住まいの修理ガイド

洗面台下や洗面所の水漏れの原因は?応急処置と修理方法を解説

更新日 2025年11月13日

この記事でわかること

洗面台で水漏れが起こる原因
洗面台の水漏れは主にナットのゆるみやパッキンが劣化して起こります。シャワーホースやバルブカートリッジの劣化によることもあります。

洗面台の水漏れが発生した際の応急処置
まず止水栓を閉めます。水漏れの状況が悪い場合は、元栓を閉めることをおすすめします。

洗面台の水漏れの修理方法
応急処置を施したら、水漏れ箇所を特定し、各部位の状況に応じてバルブの締め直しや部品交換を行ないます。

■ご注意

洗面台から水漏れしていると気付いたら、まずは止水栓を閉めて水が広がらないようにすることが先決です。自分で修理する場合は、洗面台の取扱説明書をよく読んでから、部品の準備、修理・交換を行ないましょう。水漏れの対処には緊急を要することもあるため、自信がない場合は専門業者に相談することをおすすめします。

目次

洗面台で水漏れが起こる原因とは?

「蛇口から水がポタポタたれている」「朝目覚めたら洗面所の床が濡れていた」など、洗面台周辺が水で濡れてしまっている場合、水漏れが起きている可能性があります。ここでは一般的な洗面台を例に、水漏れ箇所と原因をご紹介します。

蛇口周辺からの水漏れ

蛇口やシャワーホースなど、洗面台上部に水漏れが発生している場合、原因はナットのゆるみ、パッキンの劣化であることが多いでしょう。また、バルブカートリッジの劣化や、水栓本体、シャワーホースの故障も考えられます。各部位の具体的な原因は以下の通りです。

吐水口・水栓本体(A・D部分)

  • 水栓本体の故障
  • バルブカートリッジの劣化
  • パッキンの劣化

シャワーホース周辺(B・E部分)

  • シャワーホース本体の故障
  • ナットのゆるみ

水栓と洗面台の接続部分(C部分)

  • ナットのゆるみ
  • パッキンの劣化

給水管や給湯管からの水漏れ

洗面台の下には、一般的に給水管と給湯管の2本のパイプが設置されています。これらは、蛇口につながる水と湯を供給するためのものです。水漏れの具体的な原因は以下の通りです。

給水管・給湯管(F部分)

  • ナットのゆるみ

止水栓(G部分)

  • パッキンの劣化

排水管(排水トラップや排水ホース)からの水漏れ

洗面台下の排水管のS字になっている部分を排水トラップといいます。排水トラップはカーブ部分に水をためることによって、下水から臭いや虫が上がってこないようにするためのものです。水漏れの具体的な原因は以下の通りです。

排水口と排水管の接続部分(H部分)、排水トラップ(I部分)

  • ナットのゆるみ
  • パッキンの劣化

排水ホース(J部分)

  • 排水ホースの劣化

床下からの水漏れ

洗面台下の床面や、洗面所の足もとが濡れている場合、床下配管に原因があるかもしれません。床下配管が詰まっていると、水を流したときに逆流して、床との接合部から水があふれ出すこともあります。具体的な原因は以下の通りです。

床下の接続部分(K部分)

  • 床下配管の詰まり
  • 排水ホースのずれ、外れ

洗面台の水漏れが発生した際の応急処置

洗面台周辺で水漏れが起こった場合、取り急ぎ行ないたい応急処置について解説します。

止水栓を閉める

水漏れが止まらない場合は、まず、止水栓を閉めて水を止めます。止水栓は洗面台の蛇口につながる部分に設置されている栓で、蛇口の周辺にあります。止水栓にはハンドル式、外ネジ式、内ネジ式という3つの種類があり、ハンドル式は通常の蛇口と同様に、手で回して水を止めるタイプです。外ネジ式と内ネジ式は形状が異なりますが、マイナスドライバーで開閉可能です。

元栓を閉める

止水栓が見つからない、止水栓の蛇口やネジが締まらない、または水漏れの状況がひどい場合は、元栓を閉めます。元栓の設置箇所は多くの場合、一戸建ては水道メーターの中に、マンションは各戸の玄関付近のメーターボックス内にあります。

ただし、マンションの場合は水道メーターが部屋の戸数だけあり、どれが自分の部屋のものなのかわからない可能性があります。ほかの部屋のメーターをいじると迷惑をかけるだけでなく、ご近所トラブルにも発展しかねないので、不安な場合は管理会社に相談するといいでしょう

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【洗面台の水漏れ】シャワーホースは本体ごと取り替えよう!

ここからは自分でできる修理方法を水漏れ箇所別にご紹介します。

吐水口や水栓本体、水栓と洗面台の接続部分から水漏れしている場合、ナットを締め直すことで解消する場合があります。ナットを締め直しても解消しない場合は、パッキン交換やバルブカートリッジの交換で解消する可能性もあります。

ナットの締め直し、パッキン交換、バルブカートリッジ交換など、蛇口周辺の水漏れ解消法についてはこちらの記事を参照してください。

蛇口の水漏れはこちら

ここでは、シャワーホース本体の交換方法をお伝えします。

シャワーホースには一般的にワンタッチジョイント方式とナット方式があります。ワンタッチジョイント方式の場合、自分で交換が可能です。ナット方式は、締め直しを行なっても水漏れが解消されない場合は、専門の業者に任せたほうがよいでしょう。ここでは、ワンタッチジョイント方式のシャワーヘッドの交換方法をご紹介します。

  • 止水栓を閉める
  • 洗面台下に水受けタンク(シャワーホースカバー)がある場合は外す
  • 水栓本体からシャワーホースを取り外す
    ワンタッチジョイントタイプは少し力を入れて下に引っ張ると簡単に外れます。
  • ワンタッチジョイントをシャワーホースから外す
    ホースの金属部分を手で持って、ワンタッチジョイントを回すと外れます。
  • シャワーホルダーからシャワーホースを引き抜き、シャワーヘッドを取り外す
    シャワーヘッドを引っ張るようにしてシャワーホルダーから引き抜き、シャワーヘッド部分をひねってシャワーホースから取り外します(シャワーヘッドがネジやストッパー等で留まっている場合はそれらを先に外します)。
  • 交換用のシャワーホースにシャワーヘッドを取り付ける
  • シャワーホースをシャワーホルダーに挿入する
  • シャワーヘッドを回して締める
  • 外した部品を元の状態に戻す

作業中水がこぼれる場合があるので、水を受ける洗面器やタオルを準備しておきましょう。

【洗面台の水漏れ】給水管や給湯管にはナットの締め直しやパッキン交換

給水管と給湯管から水漏れしている場合はナットの締め直し、止水栓から水漏れしている場合はパッキンの交換で解消することがあります。ナットの締め直し、水栓のパッキン交換についてはこちらの記事を参照してください。

水栓のパッキン交換はこちら

【洗面台の水漏れ】排水管まわりにはパッキン交換やテープで補修

排水口と排水管の接続部分や、排水トラップが不具合を起こす頻度は多くありませんが、それでも水漏れが確認できるときはナットを締め直してみましょう。ナットを締め直しても解消されない場合、パッキンの交換で修復できることがあります。また、応急処置として補修テープを使う方法もあります。

パッキンのサイズは、既存の排水管の外径と同じものを選びましょう。また、洗面台の排水パイプは樹脂製と金属製があり、パッキンの種類が異なります。樹脂製パイプには三角パッキンが取り付けられていることが多く、金属製パイプには、ナットの位置によって、平パッキン、差し込みパッキンなどが取り付けられています。よく確認してから交換用のパッキンを購入しましょう。

排水トラップのパッキン交換方法

排水トラップの接続部分からじわっと染み出す水漏れは、接続部分のナットを外し、中にあるパッキンを交換することで止まる場合があります。

  1. 止水栓を閉める
  2. 水漏れが起きている接合部のナットを取り外す
  3. 内部のパッキンを交換する
  4. 元に戻して完了

パッキンには向きがあるため、外す際にその向きを覚えておき、取り付けるときも間違えないように注意しましょう。

補修テープによる応急処置

排水ホースからポタポタと垂れる程度の水漏れであれば、耐水性のある補修テープを使うことで応急処置ができます。なお、補修に使えるテープは主に以下の3つがあります。

自己融着テープ

粘着剤を使わずに、自己融着する(圧着することでくっつく)特殊なテープです。テープを引っ張って巻き付けるだけで、テープ同士が密着し、防水性を発揮します。特殊な形状の場所にもフィットしやすく、排水管の蛇腹部分や継ぎ目などの水漏れ補修に適しているでしょう。ただし、テープを巻く際に力のかけ方が弱かったり、巻き方が不十分だったりすると、水が漏れ出すリスクがありますので、注意して行なう必要があります。

防水補修テープ

片面に防水加工が施された粘着タイプのテープです。裏面の粘着剤によって接合面に固定することで水漏れを防ぎます。塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)パイプのひび割れや、小さな隙間をふさぐのに適しています。貼り付けるだけで簡単に補修できますが、空気が入ってしまうと効果が落ちるため、貼るときはしっかり押さえ付けながら補修しましょう。

水道用ラップテープ

食品包装用のラップのように、テープ同士がくっつく特性を持つシリコンゴム製のテープです。水道の漏水補修に特化しており、一時的な補修の用途で使われることが多く、初心者でも比較的扱いやすいでしょう。ただし、粘着力は自己融着テープより劣るため、水圧が高い場合には向いていません。

補修方法は、止水栓を閉めた後、水漏れ箇所の水分や汚れを拭き取り、補修テープを2~3回、きつく巻き付けていきます。この方法はあくまでも一時的な補修ですので、できるだけ早めに専門の業者に相談しましょう。

【洗面台の水漏れ】床下配管との接続部分はナットを締め直す

洗面台の床が湿っていたり、壁や巾木が濡れていたりする場合、床下からの水漏れが疑われます。まずは止水栓を閉め、雑巾やバケツを用意して水が広がらないようにしたうえで、ナットを締め直しましょう。表面がつるりとした溝のないタイプの排水ホースは、ナット内のパッキンを交換すると水漏れを防げることがあります。蛇腹状の排水ホースにはナット内にパッキンがないタイプもあるため、ほかの原因を探ります。

ナットを締め直しても水漏れが解消されない場合は、床下配管の劣化などが考えられます。こういったケースの水漏れは自分で修理することが難しく、近隣住民にも水漏れの被害が及ぶ可能性もあるため、早急に専門の業者に依頼しましょう。

洗面台をまるごときれいに!水まわりの快適リフォームならプロにお任せ!

今回は洗面台まわりの水漏れについて、対応策をご紹介しました。洗面台周辺から水漏れしている場合、多くは経年による部品の劣化が原因です。該当箇所の部品をひとつ交換しても、また別のところから水漏れが起こる可能性があるので、洗面台をまるごと交換するのもよいでしょう。

また、洗面台は毎日使うものなので、些細な不具合もストレスに感じる場合が多く、美しく整っていれば、手洗いや歯磨きのたびに気分が良くなるものです。最新の機能や豊富な収納があると、洗面台で過ごす時間が充実するでしょう。心地よい住まいは、不満不足の少なさと使いやすさで決まることが多いといえます。洗面台に何か不具合があるなら、その箇所を修理するだけでなく、全体的に新調することをおすすめします。

長谷工リフォームでは、無料で相談できるサービスを実施中です。「朝の身支度の動線を考えた洗面所を作りたい」「お手入れしやすい洗面台にしたい」など、リフォームのご希望があれば、ぜひ一度お聞かせください。専門家が、ご要望や予算に合わせて快適な空間づくりをお手伝いします。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。