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フローリングが剥がれる原因は?自分でできる補修方法や予防策もご紹介

更新日 2025年11月19日

この記事でわかること

フローリングが剥がれる原因
フローリングは、経年劣化、摩擦や衝撃、水分や湿気などを原因に剥がれることがあります。どれも日常的に起こるため普段から注意が必要です。

補修方法
フローリングにもいくつか種類があり、素材ごとに適切な補修方法があります。天然木を切り出した一枚板の無垢材には専用のオイルを塗り、基板と表面材を合わせた複合(合板)フローリングには、主に接着剤やパテのような補修材を使います。

■ご注意

傷を放置すると、範囲が広がり修復が難しくなることもあるため、早めの対処を心がけましょう。また、深刻な傷ができた場合には、無理に自分で対処しようとせず、専門業者に相談したり、修理を依頼したりするのがおすすめです。

目次

【フローリングの剥がれ】素材別の特徴とは?

ひとことに「フローリングの剥がれ」といっても、素材ごとに剥がれ方の特徴があります。それぞれの特徴を下記で詳しく解説します。

無垢(単層)フローリング

無垢フローリングは、天然木ならではの美しさと質感があり、年月がたつにつれて経年劣化が楽しめます。丈夫で板そのものが剥がれることはまれで、傷が付いても削ることで補修できます。難点としては、天然素材のため複合(合板)フローリングに比べると高価な傾向があり、傷が付いた箇所を部分的に張り替えるだけでも高くつくことです。一枚板だからこそ、新品同様に修繕しようとすれば、お金も手間もかかってしまうでしょう。

複合(合板)フローリング

複合(合板)フローリングとは、合板などの基材の表面に、薄く削った化粧単板を重ねたフローリングです。基材の組み合わせや塗装方法により、さまざまな機能を持たせられます。価格も安いものが多く、デザインの種類が多いのも特徴です。しかし、表面材が剥がれたり割れたりすることがあります。下記では複合(合板)フローリングの種類について、詳しく解説します。

シートフローリング

シートフローリングとは、基材の上に、木目などが印刷されたシートを貼るタイプのフローリングです。印刷したシートを使用しているので価格が安く、デザインも豊富にあります。また、汚れが付きにくく、水が染み込みにくい構造なので掃除が簡単です。一方で、表面材であるシートが薄いため、少し傷が付いただけでも下の基材部分が顔を出してしまいます。無垢フローリングに比べれば、耐久性は劣るところがあるでしょう。

突き板フローリング

突き板とは、天然木を0.2mm~0.6mm程度に薄くスライスした板のことです。突き板はロータリーという機械で切り出されることから、ロータリー材と呼ばれることもあります。この突き板を基材に貼り付けた床材が突き板フローリングです。シートフローリングと同様に、基材まで届く傷が付くと修復が難しくなります。たとえば、ものを落とした衝撃などで、突き板が割れて剥がれてしまうことがあります。

挽き板フローリング

挽き板フローリングとは、木材を2mm~4mmの板状に切り出したものを基盤に貼り付けた床材です。突き板よりも厚みがあり、無垢フローリングに近い風合いやぬくもりのある質感があるため、木そのものの味わいを堪能できます。合板の基材を使っていることから、熱や湿度の変化に強いというメリットがあり、床暖房に適しています。

フローリングが剥がれる主な原因は?

フローリングが剥がれる主な原因には、以下の3つがあります。

  • 経年劣化
  • 摩擦や衝撃
  • 水濡れや湿気

それぞれについて詳しく解説します。

経年劣化

フローリングが剥がれてしまう症状は、多くの場合、経年劣化によって起こります。施工から時間がたつと、塗装されているコーティングや表面材が剥がれてくるのが主な症状です。

耐用年数は床材によって異なります。表面材と基材の組み合わせでできている複合(合板)フローリングの耐用年数は10年~15年程度ですが、天然木から切り出す一枚板の無垢フローリングは耐用年数が30年~50年程度と大きな差があります。

摩擦や衝撃

床材は摩擦に弱いため、キャスター付きの椅子や家具の移動などによる摩擦でも剥がれが生じます。フロアコーティングは、歩いたり座ったりすることによって剥がれてしまうこともあります。また、角がとがった重い荷物や棒状のものを落とした衝撃で傷が付き、それが剥がれのきっかけになる場合もあるでしょう。コーティングが剥がれてくると、艶がなくなったり、変色が起きたりするため、摩擦や衝撃には注意が必要です。

水濡れや湿気

フローリングはどのような製造方法であっても、基本的に木材であり、水分に弱いという特徴を持ちます。フロアコーティングも水分に弱いため、水をこぼした際の水分が残っていたり、湿気の多い場所で換気を怠ったりすると、剥がれのきっかけになることがあります。複合(合板)フローリングであれば表面材が浮き、無垢フローリングであればコーティングが剥がれてしまうでしょう。

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無垢フローリングの塗装剥がれを補修するなら塗り直し

無垢フローリングを傷から守るためには、表面に専用の塗装を塗ります。保護用の塗装にはオイル塗装とウレタン塗装などがあります。オイル塗装の剥がれはDIYで補修できますが、ウレタン塗装やそれ以外の塗装のケアには専門的なスキルと機材が必要になるため、自分でケアするのは難しいでしょう。

オイル塗装のメンテナンスは、まず古い塗装をサンドペーパーなどでこすり落として、汚れや油分をシンナーなどできちんと拭き取ります。そこに、乾いた布に染み込ませた保護用のオイルを丁寧に塗布します。塗ったオイルが乾いたら、サンドペーパーなどでざらつきを取り、さらに塗料を塗る、という作業を艶が出るまで繰り返します。この一連の作業により、フローリングの耐久性と見た目の美しさが回復するでしょう。

複合(合板)フローリングの剥がれを修繕するなら木工用接着剤やパテ

複合(合板)フローリングは無垢フローリングと異なり、複数の木材が圧着して構成されています。表面に天然木の突き板を使用しているため、経年劣化や衝撃によって薄い表面材が剥がれることがあります。

シートの剥がれを直す方法

複合(合板)フローリングの剥がれは、耐水性のある木工用接着剤で貼り直します。まず、めくれた部分の周りをきれいに掃除し、汚れやほこりを取り除きます。めくれた部分に折れ癖がある場合は、ドライヤーをあてて癖を伸ばしてください。次に、周りが汚れないように養生テープを貼り、剥がれた箇所を木工用接着剤で貼り付けます。接着剤はサラサラした液体で、即効性のある強力なものを選ぶとよいでしょう。剥がれ箇所を貼り付けたら、ヘラのようなもので平らにならし、でこぼこにならないようにこすります。接着剤が完全に乾いた後で、必要に応じて補修パテやサンドペーパーで仕上げます。

表面材の剥がれを直す方法

小さな剥がれであれば、まず剥がれた部分のほこりや汚れを取り除き、木工用接着剤を薄く塗って、押さえ込むように貼り付けることで補修が可能です。乾燥した接着部分がでこぼこの仕上がりになった場合は、浮いたところをサンドペーパーや彫刻刀などで削り取り、ホームセンターなどで購入できる補修用パテで埋めていくと目立ちにくくなります。なお、剥がれ部分の周辺は接着剤などで汚れないように、あらかじめ養生テープを貼っておくとよいでしょう。

賃貸でフローリングが剥がれたときは?

賃貸物件でフローリングが剥がれた場合、借主に過失がなければ自分で修繕する必要はなく、その費用も貸主負担となる場合が多いでしょう。過失か経年劣化かは、家主や不動産管理会社が判断し、退去後に対処するため、むしろ何もしないほうがよいといえます。ただ、原状回復費用を請求されることもあるため、気になる点があれば家主や不動産管理会社に直接相談しましょう。

フローリングの剥がれを予防する方法

フローリングは、予防することで剥がれにくくすることもできます。ここからは、剥がれてしまう前にしておくべき予防策をご紹介します。

家具の下に保護マットやフェルトを敷く

家具による摩擦や圧力はフローリングの表面を傷付け、剥がれにつながる主な原因です。特に合板(複合)フローリングは表面材が薄いため、ダメージを受けやすい傾向があります。そのため、家具の脚部に保護マットやフェルトを敷くことで、フローリングへのダメージを減らせるでしょう。

また、家具の脚裏などに貼るシールタイプの保護フェルトを利用することで、傷の防止だけでなく、防音・防振効果も期待できます。床保護フェルトは定期的に状態をチェックして貼り替える必要があります。さらに、コルクマットや耐久性の高い厚手フェルトもクッション性があり効果的です。赤ちゃんや小さい子どものいる家庭では転倒時の衝撃緩和にも役立ちます。

水や湿気に注意する

フローリングは木材がベースのため、水分には非常に弱い性質があります。水が染み込んだ状態のまま放置すると、膨張や変形が進み、剥がれやカビ、腐りの原因になります。日常的なこぼれや水滴は、固く絞った雑巾などで早めに拭き取るとコーティング剤の劣化を防ぐことができます。

拭き取る際は、こするよりも押さえる感覚で拭き取るのがポイントです。拭き取った後は、窓を開けるなど風通しをよくし、乾きやすい状態にしましょう。水性のコーティング剤などで表面をコーティングするのも対策として有効です。

定期的なメンテナンス

フローリングの保護ときれいな見た目を長続きさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ワックスをかけることで、表面に保護膜が形成され、水分や汚れ、傷から床を守ってくれます。通常、6か月ごとに重ね塗り、5年ごとに剥離・再塗布するのが目安です。

ワックス塗布後は、乾拭きでのほこり除去や、汚れが付いたらすぐ中性洗剤で拭き取るなど、日常的なケアもツヤと保護効果を長持ちさせるポイントです。

フローリングをより美しく、快適なお部屋空間を作るために

今回は、フローリングの剥がれが生じる原因や補修方法について紹介しました。

状態が広範囲に及ぶ剥がれや深刻な傷、素材の特性が複雑で補修に自信がない場合は、無理に自分で対応しようとせず、プロに相談するのがおすすめです。放置すると剥がれが進行して補修困難になったり、水分が侵入して基材の腐食が進んだりするため、結局は張り替えなどの高額な工事に発展する可能性があります。

経年劣化による剥がれが深刻であれば、リフォームするのもひとつの手段です。フローリングを変えると部屋の雰囲気もガラッと変わります。新しい空間で日常生活を一新したい方は、ぜひリフォームをご検討ください。

長谷工リフォームでは、リフォームについて無料で相談できるサービスを実施しています。「フローリングの雰囲気を変えたい」「きれいなフローリングで生活したい」など、リフォームのご希望があれば、ぜひ一度ご相談ください。インテリアの専門家が、ご要望や予算に合わせて快適な空間作りをお手伝いします。

※マンションの床材のリフォームは、管理規約による遮音等級の制限により、対応できないケースもございます。

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最新の設備や、自分好みの雰囲気の住まいは見ているだけでも楽しいですよね。長谷工リフォームではお部屋・予算・こだわり別にリフォーム事例をご紹介していますので、ぜひのぞいてみてくださいね。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。