防災に関する世論調査

~世論調査にみる防災意識の変化~

2026年09月01日 / 『CRI』2026年9月号掲載

CRI'S FOCUS

目次

近年日本では震災や水害の被害が頻発化・激甚化しており防災に対する世論、意識も大きく変化している。令和7(2025)年に実施された内閣府の「防災に関する世論調査」ではその変化を示す結果が明らかになった。

概 要
調査実施 令和7(2025)年8月21日から9月28日
・調査対象 全国の日本国籍を有する18歳以上 3,000人
・回答数  1,707件(回答率56.9%)

【1】 変わる防災意識

「自然災害が起こった時に被害を少なくするため、自助、共助、公助のうち、どれに重点をおくべきか」という質問に対する回答割合を時系列でみると、最も大きな変化がみられたのは2011年の東日本大震災後に調査された2013年12月調査であり、「公助」が24.9→8.3%、「バランス」が37.4→56.3%と大きく変化した。東日本大震災を機に国民の防災意識が防災を単体に委ねるのではなく、相互補完的に取り組むべきことであると変化したものと考えられる。また、東日本大震災後、「自助」「共助」といった自身と周辺居住者による助け合い意識が高まり、行政機関への期待はあるものの身近な範囲での取り組みの重要性をより強く感じるようになった(図表1)

【2】 日常生活に定着しつつある防災意識

数々の震災を通じ、自助意識の高まりがみられるが、「大地震に備えての対策」についてほとんどの対策項目で比率が上昇しており、特に「食品・飲料水・日用品・医薬品を常備している」「家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している」など家庭内で実施できることのほか、「近くの学校や公民館などの避難場所・避難経路を決めている」という対策も37%と高い比率を占めている。しかし、その一方で減少傾向にあるとはいえ「特に対策は取っていない」という回答も13.5%存在する。災害リスクが常態化している現代、防災力の強化は自分自身のみならず、周辺とのコミュニケーションの中で日常的に取り組むべき課題である(図表2)