東京一極集中の現在地と広がる「区格差」

~データが示す23区内の地価・人口の二極化とその要因~

2026年03月31日 / 『CRI』2026年4月号掲載

CRI'S FOCUS

目次

2026年2月3日、総務省から公表された「2025年の人口移動報告」によると、転入超過は東京都が最多で6万5,219人だった。前年の7万9,285人からは1万4,066人減少したとはいえ、進学や就職を機とした東京一極集中は依然として続いている。今月は2020年から2025年にかけて東京23区の各区の動向を見ていきたい。

(1)地価公示

23区の地価公示が平均15.2%上昇した中、唯一「千代田区」が-0.7%下落、「中央区」も10%以下の水準に留まった。「千代田区」が下落した原因は、観測地点数の88%を占める商業地が2021年に-2.0%の下落に転じて以来、いまだに2020年の水準に戻っていないためである。

一方15区が20%以上の大幅な上昇となり、特に「中野区」では34.7%の高水準となった。千代田区は既に地価水準が都内の中でも群を抜いて高いこと(中野区の約7倍)や、コロナ禍後の回復に遅れが生じたのに対し、中野区は区役所の新庁舎への移転、オフィス・商業施設・タワーマンションが一体となった大規模複合施設の建設、駅前再開発への期待により躍進したものと考えられる。JR中央線利用により「新宿」駅まで4分という利便性を持ちながらも都心周辺区(「台東区」「世田谷区」「北区」)などと比較しても割安感があったことも、その伸び代が再評価されたと考えられる。

(2)人口動態

23区の人口が平均で3.2%増加した中、「葛飾区」「江戸川区」は減少した。両区は東京23区の中でも高齢化率が高く、自然減の割合が高いことに加え、千葉県と近接していることから安価な家賃を求めて、子育て層が流出したことが要因と考えられる。一方10%以上の大幅な増加となったのは「中央区」「文京区」「台東区」であった。増加の要因としては大規模なマンション開発の他、外国人居住者の増加が挙げられるが、前述の「葛飾区」「江戸川区」に比べ都心への近接性やそれに伴う利便性が、コロナ禍後の都市回帰において再評価されたことが要因と考えられる。