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洗濯機の蛇口から水漏れしたら?箇所別の原因と自分でできる修理方法を解説

更新日 2025年12月03日

この記事でわかること

洗濯機の蛇口から水漏れする原因
洗濯機の蛇口から水漏れする原因は、シールテープやゴムパッキンをはじめとする部品の経年劣化や、ナットの緩み、ニップルの破損などが考えられます。

洗濯機の蛇口の水漏れについての対処法
自分で解消できる方法としては、劣化したシールテープやゴムパッキン、ニップルの交換、ナットの締め直しなどがあります。状況によっては、専門業者に依頼したほうがよいこともあるため、状態を見極めましょう。

■ご注意

洗濯機の蛇口の水漏れにより電子部分が濡れてしまうと、火災や感電の恐れがあるため、まずは電源を切ってコンセントを抜きましょう。また、水漏れの広がりを防ぐために蛇口を閉め、それでも止まらない場合は、水道の元栓を閉めます。水漏れ箇所を特定したら、ナットの締め直しや劣化した部品の交換などを行ないます。作業の際には必ず取扱説明書を確認してください。自分で対処することに不安を感じる場合は、専門業者に依頼しましょう。

目次

洗濯機の蛇口から水漏れする原因

水漏れが発生する箇所として考えられるのは、以下の4つです。

  • 蛇口と壁の接合部からの水漏れ(A部分)
  • 蛇口のハンドル部分からの水漏れ(B部分)
  • パイプの付け根部分からの水漏れ(C部分)
  • 蛇口とニップルの接続部分からの水漏れ(D部分)

それぞれ解説します。

蛇口と壁の接合部からの水漏れ

壁との接合部から水漏れする原因としては、シールテープの劣化が考えられます。シールテープとは、配管の接続部分のネジ山に巻き付けてあるテープのことです。隙間を埋め、液体や気体の漏れを防ぐ役割があります。洗濯水栓の多くは壁付けで、蛇口は壁の奥で給水管とつながっており、接続部分のネジ山にシールテープが巻かれています。シールテープは劣化すると破れたり、細くなったりするため、隙間ができて水が漏れ出します。

また、蛇口と壁の接合部から水が漏れている場合、水栓自体が劣化していたり、壁の中の配管に問題が起きていたりする可能性もあります。シールテープに問題がないにもかかわらず、この箇所から水が漏れている場合は、早めに専門の業者に相談してみましょう。

蛇口のハンドル部分からの水漏れ

ハンドル部分の水漏れの原因としては、ナットの緩みが考えられます。洗濯機の揺れによる緩みによって隙間が生じ、水が漏れているかもしれません。また、ハンドル内部にも三角パッキンと呼ばれるゴムパッキンが使われています。ゴムパッキンが経年劣化によって硬化し、亀裂が生じたところから水漏れが起きている可能性もあります。

パイプの付け根部分からの水漏れ

蛇口とパイプの接続部分にあたるパイプの付け根から水漏れする原因は、ナットの緩みが考えられます。ハンドル部分と同様に徐々に緩み、水が漏れている可能性があるでしょう。また、蛇口とパイプの接続部分にもUパッキンと呼ばれるゴムパッキンが使われており、劣化による硬化が原因で、水が漏れていることも推察できます。

蛇口とニップルの接続部分からの水漏れ

ニップルとは、蛇口と給水ホースをつないでいる部品のことです。蛇口とニップルの接続部分(吐水口)から水漏れする原因の多くは、内部のゴムパッキンの劣化にあります。ゴムという素材の特性上、経年劣化で硬くなって、隙間ができることが原因です。

そのほかには、洗濯機使用時の振動や、設置する際の何らかの衝撃で、パッキンがずれていることも考えられます。パッキン以外の原因としては、接続部分のネジが緩んでいたり、ニップル自体が寿命で破損していたりといったことも考えられます。これらは目に見える部分のため、蛇口内部の不具合よりも先に、まずネジが緩んでいないか、ニップルが破損していないかを確認するのがおすすめです。

洗濯機の蛇口からのポタポタ…水漏れの対処法

ここからは水漏れを発見したときに、自分で解消する方法を紹介します。以下4つの水漏れ箇所ごとに対処法を見ていきましょう。

  • 蛇口と壁の接合部からの水漏れの対処法
  • 蛇口のハンドル部分からの水漏れの対処法
  • パイプの付け根部分からの水漏れの対処法
  • 蛇口とニップルの接続部分からの水漏れの対処法

蛇口と壁の接合部からの水漏れの対処法

蛇口と壁の接合部から水漏れしているときは、シールテープの交換で解消できることがあります。手順としては、まず水栓レンチで蛇口本体を取り外します。次に配管内を清掃しましょう。続いて古いシールテープを取り外し、新しいシールテープを巻きます。最後に蛇口を取り付けて完了です。

シールテープを巻く際は、水栓側から巻き始め、シールテープが少し重なるようにずらしながら巻いていきます。ネジの先端まで来たら、最後はネジの断面を少し覆う程度まで巻くと、シールテープがネジ山に密着しやすくなります。

シールテープは、隙間ができないように引っ張りながら巻くのがポイントです。巻く方向は蛇口の取り付けの回転方向と同じになるように巻きましょう。逆方向で巻くと蛇口を取り付ける際に、反対向きの力が働いてしまい、シールテープがはがれやすくなるためです。

蛇口のハンドル部分からの水漏れの対処法

蛇口のハンドル部分から水が漏れている場合、まずはモンキーレンチを使ってナットを締め直しましょう。それでも直らないときは、三角パッキンの交換を行ないます。パッキンの素材は主にゴムのため、経年劣化で徐々に硬くなることは避けられません。また、寿命は約10年とされています。三角パッキンは、ホームセンターや100円ショップで購入可能です。ハンドル部分以外にも、ニップルや蛇口の接続部分など多くの場所に使われており、形やサイズが異なるため、購入する際は注意しましょう。

パイプの付け根部分からの水漏れの対処法

パイプの付け根部分から水漏れしている場合、まずはナットを締め直しましょう。それでも直らないときはUパッキンを交換します。Uパッキンを交換する手順は、まずモンキーレンチでナットを取り外します。次に、パイプ接合部のパッキンを新品と交換しましょう。最後にパイプを取り付け、パイプナットを締めてもとに戻します。

蛇口とニップルの接続部分からの水漏れの対処法

ニップルにネジが付いている場合、まずはネジを締め直してみましょう。それでも水漏れが直らない場合は、蛇口内部のゴムパッキンの劣化やニップルの破損が考えられます。いずれも新しいものと交換しましょう。

パッキンの交換

蛇口内部のゴムパッキンは、使用年数に応じて劣化していくため、定期的な交換が必要です。水流による摩耗や、水圧による変形など、パッキンそのものに大きな負担がかかるためです。ゴムパッキンの耐用年数はおよそ10年ですが、日常的に大量の水を流すような使い方はパッキンの劣化を早め、5年ほどで交換が必要になるケースもあります。ゴムパッキンはホームセンターや100円ショップで購入できるため、自分で手軽に交換できます。

パッキン交換の方法についてはこちら

ニップルの交換

洗濯機の蛇口と給水ホースを接続するニップルには水漏れを防ぐ部品が付いており、常に水圧がかかっている状態のため、故障しやすい箇所です。ニップルは通信販売で購入可能で、交換も自分でできます。ただし、蛇口の形状によってニップルの種類も変わるため、交換するときは注意が必要です。横水栓には、ネジ付きのニップルを取り付けます。万能ホーム水栓や自在水栓、カップリング付き横水栓の場合は、パイプを取り外したうえで形状に合うニップルを取り付けましょう。

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洗濯機の蛇口から水漏れしないための予防策

急な水漏れに対応できるように知識を得ておくことも重要ですが、水漏れが発生しないように予防することが大切です。水漏れを防ぐ方法は以下の2つです。

  • 使わないときは蛇口を閉める
  • 定期的にメンテナンスを行なう

それぞれ解説していきます。

使わないときは蛇口を閉める

蛇口を長持ちさせるには、使わないときは蛇口を閉めて、不要な圧力をかけないことが大切です。パッキン類の劣化は水が流れているときに起こるため、蛇口を閉めることで予防できます。蛇口の保護だけでなく、洗濯機本体や給水ホースの保護にもなるでしょう。

定期的にメンテナンスを行なう

ニップルのネジやナットが緩んでいないか、給水ホースに汚れまたは破損がないか、パッキンは劣化していないかなどを定期的に確認しましょう。簡単に確認できるため半年に1回は行なうのがおすすめです。

賃貸で洗濯機の蛇口から水漏れしてしまったら?

賃貸物件における水漏れは、大家さんやほかの住人に迷惑をかけたり、退去時にリフォーム費用がかかったりすることが考えられるため、より迅速な対応が必要です。洗濯機の蛇口から水漏れしていたら、まず大家さんや管理会社に連絡しましょう。大家さんや管理会社によっては、いつも利用している水道修理業者があるかもしれません。修理業者が来るまでは、水漏れしている部分にタオルを巻き付ける、床にバケツを用意するなどの応急処置をしておきましょう。

修理費用の負担は水漏れの原因によって異なります。原因が部品の劣化であれば、原則貸主が費用を負担します。借主の使い方や不注意によるものであれば、借主が負担しなければなりません。なお、貸主との話し合いの前に修理費用を支払った場合は、必ず領収書をもらって保管しておきましょう。後日、費用負担の話し合いをするときに必要な場合があります。

繰り返す洗濯機の蛇口からの水漏れ…水まわりを見直すきっかけに!

ここまで洗濯機の蛇口から水漏れしたときの原因や、自分でできる対処法、予防策について解説してきました。洗濯機を毎日使っていると、ひとつの箇所を修理してもほかの箇所の劣化が進み、また水漏れするかもしれません。そのようなときは水まわりを見直すきっかけとし、洗面室ごとリフォームをしてみることもおすすめです。長谷工グループには、リフォームのことを無料で相談できるサービスもあります。ぜひ一度、長谷工リフォームにご相談ください。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。