加速する「家族」と「住まい」のダウンサイジング

〜データで見るコンパクト住戸の供給動向〜

2026年06月30日 / 『CRI』2026年7月号掲載

CRI'S FOCUS

目次

首都圏では少子高齢化・単身化による「家族」のダウンサイジングの進行とマンション価格の高止まりによる「住まい」のダウンサイジングが加速している。今月は「家族」のダウンサイジングと価格の高止まりが影響を及ぼした 「住まい」のダウンサイジングの状況を確認していきたい。

【1】住宅ローン減税改正

2026年の税制改正により、40㎡台のコンパクトマンション等を購入する際の住宅ローン減税の適用条件は以下に改正された。このことは単身者・小家族にマンション購入を後押しする材料となった。

1.所得制限:合計所得金が1,000万円以下であること

2.床面積要件:内法面積で40㎡以上に緩和する措置を既存住宅にも適用する。

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001975750.pdf 参照

【2】「家族」のダウンサイジングと 「住まい」のダウンサイジング

首都圏においては単身世帯と高齢者世帯※の増加が同時に進行したことにより、世帯規模が縮小し平均世帯人員を押し下げる要因となっている。単身世帯は2020年には約800万世帯に迫り、首都圏全体の世帯の約40%を占めるまでになった。高齢者世帯は2020年には約564万世帯となり、首都圏全体の世帯の約28%まで増加した。また高齢者世帯比率を地域別で見ると2000年時点では東京都が約17%と高かったが、2020年においては、東京都が約25%なのに対し、埼玉県・千葉県が約31%、神奈川県が約30%となっている。これは、東京都への若年層の流入が維持される一方、過去に家族形成を機に近隣県へ移住した世帯がそのまま定年・高齢期を迎えたことに起因する。その結果、平均世帯人員は2000年の約2.5人から2020年には約2.2人まで縮小し、特に東京都では2015年に2.0人を切った(図表1)

※高齢者世帯…世帯主が65歳以上の世帯

こうした「家族」のダウンサイジングと首都圏の新築マンション価格の高止まりは、「住まい」のダウンサイジングにも影響を及ぼしている。平均面積40㎡台のマンションの価格は2025年には7,000万円を超える水準となり、かつて全体の1〜3%程度だった供給比率は供給戸数が減少する中、2020年以降5%を超えた。こうした「住まい」のダウンサイジングは「家族」のダウンサイジングの進行・マンション価格の高止まりの中で、今後も都心部を中心に増加が見込まれる(図表2)