住まいの修理ガイド

キッチン水栓の交換は自分でもできる?取り換え方法をタイプ別に解説

更新日 2025年11月13日

この記事でわかること

キッチン水栓交換は、知識と工具があれば可能
ただし、水洗本体を交換したほうがよいケースと、部品交換のみで済むケースがあります。

水洗本体の交換が必要なケース
10年以上利用していて、操作感に異常があり、製品の製造が終了している場合は本体から交換したほうがよいといえます。

タイプ別の水洗の交換方法
ワンホールタイプ、ツーホールタイプ、壁付きタイプと、水洗の種類によって取り付け方が違います。

■ご注意

この記事でご紹介するキッチン水栓の交換手順はあくまで一例です。ご自身で交換を行なう際は、この記事と併せて取扱説明書を読み、メーカーのホームページもご確認ください。不安な方は、専門の業者へ相談するようにしましょう。

目次

キッチン水栓の交換は自分でできる?本体交換と部品交換の見極め方

結論として、キッチン水栓交換の作業に資格は必要なく、知識と工具があれば可能です。ただし、自分で行なうにあたって、本体交換したほうがよいか、部品交換で済むかを判断する必要があります。

部品交換のみで対応できるケースは次の通りです。

  • 操作感に異常がない
  • 本体にサビや割れがない
  • 少量の水漏れが特定の場所から起こっている など

これらのケースでは、カートリッジやパッキンなど特定の部品が原因で不調が起きていると考えられるため、不調の原因となる水栓金具を交換すれば直る可能性が高いでしょう。

●「蛇口の水漏れ」に関する記事はこちら

一方、本体交換が必要なケースは以下の通りです。

  • 10年以上利用している
  • 操作感に異常がある
  • 製品の製造が終了している など

一般的に、水栓の耐用年数は10年前後とされています。10年以上同じ水栓を利用していれば、本体交換するほうが安心でしょう。

また、レバーが極端に固い・ゆるい、温度調整がきかない、シャワー切り替えができないといった操作感の異常は、複数の部品の劣化が想定されます。この場合も、修理費用が新品交換と変わらない、あるいは高くなるケースもあるため、本体交換をおすすめします。

ワンホールタイプのキッチン水栓の交換方法

ワンホールタイプの水栓(混合水栓)とは、キッチンの天板に取付穴を1つ開けて設置する水栓です。水栓と給湯管・給水管をつなぐ2本のホースが水栓と一体化している点が見分けるポイントとなります。交換する際に次のような道具を用意しておきましょう。

  • バケツやタオル
  • 新しい水栓
  • ドライバー
  • モンキーレンチ(もしくは立水栓レンチ)

ワンホールタイプの水栓は、ほとんどはモンキーレンチで作業を行なえます。もし、作業にくい場合は、専用工具である立水栓レンチを使用しましょう。

交換する手順は以下の通りです。

まず、水漏れを起こさないように止水栓をしっかり締めます。次に、バケツやタオルを用意して、ホースをモンキーレンチで給湯管・給水管から取り外し、ホース内に残っている水を排水します。

さらに、水栓本体とシンクとを固定する部品を、ボルトやビスをゆるめて外した後、既存の古い水栓を抜き取ります。水栓本体は古くなるとさびついて取れにくいことも多いため、浸透防錆潤滑剤を塗布し、ゴムハンマーなどで軽く叩くと引き抜きやすくなるでしょう。

古い水栓やベース材(台座)を取り外したら、水栓を取り付けていた穴の部分をアルコールなどで掃除します。掃除を終えたら、いままでと逆の手順で新しい水栓を取り付けていきますが、以下の点に注意が必要です。

  • ホースについている保護キャップは外さない
  • 電動ドリルを使うと破損のおそれがあるため、なるべく手動で行なう
  • ホースを給湯管・給水管にそれぞれ接続する際、パッキンなどの設置も忘れない

シャワーホースや浄水器がある場合はそれらの取り付けも行ない、最後に蛇口をひねって水が出るか、シンク下で漏水は起きていないかなどを確認し、問題がなければ取り付け完了です。

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ツーホールタイプのキッチン水栓の交換方法

ツーホールタイプの水栓は、キッチンの天板に取付穴が2つあるタイプの水栓です。1つのレバー
で水・お湯が出るもの(シングルレバー)、水・お湯のバルブに分かれているもの(2ハンドル)があります。

基本的な手順はワンホールタイプの水栓と同様ですが、給湯管・給水管と水栓をつなぐホースが水栓と一体化されていないため、取り外し・取り付けを行なう箇所が異なる点には注意しましょう。

止水栓を締めたら、給水管・給湯管と水栓本体をつないでいるホースのうち、水栓本体とつながっている箇所を立て水栓レンチで取り外し、必要に応じて水を排水します。

給水管・給湯管を外したら、水栓本体を取り外します。ツーホールタイプは2つの取り付け穴があるので、それぞれの穴に固定されたナットを立水栓レンチでゆるめて取り外してください。穴を掃除したら新しい水栓の脚をそれぞれ入れ、下から固定ナットを締めて固定しましょう。

フレキシブルホースの加工

給湯管・給水管と水栓をつなぐホースには、「フレキシブルホース」とよばれる柔軟性の高い金属製のホースを用います。ホースの長さに対して、給湯管・給水管と水栓との距離がやや短いときには、ホースを折り曲げてつなげます。しかし、無理な曲げ方で接続すると、水漏れや破損の原因になることもあります。そのような場合は、フレキシブルホースを加工して長さを調整しましょう。

少し専門的な方法になりますが、おうちに道具がある方、あるいはジャストサイズにこだわりたい方はトライしてみてください。

加工には、以下を使用します。

・パイプカッター
・ツバ出し器

まずは、パイプカッターを使ってフレキシブルホースを切断し長さを調整していきます。

切断しただけではナットがはまらないため、ツバ出し器とハンマーを使ってネジ山を加工し、給水管・給湯管にナットで接続できるようにします。

ホースを自分でカット・加工する自信がない場合、ホームセンターでちょうどよい長さのホースがないか探してみてください。さまざまな長さのフレキシブルホースを扱っていることがあります。あらかじめサイズを測ってからホームセンターに行き、ちょうどよい長さのものを購入できれば、ホースを加工しなくても済むでしょう。

壁付きタイプのキッチン水栓の交換方法

壁付きタイプの水栓とは、壁に設置されているタイプの水栓です。比較的古いキッチンや浴室に多く、水栓の不調が生じたらキッチン全体のリフォームを検討するタイミングかもしれません。

壁付きタイプはホール型とは異なり、モンキーレンチとシールテープがあれば交換が可能なため、作業自体は簡単です。ただし、壁の中の配管が経年劣化していると、交換作業中に取付脚(クランク)に強い力を加えると、配管が折れる場合があります。

こうなると大がかりな修繕が必要になるため、壁の中の配管がぐらついていたら無理に動かさず、業者への相談をおすすめします。

交換作業の前に、元栓を閉め水が出ないことを確認します。

壁付き水栓は多くの場合、壁から出ている取付脚が止水栓の役割を兼ねています。そのため、壁付きタイプのキッチン水栓を取り外す前には、まず家全体の元栓を締めておかなければなりません。

マンションやアパートには、玄関横のメーターボックス内に部屋番号が書かれた元栓があるはずなので、番号を確認して閉めましょう。一戸建て住宅の場合は、一般的に敷地内の地面にある「量水器」や「止水栓」というボックス内に元栓があります。

元栓を閉めたら、既存の水栓本体を固定しているナットをモンキーレンチでゆるめ、本体を取り外してください。次に、壁に残った左右の取付脚を外し、壁の中の配管が折れないよう、反時計回りにゆっくり回しましょう。

古い部品を全て取り外したら、配管の接続部分を念入りに掃除し、新しい取付脚を取り付けます。水漏れを防ぐため、取付脚のネジ山にシールテープを時計回りに5周から10周ほど、少し引っ張りながらしっかりと巻き付け、指で軽く押さえてネジ山になじませます。

左右の取付脚を配管にねじ込み、左のお湯側の脚を12時の位置、右の水側の脚を9時の位置にして仮固定します。水栓本体を取り付けてナットを手で締め、水栓本体を時計方向に回して水平になるように取付脚の角度を調整します。

取り付けが完了したら、閉めておいた元栓を開け、水栓の接続部分の根元などを乾いた布やティッシュで触れ、水がにじみ出てこないかチェックしましょう。水漏れがなければ、全ての作業は完了です。

キッチンをまるごとリフォームすることも検討しよう

水栓を最新式の水栓に交換することで、水漏れの防止や節水効果の向上が期待できます。ですが、もしもキッチン全体が老朽化している場合は、水栓だけでなくキッチン自体のリフォームを検討してもよいでしょう。

長谷工リフォームでは、建築士やインテリアコーディネーターなどの有資格者、技術担当者がリフォームをサポートします。お打ち合わせからお引渡しまで同じ担当者が対応するので、途中で相談したいことが出てきたときにも安心です。

キッチンのリフォームが気になる方は、ぜひ一度長谷工リフォームの無料相談へお問い合わせください。

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山田 芳照

監 修

山田 芳照

DIYアドバイザー

1999 年、(株) ダイナシティコーポレーションを設立し、DIY情報サイトDIYCITYを運営している。DIYアドバイザーの資格を取得し、DIY普及活動として、2005年から6年間、NHK Eテレ「住まい自分流」に講師で出演した。以後、DIYをテーマにしたTV 番組の講師及び監修、企画制作を行っている。2013年からは、ホームセンターに置かれているHowtoシートの監修と制作を行い、社員研修やDIYセミナー、DIY教室、体験講座などの企画運営を継続して行っている。