2025年問題が問うもの

~団塊世代が高齢者人口に与えるインパクト~

2025年04月30日 / 『CRI』2025年5月号掲載

CRI'S FOCUS

目次

団塊世代が全て75歳を迎え、人口の約18%が後期高齢者となることで起こる諸課題について2025年問題と言われている。
団塊世代が日本の人口に及ぼすインパクトはどのくらいなのだろうか。
今月号はその人口規模の大きさから日本社会を席捲してきた団塊世代についてデータをみていきたい。 

団塊世代は一般的に第二次世界大戦後の1947年から1949年までの3年間に生まれた世代であり、約800万人の人口規模(日本の総人口の約6%)となる。この大きな人口の塊は文化・消費・経済など日本社会に様々な影響を与えた。就労面では彼らが定年退職を迎えた2007年には大量退職による「労働人口の大幅な減少」「事業承継の危機」や「年金制度を始めとする様々な構造の変革」が社会課題として顕在化し、多くの企業で技術継承プログラムの実施や延長・再雇用制度の整備などの対策が取られ、「2007年問題」は「2025年問題」の前段階として捉えられた。 

団塊世代が75歳以上となる前後の2018年(図1)と2023年(図2)の人口変化をみると6,932,000人から7,474,000人に542,000人増加した。高齢化の進行は地方の方が取り沙汰されることが多いが、都道府県別にみると、都市部の方が人口増加が目立つ。こうした高齢化の進行による「年金・医療保険制度への負担」「介護人口の不足」は地方に限らず都市部でも深刻な課題である。「年金・医療保険制度への負担」「介護人口の不足」などの他、様々なサービスへの負担増が懸念されている。