「新居探しに1年かけた」さらば青春の光 森田さんが語る家選びのポイント

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「絶対に五反田から動きたくない」という強い思いで、1年以上の時間をかけて内見しまくったという森田さん。そんなこだわりの「家選びポイント」を、集合住宅とともに歩んだ半生を交えながら語っていただきました。

――森田さんのご実家は団地でしたよね。地元の街や団地に愛着はありますか?

 

森田:いや、全然ないです。あそこから抜け出すために芸人になったので(笑)。とはいえ、団地は「住む」にはすごく良いなと思っているんですよ。理由は一軒家よりも部屋の温度が暖かいから。これは集合住宅全般に言えるのかもしれません。

 

僕の中学校の同級生はみんな団地住まいだったから、その時は気づかなかったんですけど、高校生の時に一軒家に住んでいる同級生の家へ遊びに行ったんです。その時「寒っ!」と思いました。

森田哲矢さん

▲森田哲矢さん。お笑いコンビ「さらば青春の光」のツッコミ担当。2013年に松竹芸能を退所し、株式会社ザ・森東を立ち上げる。『キングオブコント』は6回決勝進出、『M-1グランプリ』は1回決勝進出。自身のYouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』は登録者100万人を超える。X(旧Twitter):@saraba_morita

――団地の良さに気づいたんですね。

 

森田:もちろん家によって暖かさは違うと思います。昔と違って今の一軒家は暖かいのかもしれません。でも当時は寒かった。それまでは「団地って良いな」と思ったことはありませんでしたが、意外と快適だったと知りました。

 

 

――2013年に上京されてからずっと五反田ですよね。住み始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 

森田:芸人の先輩から「めちゃくちゃ住みやすいから」と勧められたんですよ。じつは五反田以外に中央線沿線も検討していました。古着が好きなので高円寺とかも良いなと思って。

 

でも芸人の先輩から「中央線沿線はやめておけ。売れない芸人が人の妬み嫉みを言いながら朝まで飲んでいるような街だぞ」って言われて(笑)。今思うとそんなことはない気もしますが、当時はそれは嫌だなと思って五反田にしました。

 

ただ、そのころ一緒に住んでいた彼女を説得するのは大変でした。昔の五反田は「歓楽街」というイメージが今よりも強かったので、「五反田に引っ越そう」と言ったら反対されると思ったんですよ。だから彼女には「エリア的には大崎やから!」と言って押し切った記憶があります(笑)。

 

――五反田はどんなところが魅力ですか?

 

森田:利便性の良さですね。仕事で地方に行くことが多いので、品川や羽田空港にも行きやすいのは便利。普段の仕事は車を使いますが、地方に行く時はどうしても新幹線か飛行機での移動になりますからね。

 

それ以外の利便性で言うと、何と言っても店の多さ。飯屋はもちろん、大きめの商業施設もありますし、コンビニ、薬局、スーパーも多い。五反田付近に住んでいる芸人さんが多いのも、みんな同じことを思っているのかなと。

 

 

――五反田以外は検討しないのでしょうか?

 

今のところ考えていないですね。五反田は「嫌味のない街」というところも気に入っているんですよ。たとえば「どこに住んでいるの?」と聞かれて、「恵比寿です」とか「中目黒です」とか僕が言ったら、少し嫌味な感じになるじゃないですか。何か生意気だな……みたいな。

 

その点、五反田はちょうど良いんです(笑)。立地的には都心なんですけど、歓楽街のイメージが強いのか、良い意味でオシャレに見られない。だから角がたたないというか。

 

――五反田駅から目黒方面に歩くと、品川区の高級住宅街「池田山」があります。以前そこに住みたいとおっしゃっていましたが、今はどうでしょうか?

 

森田:住みたいな~と思うことはありますよ。でも、今の僕にとってはちょっと静かすぎますかね。「歩いてすぐ飲み屋に行ける」という環境が好きなんですが、池田山は住宅街なのでそれができない。なので検討するとしても、もう少し先かなと思っています。

 

 

――「五反田である」ということ以外に、今の家に決めた理由は何でしょうか?

 

森田:いちばんの決め手は「LDが広い」ところですね。14畳くらいあるんですが、ここまで広い物件は中々ありませんでした。家で過ごす時間がいちばん長いのはLDなので、その空間は広くしたいなと。

TRUCKで購入したソファはコーデュロイ素材がアメリカっぽくてお気に入り。森田さんのインテリアやDIYへのこだわりトークは記事後編で。

前に住んでいた家のLDが広かったことも影響しているかもしれません。1LDKだったんですが、LDと洋室をつなぐ扉が引き戸だったので、開けっ放しにして2部屋をつなげていました。その空間に慣れていたこともあって、14~15畳くらいの広さは欲しかったですね。

 

――このお家はすぐに決めたのでしょうか?

 

いや、めちゃくちゃ時間がかかりました。1年かけて、30軒以上内見したんですよ。良い物件がなかったり、気に入った物件があっても管理会社からNGが出たりして。「いろいろ調べさせてもらったところ、森田さんは複数人の男女を招いてパーティをなさいますよね? うちはそういうのはちょっと……」と断られたこともあります(笑)。血眼になって物件を探していたので、五反田だったらマンション名を言ってもらえれば大体分かると思いますよ。

 

 

――他に決め手はありましたか?

 

森田:2LDK以上は欲しいと思っていました。洋服が多いので衣装部屋は必須だったんですよ。大きなクローゼットをDIYで作って、洋服だけを置く部屋を作りました。

▲衣装部屋である森田さんいわく「部屋干し部屋」には、DIYしたクローゼットと物干しスペースが。

森田:他にも、日当たりが良く、眺めが良いのも気に入っています。南東向き角部屋なので、夕方くらいまでは電気をつけなくても十分明るいです。

 

あとは……何と言っても温水洗浄便座。もう絶対にないとダメです。お尻がボロボロになるので、仮に温水洗浄便座がなかったとしたら自腹で工事をして付けます。そういう意味では、優先順位的にはかなり高めですね(笑)。

 

 

――逆に何かご不満な点はありますか?

 

森田:ここですね。この謎の壁とドアを取っ払いたいです。

▲玄関からリビングに入るのに謎にドアが2つ。

廊下からLDに入る扉が、なぜか2つあるんですよ。ぜひ設計した人に意図を聞きたいですね(笑)。できればこの壁を壊してLDを広くしたいんですけど、謎の壁に配置してあるインターホンを設置するためには必要なのかなとも思っています。

 

――この謎の壁と扉以外は完璧でしょうか?

 

森田:強いて言えば、高層階ってことですかね。忘れ物をした時に上まで上るのがちょっと面倒。ここまで高い階に住んだのが初めてだったので、借りる前には気づけませんでした。

 

あと、この高さだとバルコニーに出るのがちょっと怖いです。一応テーブルと椅子を置いて、外でタバコを吸ったりお酒を飲んだりできるようにしたんですが、実際は全く出ていません。総じて気に入っていますが、不満点を挙げるとしたらそんなところですね。

 

 

――「将来はこんな家に住みたい」という理想はありますか?

 

森田:所ジョージさんの車、バイク、フィギュア、雑貨などがたくさん並ぶ世田谷ベースが好きなので、ガレージが大きい家に住みたいです。車を何台も停めて、服とか小物で溢れているスペースを作って。そんな家に憧れますね。仲間を呼んでバーベキューしたり、1人で趣味に没頭したりと、楽しそうじゃないですか。でもそれも独身のうちだけなのかなと思っています。

 

―もし結婚されたとしたら、どんな家に住みたいですか?

 

森田:あんまりイメージできないですけど、今より広い家でないと厳しいでしょうね。結婚したら、もっとちゃんとした大人にならないとダメじゃないですか? 今は洋服とかスニーカーとか小物とかを好き勝手に置いていますが、奥さんからするとNGだと思うんですよ。

▲部屋の至るところに所狭しと並ぶ小物やスニーカー。

今でさえ物で溢れかえっているのに、そこに嫁の荷物も加わると、この広さでは無理。でも自分のお気に入りの洋服や小物を捨てるのは忍びない。であれば、もっと広いところに引っ越すしかないのかなと。今の家も80平米以上あるんですけどね。まぁ実際はその時に考えます(笑)。

 

――森田さんのインテリアやDIYへのこだわりトークは記事後編

 

 

取材・文:中村昌弘 撮影:宗野 歩

 

WRITER

中村 昌弘
ライター。「なかむら編集室」代表。住まい・暮らし系のメディアでの取材記事、ビジネス系の書籍の執筆などを手掛けている。 X:@freelance_naka

おまけのQ&A

Q.五反田の中で何回引っ越ししていますか?
A.大阪から五反田に来た。で1回め。その後、彼女と別れて、すぐそばのボロアパートに引っ越して2回め。その後、いっこ前の家とここで。五反田に住んで10年で4回ですね。ちょっとずつ家賃が上がっています。