換気扇が回らない原因は、主に以下の5つです。

• 油汚れやほこり
• サビ
• 内部の部品やスイッチの故障
• 電気配線不良
• 寿命

それぞれ詳しく解説します。

油汚れやほこり

換気扇が回らなくなる最も一般的な原因は、油汚れやほこりの蓄積です。換気扇を長期間使っていると、煙や空気に含まれた油分がフィルターやファンに付着し、時間がたつにつれて固まってしまいます。この固まった油に空気中のほこりをどんどん吸着していくと換気扇の動きを妨げてしまうため、回りにくくなるのです。

サビ

湿気の多い場所で換気扇を回し続けていると、サビが発生して動かなくなることがあります。一度サビが発生すると、金属の腐食や劣化が早まり、放置すると換気扇の奥深くまでサビが広がることもあるため要注意です。

サビは換気扇の機械部分の故障にもつながります。自分で掃除してサビを落とすこともできますが、不安な方は専門業者に相談することをおすすめします。

内部の部品やスイッチの故障

換気扇が回らない原因としては、内部の部品やスイッチの故障も考えられます。換気扇内部にある部品の不具合や配線の断線、あるいは焼き付きなどがあると、換気扇を動かせなくなります。

これらの故障は、見た目ではなかなか判断が難しい箇所です。部品の劣化や故障によるものなのか、あるいは油汚れが引き起こす接触不良によるものなのかを正確に判断するためには、専門業者に確認してもらいましょう。

電気配線不良

換気扇が使用中に突然回らなくなってしまった場合は、電気配線の故障が考えられます。

長期間放置された汚れや湿気によるサビが配線にまで及ぶと、電気配線がうまく機能しなくなることがあります。特にキッチンなどの水まわりで使用する換気扇は、水しぶきが飛んで電気配線がショートする可能性もあるため、十分に気を付けましょう。

寿命

換気扇が回らなくなる原因として、寿命も挙げられます。ブランシエラクラブ会員のアンケート結果によると、7割以上の方が5年以上同じ換気扇を使用しています。特に10年～20年使用している方が34％、次いで5年～10年が21％、20年以上が19％と、長く使い続けている方が多い傾向があるようです。（ブランシエラクラブ調べ）

換気扇は、使用頻度にかかわらず経年劣化するものです。一般的に換気扇の寿命は10年程度といわれているため、この時期を目安に買い替えを検討するのもよいでしょう。

換気扇が動かなくなる原因はさまざまですが、ご自身で対処できるのは、油汚れやほこり、サビが原因の場合のみです。それ以外の原因、特に電気配線にかかわる問題への対処は、専門知識と電気工事士の資格が必要です。感電や故障のリスクがあるため、ご自身で対処せず、必ず専門業者に依頼してください。

換気扇が回らなくなる前兆は大きく分けて2つあります。

音がうるさくなる

換気扇を使っているときにいつもと違う音がするようになったら、故障のサインかもしれません。異音がするのに無理に使い続けると、完全に動かなくなってしまう可能性があるので、早めに原因を調べて対処しましょう。異音の種類によって、何が原因なのかをある程度判断できます。

「ゴー」「ブォー」「ブーン」といった低い音は、主に油汚れやほこりの蓄積が原因で発生します。特にキッチンの換気扇で起こりやすく、たまった汚れの重みでファンの回転バランスが崩れると異音が出ることがあります。

「ジジジジ」「ジー」といった音の原因は、サビの可能性があります。キッチンやお風呂（浴室）の換気扇で発生しやすく、サビによってパーツがずれたり、わずかな隙間が生じたりすることで異音につながります。

「キー」「キーン」といった甲高い音は、経年劣化や故障によるものかもしれません。ただし、複数の音が混ざり合って高い音が出ている場合もあり、原因の特定が難しいこともあります。このような甲高い異音は、換気扇が寿命に近づいている、あるいは既に寿命を超えている可能性があります。この場合は、換気扇本体の交換を検討してみましょう。

●「換気扇の異音」に関する記事はこちら

換気効率が悪くなる

換気扇の吸引力が低下したと感じた場合も、回らなくなる前兆かもしれません。これは、モーターが寿命に近づいているか、単に排気ダクトの内部に汚れがたまっている可能性があります。

換気扇の風力を簡単に確認したい場合は、ティッシュを使ってみましょう。換気扇を回している状態でティッシュを当ててみてください。もしティッシュがそのまま換気扇に吸い付くようであれば、きちんと機能している証拠です。

レンジフードや換気扇には、主にシロッコファンとプロペラファンの2タイプがあります。今回は、このうちのシロッコファンを例に、油汚れの具体的な取り除き方をご紹介します。

最初に、レンジフードの整流板を開け、フィルターがあれば一緒に取り出しておきます。取り外す際は、安全のため、ゴム手袋を着用してください。

次に、レンジフードに取り付けられているシロッコファンを取り外しましょう。最後に、ファンを固定しているネジをゆるめて、シロッコファン本体を取り外してください。

シロッコファンとフィルターの油汚れは、重曹水につけ置きして落とすのが効果的です。

キッチンシンクに50度～60度くらいのお湯を入れて重曹を溶かすか、またはシンクにごみ袋を用意し、その中にお湯と重曹を入れてください。そこに、取り外したファンとフィルターを浸してつけ置きします。

汚れが浮いてきたら、スポンジや使用済みの歯ブラシでこすり落とし、その後しっかりとすすいで乾かします。

パーツがアルミニウム製の場合は、重曹を使うと変色する可能性があるため、中性洗剤（台所用洗剤）を使ってください。

トイレやお風呂の換気扇は、油汚れがほとんど付かないため、基本的には水洗いで対処できます。

まず、安全のために換気扇の電源を切ってください。ブレーカーを落としておくとより安心です。次に、換気扇カバーに付いたほこりを取り除いてから、カバーを外します。

換気扇カバーは、一般的に下方向に引っ張ることで外れます。カバーと本体を接続しているV字型の針金を外すとシロッコファン（円筒形のパーツ）が見えてくるでしょう。

ただし、メーカーや機種によって、換気扇カバーの取り外し手順は異なります。掃除を始める前に、必ず取扱説明書を確認して正しい方法で取り外しましょう。

円盤形のベルマウスと呼ばれる部品のネジを回して外します。

なお、機種によってはベルマウスが取り外せないものもあります。無理に外そうとせず、必ず取扱説明書をよく読んで確認してください。

部品を取り外し終わったら、まずはハンディワイパーを使って大きなほこりや汚れを落としましょう。

ほとんどの汚れは、その後水で流すだけで落ちます。もし落ちにくい汚れが残っていれば、スポンジや洗剤を使ってやさしくこすり落としてください。

換気扇のカバーやファンがアルミ製ややわらかい素材でできている場合は、酸性洗剤やアルカリ性洗剤を避けるようにしましょう。素材が傷んでしまう可能性があります。

洗い終わったら、乾いた雑巾などでしっかりと水気を拭き取り、乾燥させてください。

ファンを取り出した後の換気扇内部にも汚れがたまっています。ここは、ハンディワイパーや簡易掃除棒などを使って汚れを落としましょう。キッチンペーパーや薄い布を割り箸に巻きつけ、輪ゴムで留めれば、簡易掃除棒が作れます。

最後に、水洗いした各パーツがしっかり乾いていることを確認したら、元の位置に戻します。取り付けが終わったら、各パーツがしっかり固定されているかをよく確認してください。

サビが原因で換気扇が回らない場合、クエン酸が効果的です。酸性のクエン酸が、アルカリ性のサビと中和反応を起こすことで、汚れが取れやすくなります。

小さじ1/2のクエン酸と水1カップ（200ml）をスプレーボトルに入れ、よく混ぜてクエン酸水を作ります。

さびている部分にこのクエン酸水を吹きかけたら、キッチンペーパーでその部分を包み込み、さらに上からスプレーをかけましょう。5分～10分程度置いた後、メラミンスポンジでやさしくこすり落とします。サビやクエン酸水を水でしっかりとすすぎ、最後に乾拭きで仕上げてください。

もし換気扇の内部までサビが深く侵食している場合は、ご自身での対処は難しいでしょう。サビは少しでも残ってしまうと、そこから再び広がってしまう可能性があります。サビの除去に不安がある方は、パーツ自体の交換を検討するか、専門業者に相談するのがおすすめです。

換気扇が回らないといったトラブルの発生は、もしかしたらおうちのリフォームを考えるよい機会かもしれません。換気扇のトラブルをはじめ、家の中の設備に不具合が起こり始めてきたら、家全体もリフレッシュするタイミングと捉えてみませんか？この機会に、気になる部分をまとめて新しくするリフォームを検討してみましょう。

専門家のアドバイスが必要な際は、お気軽にご相談ください。

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