住宅ローン利用者の実態調査

~金利のある世界が定着する中での住宅取得意識の変化~

2026年06月03日 / 『CRI』2026年6月号掲載

CRI'S FOCUS

目次

日本銀行は1999年のゼロ金利政策から約25年が経過した2024年に政策金利を引き上げ、日本は「金利のある世界」へと転換を遂げた。それ以降、金利は上昇を続け、多くの住宅購入者が利用している主要銀行の変動金利も4月からほぼ1%台の水準となった。マンション価格も上昇の一途を辿っている中、金利の上昇は住宅ローン利用予定者の住宅取得への意識にどのような影響を及ぼしているのだろうか。
今月は住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者の実態調査(住宅ローン利用予定者調査)2026年1月調査」より確認していきたい。

〈概要〉

調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:
⚫︎ 今後5年以内に具体的な住宅の取得  予定があり住宅ローンを利用予定の方
⚫︎ 全国の20歳以上70歳未満の方の内、学生および無職の方を除く1,500件
調査実施:2026年1月7日~1月20日

【1】 住宅の買い時意識

今(今後1年程度)を「買い時だと思う」または「どちらかというと買い時だと思う」という回答は53.5%で「買い時だと思わない」「どちらかというと買い時とは思わない」という回答をわずかに上回った。買い時だとする理由は「住宅ローン金利が上がりそう」という回答が50%を超え最も多く、次いで「住宅価格が値上がりしそう」が43.2%と金利・価格の先高感から、「今(今後1年程度)が買い時」だと感じている。その傾向は時系列でみても年々高まっており、政策金利を引き上げた2024年10月に金利先高観は既に40%を超えている。一方で「住宅ローン金利が低水準」という意識は急激に下降しており2024年10月と比較すると10%以上低下した(図表1)(図表2)

【2】 日本銀行の金融政策変更の住宅取得への影響

日本銀行が行った2024年3月以降の政策金利の引き上げを受けて約60%が住宅取得計画に「変化あり」と回答しており、その対応策として「住宅取得時期を前倒ししようとしている」が約20%と多い。物価高の中でも「所得や貯蓄が安定してきた」という回答が約16%であることや所得が「増加する見込み」という回答が約35%と所得改善に対する期待が背景にある。一方で「住宅予算を減らす方向で考えている」が約16%、「住宅取得を後ろ倒ししようと考えている」が約13%と購入にネガティブな回答もみられた。
利用期間の長さと借入金額から、住宅ローンの金利の上昇が生活全般に与える影響は大きい。景気・価格動向が不透明感を増す中、住宅取得意識への影響が懸念される(図表3)