東京一極集中の現在地と広がる「区格差」 その2
2026年08月07日 / 『CRI』2026年8月号掲載
目次
5月29日に総務省から「令和7(2025)年国勢調査(速報)」が公表された。それによると日本の総人口は1億2,304万人で令和2(2020)年から令和7(2025)年の5年間で過去最大の約309万人の減少で、大阪市(約275万人)、名古屋市(約233万人)を上回る数字である。そうした中でも東京23区の総人口は995万人で令和2(2020)年と比較すると22万人増加しているが、区によっては減少に転じている区も見られる。今月は東京都の中の区格差を見ていく。
【1】 縮小する世帯規模
東京23区の令和7(2025)年の総人口は995万人で令和2(2020)年と比べると22万人増加した。人口増加となったのは上位から「江東区(2万9,000人)」「台東区(1万7,000人)」「葛飾区(1万5,000人)」であった。それぞれ人口増加となった要因として、江東区は都心に近く職住近接が可能なことから人気が高く外国人増加も顕著であった。また台東区はインバウンドによるエリアの盛り上がりにより人口増加となった。葛飾区は、比較的23区の中でも家賃相場も安定しており、区内からの移動および、隣接した千葉県からの移動も見られ人口増加につながった。
一方、「千代田区」「目黒区」「渋谷区」は人口減少となったが、地価・家賃の上昇により近隣行政への移動が顕著であったことが要因。また、世帯数は千代田区を除いた全区で増加したが、一世帯当たりの人員が「2」を超えているのは「江戸川区」のみで、世帯規模の縮小が一段と進んだ(図表1)。
【2】 減少する日本人と増加する外国人
外国人は全区で増加しており、その数は日本人の増加数をはるかに上回っている。東京23区全体では令和2(2020)年と比較すると約12万人の増加となった。人口増加となったのは上位から「足立区(1万人)」「江戸川区(9,800人)」「板橋区(8,700人)」でタワーマンションが多く供給される職住近接のエリアだけでなく、比較的家賃水準が低く生活費を抑えられるエリアにおいても増加が見られた。人口増加分の半数以上を外国人増加が占める割合は23区中9区あり、特に「豊島区」「足立区」「江戸川区」は100%を超える(人口増加分以上に外国人増加数が多い)区も見られた。外国人の増加は首都東京の経済・消費活動、また労働力の担い手として様々な面でプラスとなっている一方で、都市部の急激な不動産価格の高騰や家賃上昇への影響が懸念される(図表2)。

