東京23区マンション価格の現在地
2026年03月03日 / 『CRI』2026年3月号掲載
目次
東京23区の新築マンションの価格上昇が継続している中、東日本不動産流通機構公表によると中古マンションの成約件数は2023年に16,154戸、2024年には16,569戸、2025年には21,912戸と過去最高の水準となった。また2026(令和8)年度税制改正では中古住宅の住宅ローン減税について「期間の延長10年→13年」と「借入限度額の引き上げ3,000万→3,500万円※1」が盛り込まれ、中古マンション購入にはプラス要因となるであろう。今月は、今や新築マンションの成約をはるかに超える中古マンションの動向についてみていく。
東京23区新築マンションの平均価格が1億円を突破してから久しいが、上下をくり返しながら2024年5月以降は一貫して1億円を突破。中古マンションも同様に2024年に5,000万円台を維持していたが、2025年になると少しずつ値上がりし、2025年11月には8,000万円に迫る水準となった。新築マンションと中古マンションの価格差も2024年は1.8~2.5倍あったが、2025年になると1.8~2倍程度と差が縮まった。
価格差を縮めながら中古マンションの成約が過去最高となる要因としては、新築マンションの供給減少による品薄、実需層の厚い1億円未満で購入可能であること、立地条件に優れた中古マンションは資産価値を維持(或いは値上がり)していることなどが挙げられる。また、現在では中古(既存)住宅への抵抗感も希薄であり、2020年に全国宅地建物取引業協会連合会が実施したアンケートによると、中古(既存)住宅に「抵抗感を全く感じない」および「きれいであれば抵抗はない」という回答が約54%と半数以上に上るなど、価値観の変化も要因と考えられる。さらに、今後も金利上昇が懸念される中で、中古マンションは契約と入居のタイムラグが小さく、住宅ローンの金利はほぼマンション契約時の金利が確定され資金的な目途も立ち易いというメリットもある。
今後も中古マンションへの需要は底堅く推移するものと考えられるが、依然価格上昇が見込まれる中で、住宅ローン減税の拡大がどの程度需要喚起に寄与するのか、動向を注視していきたい。
※1 長期優良住宅・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅が対象
