2023年08月31日

 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫、以下「当社」)は、東日本電信電話株式会社(代表取締役社長:澁谷 直樹、略称:NTT東日本グループ)、株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表者 代表取締役:廣田 敦、以下「ブレインスリープ」)と共同で、睡眠の質からお住まいの方の日々のパフォーマンス向上にアプローチする「快眠のための家」の検証を開始いたします。

 マンションにおいて、IoT家電等により、多様化する家族構成・住まい方の変化にも対応する取り組みが進む中、生活をより良くするためのウェルビーイングの考え方を取り入れる動きが広がっております。当社グループでは、「LIM※1」を通じた"暮らしの最適化"実現に向け取り組んでおりますが、今般、睡眠の質を上げることが疲労回復を促進し、結果的に生産性向上にも繋がるという観点から、サステナブランシェ本行徳プロジェクトに実験住戸を設置しました。

 本実験住戸では、最新の睡眠医学の知見を持つブレインスリープ監修のもと、睡眠に最適な温湿度の設定や内装壁面の木質化によって睡眠時のリラックス効果を高めるなど、学術論文等で発表された睡眠研究の成果を総合的に取り入れた住空間を実現しております。また、NTT東日本グループが提供する睡眠計測APIを活用したアプリケーションを開発し、睡眠時の生体データと連携したスマートホームシステムを構築することで、ハードとソフトを融合したこれまでにない新たな形で、睡眠の質を向上させる環境を提供します。更に、お住まいの方のセンシングデータの取得や定期的なアンケート実施を行い、その効果を検証することで、睡眠の観点から、お住まいの方それぞれに最適な住空間の実現を目指しています。

 当社は今後も、IoT機器やAI技術を最大限生かした未来住宅の創造に向け、各種センサーから取得する住まいながらデータを研究・技術開発に活かし、新たな住まい方の創造を目指してまいります。

【「快眠のための家」の検証ポイント】
①スリープテック※2を活用したサーカディアンリズム※3の最適化
 ...専有部内の照明制御、カーテン、ブラインド制御による太陽光取り入れの調節。
②快適な温度・湿度・空気環境の構築
 ...建物の構造、断熱材などの内装による温度・湿度調整。全館空調システムによる空調管理。
③色や音によるリラックス効果...快眠を導く壁面色の採用、入眠音楽・起床音楽によるリラックス効果。
④木質化によるリラックス効果 ...木質クロスに触れる、木の香りを感じることによるリラックス効果。


※1 当社独自の呼び方で、Living Information Modelingの略。建物に設置されたセンサーなどから収集される“暮らし情報”を活用する概念
※2 IoT機器やAI技術などを活用して、睡眠状態をモニタリング・分析し、科学的に睡眠の質を改善または向上させる機器、システム、サービス
※3 概日リズムとも呼ばれる、約24時間周期の体内リズムのこと

【心地よい睡眠住宅の実現のために】
本実験住戸では、お住まいの方への良質な睡眠環境の提供と、これによる日々のパフォーマンス向上を目的として、最新の睡眠医学の知見を持つブレインスリープ監修によるハードの側面と、NTT東日本グループの睡眠計測APIを活用したアプリケーションと睡眠時の生体データと連携したスマートホームシステムによるソフトの側面の両面から、これまでにない新たな形をご提供します。
① スリープテックを活用したサーカディアンリズムの最適化
・良質な睡眠を生み出すためには、睡眠の周期や体温・自律神経・免疫系・ホルモン分泌などの調節を担うサーカディアンリズムの調整が効果的です。そのためには、「朝起きたら日の光を浴びる」ことと、「部屋の中の光を、自然の光に近くする」ことが重要です。サステナブランシェ本行徳の実験住戸では、スリープテックを活用し、睡眠に最適な居住環境へと自動的に制御するスマートホームシステムを構築しています。居住者の睡眠時の生体データを測定し、睡眠状態に合わせてエアコン・カーテン・照明・ディフューザー・オーディオが連動。居住者のライフスタイルに合わせて、良質な睡眠を促す環境を実現いたします。
② 快適な温度・湿度・空気環境の構築
・適切な寝室環境の目安とされている温度(夏:温度24~28℃、冬:温度16~20℃)・湿度(50~60%)を実現するため、内側壁の下地や天井への断熱材を充填するなど、効率的な冷・暖房が可能となるよう、調整しています。
・当社が共同開発したマンション専有部向け全館空調熱交換気システム「with airⓇ CUBE(ウィズエアーキューブ)」を採用しています。当社技術研究所内の住宅実験棟での実験にて、就寝時のCO2濃度を就寝環境として良好とされる1000ppm以下に保つ特長が確認されており、睡眠の質の向上が期待できます。
③ 色や音によるリラックス効果
・部屋の壁紙を落ち着いて穏やかな気分を促す青や紫などで仕上げ、入眠音楽、起床音楽を自動的に流すなど、色や音の点からリラックス効果の向上に取り組んでいます。

④ 木質化によるリラックス効果
・天井や床、壁またはドアなど、内装の仕上げ範囲の45%を目標に木質化を推進しています。木を採用することで、木の香りや木に触れることによりリラックス効果を得られます。

【睡眠アプリAPI】
サステナブランシェ本行徳の実験住戸では、入眠を確認した後に家電の電源をOFFにしたり、空調を調節したりすることで、お住まいの方それぞれの睡眠アルゴリズムに合わせ、自動的に最適な状態を保つスマートホームシステムを構築しています。また、日々の睡眠状態のスコア化、睡眠改善コンテンツの提供により、最適な睡眠状態に向けた取組や最適な睡眠状態の保持をすることができます。
【 「サステナブランシェ本行徳」におけるLIMの検証 】
当社グループでは、マンションに人々が住み始めてからの建物の状態や設備の利用状況、更には人の動きなど、マンションが持っている暮らしに関する情報を活用する概念を、LIM(Living Information Modeling)と呼んでおり、「LIM」を通じた“暮らしの最適化”を実現するための取り組みを加速しております。
サステナブランシェ本行徳は、「防犯対策の充実」・「物流効率化への貢献」「その他(IoT 機器制御による照明・温湿度・映像による睡眠の質・疲労回復効果の検証)」の点から、国土交通省が実施する「令和4年度第2回サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」における「次世代住宅プロジェクト2022」に採択されており、“快眠のための家”の検証を含め13戸の実験住戸を設置し、「LIM」を通じた“暮らしの最適化”実現に向け取り組んでいます。
(プロジェクト概要)
所 在 地  : 千葉県市川市本行徳5-16
交  通 : 東京メトロ東西線 妙典駅 徒歩6分
敷地面積 : 1,651.83㎡(499.68坪)
延床面積 : 3,071.06㎡(928.99坪)
構造・戸数: 鉄筋コンクリート造 地上5階建36戸
既存建物 : 1990年2月
竣工時期 : 2023年9月末(予定)
事 業 主  : 株式会社長谷工コーポレーション
設計・施工: 株式会社長谷工リフォーム
ホームページURL:https://www.haseko.co.jp/sustainabranche/


<各社概要>
NTT東日本グループ スリープテック事業
東日本電信電話株式会社
株式会社NTT DXパートナー

【スリープテック事業概要】
企業活動や人々の健康増進に対して睡眠データの収集・検証、プロダクト開発における利活用、
さらには睡眠の質診断・改善などを提供する「睡眠」を切り口としたビジネス支援事業を
企業・自治体向けに展開しています。
スリープテック事業:https://business.ntt-east.co.jp/content/sleeptech/
概要動画:https://www.youtube.com/watch?v=GXmerheNP98

株式会社ブレインスリープ
東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー26F
【事業内容】
西野精治が最高研究顧問を務める睡眠医学に基づいた確かな知見と
先進のテクノロジーを掛け合わせ、脳と睡眠を科学するソリューションカンパニー。
サイトURL:https://brain-sleep.com/
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