毎冬繰り返される窓の結露に壁のカビ…どうにかしたい!結露が発生する原因と防止方法を教えてください!
SOS!だれか、この悩みを解決して!
朝起きると窓にはびっしり水滴、壁を見ると黒ずんだカビ…。「またか…」とため息をつきながら、毎冬毎朝拭き掃除しているけれど、結露は止まらないし、カビは生えてくる。この繰り返し、もううんざり!どうしたらいいの!?
目次
住まいスターさん、教えてください!!
毎冬、結露と格闘するなら抜本的な解決を!
北熨斗 芽衣
結露に関するご相談は、小さなお子さまがいるご家庭やお子さまが独立して夫婦だけになった60歳代の方から多く寄せられます。内容としては、「共用廊下側の部屋にカビができる」「冬、窓まわりの水滴がひどい」といった声が多く、なかには結露が原因で「バルコニーに面した掃き出し窓下部のクロスがめくれた」という事例も…。
結露に悩まされているなら、まずは原因をチェックし、対策することです。それでも解決しない場合は、窓や断熱など、住まいを工夫することで改善する場合があります。結露対策の基礎知識から応用方法まで、順を追って解説していきます。
(住まいスター 長谷工リフォーム 北熨斗芽衣)
お悩みの解決方法はコチラ!
原因の除去と住まいの工夫で結露知らず!
結露の原因は、住まいで発生する水蒸気(湿気)がこもることが原因です。築年数に関係なく、住まい方次第で結露は発生するため、「これで100%防げる」という対策は残念ながらありません。実際、築40年ほどのマンションにお住まいの方から相談が多く寄せられますが、新築や築浅でも条件次第では悩みのタネになります。効果的な抑制方法や解決のポイントを知り、正しく対策しましょう。
生活習慣(住まい方)を見直す
基本的な結露防止のコツは、水蒸気のもとを減らすことと、発生した水蒸気を確実に排出することに尽きます。
1.水蒸気の発生源をチェック
家の中は結露のもととなる水蒸気がいっぱい。次のものは注意が必要です。
● 観葉植物
● 大きな水槽
● 水を張った浴槽
(浴槽の蓋をせず浴室ドアも開けている、さらに換気扇を回していない時間があれば、大きな原因になります)
結露に悩んでいて、上記に挙げられているものがあるのなら、減らす・置かないようにする・蓋をする、などのアクションを取りましょう。
2.換気をチェック
水蒸気の量がある程度多くても、それをきっちり戸外へ排出できれば結露は防げます。次をチェックしましょう。
● 24時間換気システムをきちんと動かしているか、換気扇はよく回っているか
⇒ もしも回りが悪いなら交換や修理をしましょう
● 湿気を外に出す空気の通り道を作れているか
⇒ 窓を開けて空気が流れるか、家具の配置なども工夫しましょう
⇒ 寒い時期でも、日に一度はしっかり窓を開けた換気などを行ないましょう
● 部屋の中に空気がこもっているところはないか
⇒クローゼットや収納スペース内が、服やモノでギチギチになっていると、空気の通り道がないため、空気がこもり結露がカビの原因に。ほどよいすき間を設けましょう
窓を見直す
Point①の対策をしても改善せず、次のような状態であれば窓のリフォームを検討しましょう。
● 方法1:高性能ガラスに交換
・ 真空ガラス(間に真空層がある)
2枚のガラスの間に「真空層」を作った断熱性の高いガラスです。通常の複層ガラス(2枚ガラスの間に空気やガスが入っている)よりも、熱や音を通しにくく、結露も起きにくいのが特徴です。
・ 複層ガラス(間に乾燥空気層がある)
2枚のガラスの間に空気やガスを閉じ込めた断熱ガラスです。外の冷たい空気や熱を伝えにくくし、室内の温度を保ちやすくするのが特徴です。
◎「真空ガラス」と「複層ガラス」、どちらを選ぶ?
両者の違いをざっくり言うと、真空ガラスは魔法瓶で複層ガラスは二重コップの原理。断熱性能も値段も高い※のは「真空ガラス」です。寒さが厳しい北側の部屋や寝室には真空ガラスがおすすめ。冬場の冷気をしっかり遮断できます。一方、南側の採光重視の部屋やリビングなら「複層ガラス」を選択する方法もあります。コストを抑えつつ、断熱・遮熱効果も期待できます。
※メーカーや窓のサイズにもよりますが、一般的に、真空ガラスの値段は複層ガラスの2〜3倍。
☆ただし、断熱効果などは窓ガラスのサイズや設置場所によって異なります。
☆居住者による窓ガラスの交換が認められているかどうかは、マンションの管理規約により異なります。窓ガラスの交換をご検討する際には、事前にお住まいのマンションの管理規約をご確認ください。
● 方法2:二重サッシにする
今ある窓の内側にもう1枚新しい窓を追加設置。窓が二重になることで、結露対策だけでなく、断熱や遮音、防音効果も期待できます。
断熱を見直す
壁にカビができていてそれごとリフォームしたい、間取り変更を伴う大規模リフォームを考えているといった場合は、壁の断熱工事も行なうと結露の改善が見込めます。
※画像は LIXILの断熱ボード「ウォールインプラス」)
画像出典:マンションプラス(2024年10月17日「断熱リフォームしたい人必見! 専門家がメリットや補助金について解説」
https://www.haseko.co.jp/mansionplus/hasekonow/dannetsu_241017.html
● 知って安心!補助を利用して費用負担を軽減
結露対策はしたいけど、「費用面が気になる」という方もご安心を。条件に合えば、国や自治体の補助金制度を利用することで結露対策リフォームの費用負担が軽減できる可能性があります。うまく制度を利用して、快適な住まいづくりをしていきましょう。補助金の内容は地域や時期によって異なるため、まずは国のホームページ(国土交通省 住宅リフォームの支援制度)や、お住まいの自治体ホームページを確認してみてください。
● 結露対策リフォームの費用感と補助金(一例)
補助金を考慮する前の費用感の目安です。この金額から補助金分が差し引かれます。
★窓や断熱リフォームをした方の感想
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結露対策だけじゃない、窓リフォームにはメリットがいっぱい!
窓を複層ガラスや二重サッシにすると、保温効果が向上。エアコンの効きがよくなって節電でき、家計にも◎。また、外の騒音や室内の音漏れも軽減し、防音効果を実感できます。さらに、防犯ガラスの二重窓は空き巣などの侵入防止にも効果的。結露防止によるカビやダニなどアレルゲンの抑制効果も含め、かなり費用対効果に優れたリフォームなのです。
いかがですか? 結露の相談を受けると、一般的には窓のリフォームが提案されがちですが、長谷工リフォームではまず結露の原因について、お住まいを拝見したうえでアドバイスし、見直すところからスタート。その後に、必要に応じて窓のリフォームをご提案します。腰窓に内窓設置なら補助金も活用でき、工事は1日で完了。たとえば、お子さまが巣立ったご夫婦のライフスタイルにフィットする間取り変更や壁の断熱工事も含めた本格リフォームもプランニングいたします。プロの視点から「住まい方と結露対策」の効果的な方法をご提案しますので、ぜひご相談ください!
結露対策に関する豆知識
結露対策リフォームは夏前がおすすめ
結露が問題になるのは、外気温がぐっと下がり家の中との温度差が広がる冬。リフォームで改善を試みるなら本格的な冬が来る前に終わらせたいものです。補助金を使ってリフォームをしようと思うのなら、窓の交換や壁の断熱に利用できる補助金は、年末に向けて予算上限に近づいていきます。気付いたときにはすでに予算上限に達していた、リフォーム時期が合わなかったなどの場合は、翌年に向けて補助金について調べたり、リフォーム会社に相談するなどして、準備しておくといいでしょう。結露対策のおすすめリフォーム時期は、夏より少し前の6月~7月頃です。窓を複層ガラスや二重サッシにするとエアコンの効きもよくなり、コスト的なお得感がいっそう増します。
住まいスター
北熨斗 芽衣
長谷工リフォーム 関西支社
関西営業部門
インテリア企画部
営業職を経て企画部へ。現在は広告制作などの業務に携わり、日々の暮らしに寄り添う視点を大切にしています。休日は大阪・関西万博に通い、未来の暮らしや空間づくりにたくさんの刺激をもらいました。日常の中にも、ちょっとした発見や工夫を楽しんでいます。
