐震補強」が可能
   ・集合住宅に適した間柱型の粘弾性ダンパーを使用

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