東京圏商業地が牽引する地価上昇トレンド2025
2025年11月28日 / 『CRI』2025年12月号掲載
目次
9月に国土交通省が公表した地価調査によると、2025年は景気が緩やかに回復している中、全用途平均・住宅地・商業地いずれも4年連続で上昇し上昇幅が拡大した。特に東京圏の商業地での地価上昇が顕著であり、全国的な地価動向を牽引した。用途別では住宅地は全国的に伸びが鈍く、工業地は地方圏で堅調な動きを示した。一方で大幅上昇地点は大阪圏で1地点、名古屋圏では皆無であり三大都市圏の中での格差が確認された。
■東京圏の商業地が急増
2024年には東京都台東区浅草・神奈川県横浜市といった観光地で大幅上昇がみられたものの、地方圏の躍進にはおよばず4地点に留まったが、2025年には再開発等の影響により東京都内広範囲38地点に拡大した。しかし、上昇率上位5位までを地方圏が占めており、特に北海道千歳市は工場の進出、空港アクセスの良さ、インバウンド需要の高まりにより30%前後の大幅な上昇となった。都市圏の中でも大阪圏・名古屋圏に比べ東京圏の地価上昇が顕著であり、都市圏間でも格差拡大が明確となった。
■住宅地の上昇鈍化
2024年には地方圏において住宅地の大幅上昇が8地点みられたが、2025年には3地点まで減少。東京圏をはじめとする都市圏においても大幅な上昇は限定的で、商業地や工業地に比べ勢いが弱い。上昇率上位9位までを地方圏が占め、特に北海道富良野市、千歳市は25%前後の大幅上昇となった。富良野市はニセコと並ぶ観光需要の高い地域であり、ホテル・別荘需要の高まりが地価上昇に影響するなど、主に観光地における住宅地の上昇が目立った。
■工業地は地方圏で堅調な動き
工業地は2024年に地方四市で大幅な上昇地点がみられたが、2025年には鈍化。相変わらず熊本県を中心とする工業地の地価上昇が顕著であるが、他地域については2024年に進出した企業の追加需要が減少し一服感がでたことが、大幅上昇地点減少の要因となった。
