実大建物をゆらす!~E-ディフェンス(実大三次元震動破壊実験施設)での震動台実験~実大5階建て建物の震動台実験

概要

マンションの耐震性向上を目的に、実大規模の5階建て鉄筋コンクリート造建物の震動台実験(※1)において、当社仕様の内外装部材および什器、家具の耐震安全性の検証を実施しました。
なお、本実験は、国土交通省建築基準整備促進事業(※2)「S30.鉄筋コンクリート造の限界耐力計算における応答変位の算定精度向上に向けた建築物の振動減衰性状の評価方法の検討」の一環で実施されたものです。また、本検証は、国立研究開発法人防災科学技術研究所との共同研究によるものです。

  1. ※1震動台実験とは
    実物大建物を用いた三次元震動台による実験。前後、左右、上下の3方向に建物を揺らし、地震時の状況を再現する実験。
  2. ※2国土交通省建築基準整備促進事業とは
    建築基準法、建築物省エネ法、住宅品質確保法等に係る技術基準について、民間事業者等が有する知見を積極的に活用して、基準の整備、見直しを図ることを目的とする事業。

実験の概要と結果

実験の概要

実大5階建て鉄筋コンクリート造建物の2階で居室の一部を製作し内外装部材および什器について、また4階で乾式壁および家具について耐震安全性の検証を実施しました。
なお、実験方法は、国交省告示に規定されている模擬地震動(震度6強程度の大地震)のレベルを調整して計7回加震しました。

実際の実験時の動画です。

(URL)
https://www.youtube.com/watch?v=IauHRsfgj8I

(QRコード)

実験の結果

  1. 1. 外装・・・外壁の非構造部材は軽微な損傷を伴うものの、建物の変形に十分に追従することを確認
  2. 2. 内装・・・表層壁:アルミサッシのボードジョイントに一部割れがあったものの大きな損傷はなし
    天井・間仕切り壁:居室内の入隅部分に若干の隙間が発生したが継続使用に問題なし
    共用部乾式壁:大きな損傷はなし
  3. 3. 家具・・・家具上部を当社使用の固定方法で固定した場合に家具転倒防止ができることを確認
  4. 4. 什器・・・エアコン室内機、壁掛けTVを当社仕様の固定方法で固定した場合に、脱落等がないことを確認
2F:外装試験体
4F:乾式壁試験体
2F:内装試験体
4F:家具試験体

実験の目的・背景

2018年12月~2019年1月に実施された実大10階建て鉄筋コンクリート造建物の震動台実験の中で、当社仕様の集合住宅の居室を製作し、内外装部材について耐震安全性等の検証を実施し、多くの知見を得ることができました。
しかしながら、実験の詳細な分析を行っていく中で、詳細な分析には更なるデータ収集が必要な事項等が抽出されてきました。その中で、今回の実験に参画する機会を得て、継続検証を実施しました。