2007年09月27日

 ハセック(長谷工グループの建設資機材商社)がおよそ30年前に開発した自然排気システム『ウイングジェッター(WJ)システム』が、エネルギー消費削減への社会的関心も相まってマンションリフォームの採用実績を3桁に伸ばしているとともに、マンション以外の用途でも工場、公衆トイレ、植物園、病院、講堂、介護施設、海洋資源施設など公共施設を含めたさまざまな建築物で新規採用の機会を増やしております。自然風を利用したエネルギーを全く消費しない環境に配慮したエコ商品であることから、こうしたニーズは今後もますます増えていくものと期待しています。

 WJシステムは、自然排気方式(注1)でありながら逆流現象の問題も解決した画期的な換気システムで、1974(昭和49)年当時の京都工芸繊維大学教授石原正雄氏(故人)の指導を受けて長谷工が独自に開発しました。WJ本体は飛行機の翼を逆さまにしたような形状で、"翼理論" (注2)を応用し、無限エネルギーである自然風を有効活用することで環境に優しい換気を実現します。わずかな風でも充分な排気能力を発揮し、風速に比例して排気能力が高まる設計となっています。これまでに騒音・逆流などのクレームは全くなく、安価な設置費用でメンテナンスコストもかからず、また素材にはFRP(繊維強化プラスチック)を使用しているため優れた耐用年数を維持しています。

 今年10月末には「第6回建築における空気質・換気・省エネルギーに関する国際会議」(注3)への出展が決定しています。この出展を通して優れた性能とデザイン性をアピールしながら新たな需要を開拓していく計画です。

【ウイングジェッター本体】

【注釈】

(注1)
排気システムには、自然換気方式(ガラリ)と強制排気方式(電動ファン)の二種類があります。自然換気方式は低コスト・無騒音という利点がありますが、強風時には逆流現象が発生するという問題がありました。一方の強制排気方式は、逆流現象はないもののコストや振動・騒音に課題があります。
(注2)
飛行機の翼は、工学的な解析に基づいて、風を受けると飛行機が浮き上がるような断面形状に設計されています。WJはこの原理を応用して開発されました。本体の翼部分の断面は、翼形を基本にした流線型をもっており、翼の前面から気流が作用すると、翼には抗力と揚力が発生します。この揚力を最大限に利用し、室内を負圧に変化させ換気を促すようにしています。開発当時、世界7カ国に特許を申請し、従来の換気方式の常識を破るものとして高い評価を得ました。
(注3)『第6回建築における空気質・換気・省エネルギーに関する国際会議』開催概要
目的:建築における空気質・換気・省エネルギー分野における最新の研究成果を提供するとともに、個人的な議論や情報・アイデア・成果の交換の機会を設ける
今年度テーマ:室内環境と健康への影響、汚染物質と発生源、換気に対する要求と手法、革新的な換気・空気清浄システム、快適性の評価と室内環境、他
支援機関:東北大学、空気調和衛生工学会、日本建築学会、ISIAQ、ASHRAE
開催場所:仙台国際センター
開催日時:2007年10月29日~31日

【『WJシステム』概要図】


【マンション修繕工事での採用実績】 


【WJ本体概要】

高さ:1500mm
幅 :950mm
奥行:1665mm
材質:FRP(本体)
重量:55kg

【WJ販売】

販売会社:ハセック
TEL:03(5476)8613

【『WJシステム』採用例】

【静岡県 浜名湖花博公衆トイレ】
 
【マンションリフォーム事例】
【神奈川県漁業センター】
 
【愛媛県 松風病院】
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