【2026年版】親が亡くなったらすること|相続マンションの扱いも解説

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親が亡くなると、葬儀の手配をはじめ、役所への届出、年金・健康保険の手続き、遺産相続など、短期間でしなければならないことが数多くあります。中には期限が定められている手続きもあるため、まずは「いつまでに何をするのか」を把握し、優先順位をつけて対応することが大切です。 特に、親がマンションを所有していた場合は、名義変更の手続きや納付すべき相続税の確認だけでなく、相続後にかかる固定資産税の負担、今後の売却・賃貸・居住などの方法についても考える必要があります。 この記事では、親が亡くなったあとにすべきことを期限別に紹介します。マンションを相続した場合の確認事項や売却・活用方法についても分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

チェックリストの画像

▲画像提供:PIXTA

親が亡くなった直後は、深い悲しみや混乱の中で「何から手を付ければよいのかが分からない」と感じる方は多いでしょう。しかし、死亡届の提出や埋火葬許可証の申請など、期限が決められている手続きもあるため、落ち着いて一つずつ進めることが大切です。

 

ここでは、親が亡くなったあとにすべきことを、優先度と期限の目安ごとに整理して紹介します。

 

【最優先】(死亡当日~7日以内)
・死亡診断書の受け取り
・葬儀の準備(葬儀社の選定、遺体の搬送)
・近親者への連絡
・死亡届の提出
・埋火葬許可証の交付申請
・通夜
・葬儀・告別式(出棺、火葬、火葬済証明書取得)
・初七日法要 
・健康保険の資格喪失の手続き など

 

【優先度高】(10~14日以内)
・年金受給停止の手続き
・介護保険喪失の手続き
・世帯主変更届の提出 など

 

【優先度中】(死亡後なるべく速やかに~数ヵ月以内)
・公共料金の契約者名義変更または解約
・新聞、固定・携帯電話、インターネット回線、テレビの受信契約の名義変更または解約
・クレジットカードや契約サービスの解約
・各種保険の手続き
・銀行口座の確認
・遺言書の確認
・遺産相続手続き
・四十九日法要 など

葬儀の様子

▲画像提供:PIXTA

ここからは、親が亡くなった当日から7日以内にすべき手続きを、順を追って解説します。

 

 

親が病院で亡くなった場合は、医師(病院)から死亡診断書を受け取ります。自宅で亡くなった場合はかかりつけ医に連絡しましょう。かかりつけ医がいない場合や、突然死・事故死・孤独死など死因が明らかでない場合は警察に連絡し、死体検案書を受け取ります。

 

死亡診断書・死体検案書は今後の手続きで必要になるので、コピーを複数枚取っておきましょう。

 

その後は近親者に連絡しつつ、葬儀社を選定し、葬儀の詳細を決めていきます。葬儀社をすぐに決められない場合は、病院が提携している葬儀社に遺体の搬送だけを依頼し、あらためて別の葬儀社を探すことも可能です。また、葬儀について故人の希望があったかどうかの確認も重要です。遺言書やエンディングノートなどがないかもチェックしておくとよいでしょう。

 

併せて、遺体の搬送先と安置場所を決めます。安置先は自宅か葬儀社の安置場、斎場などが一般的です。

 

 

 

親が亡くなったら、役所に死亡届を提出します。死亡届は、基本的に死亡診断書や死体検案書とセットになった用紙です。法律上の提出期限は「死亡の事実を知った日から7日以内」ですが、葬儀・火葬を進めるため、多くの場合は死亡後2日以内に提出します。法律上、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要がありますが、以降の手続きをスムーズに進めるためにも早めに提出しましょう。なお、親が国外で亡くなったときは、その事実を知った日から3ヵ月以内に死亡届を提出します。

 

死亡届の提出先は、故人の本籍地か届出人の所在地、亡くなった場所の役所のいずれかです。このとき、併せて埋火葬許可証の交付申請をしましょう。埋火葬許可証がなければ火葬はできないため、注意が必要です。

 

続いて、通夜を営みます。地域や宗派などにより異なりますが、通夜は亡くなってから2日目に執り行うのが一般的で、この日は祭壇や供花の設置、礼状・返礼品の確認など、細かい準備が多くなります。近年は葬儀社に一連の準備を任せるケースが多いものの、故人や親族の希望、地域の慣習などがある場合は、早めに葬儀社に伝えておきましょう。

 

 

 

葬儀・告別式は通夜の翌日に行うのが一般的です。通夜と同様、葬儀社が中心となって進めてくれることが多い一方で、祭壇の手配や弔電の管理など、喪主や遺族が確認すべきこともあります。

 

葬儀・告別式が終わったら出棺し、火葬場へ向かいます。火葬を行うには埋火葬許可証が必要となるため、忘れずに持参しましょう。火葬が終わると、火葬済みであることを示す印が押された埋火葬許可証を渡されます。この書類が火葬済証明書となり、納骨の際に必要となるので紛失しないよう大切に保管しましょう。

 

また、親が亡くなってから数えで7日目(亡くなった当日が1日目)に初七日の法要を行います。必ず行わなければならないものではありませんが、近年は、初七日の法要を繰り上げ初七日として葬儀・告別式で行ったり、火葬後に行ったりすることもあります。故人の意思や親族の希望、宗派、地域の慣習などを踏まえ、どのように行うかを検討しましょう。

 

国民健康保険の場合は死亡後14日以内に役所で手続きが必要です。死亡届が受理されるとマイナンバーカードは自動的に失効し、マイナ保険証も利用できなくなりますが、健康保険の資格喪失手続きは別に行います。

 

一方、会社員など勤務先の健康保険に加入していた場合は、死亡後5日以内に年金事務所での手続きが必要です。資格喪失の手続きは原則として勤務先が行います。遺族が健康保険証(資格確認書など)の返却を求められる場合もあるため、勤務先へ確認しておくと安心です。

 

 

役所に届け出る書類の画像

▲画像提供:PIXTA

親が亡くなってから10~14日以内は、役所や年金に関する手続きが集中する時期です。

 

故人が年金を受給していた場合は受給停止の手続きが必要です。厚生年金は死亡後10日以内、国民年金は14日以内に手続きをしなければなりませんが、日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合は、原則として年金受給権者死亡届の提出は不要です(未支給年金を受け取るためには手続きが必要)。

 

さらに、介護保険資格喪失の手続きも死亡後14日以内に役所で行います。故人が世帯主で、残された15歳以上の世帯員が2人以上いる場合は同じく14日以内に「世帯主変更届」を提出し、新たな世帯主を届け出る必要があるので、こちらも忘れないようにしてください。

 

 

解約関係の書類の画像

▲画像提供:PIXTA

親が亡くなったあとの手続きには期限が決められているものだけでなく、状況に応じて早めに進めたほうがよいものもあります。急ぎの役所手続きが落ち着いたら、故人名義の契約や相続財産を確認し、必要に応じて名義変更や解約、請求手続きを行いましょう。

 

まず確認したいのは、故人名義で契約していた各種サービスです。主なものとして、以下が挙げられます。

 

・電気・ガス・上下水道
・固定電話・携帯電話
・インターネット回線
・テレビの受信契約
・新聞などの定期購読
・クレジットカード
・生命保険などの保険契約

 

なお、携帯電話はインターネット銀行や各種Webサービスのログイン情報、二段階認証に利用されている場合があります。契約内容や登録サービスをすべて確認できるまでは、慌てて解約しないほうがよいでしょう。また、生命保険に加入している場合は、保険証券などを確認し、保険会社へ連絡して保険金請求などの手続きを進めます。

 

銀行口座は、原則として金融機関が名義人の死亡を把握すると凍結されるため、預貯金を相続するには銀行へ連絡して所定の相続手続きを行う必要があります。必要書類や手続きの流れは金融機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

 

また、相続財産がある場合は、以下の流れで手続きを行いましょう(以下は一般的な流れです)。

 

① 遺言書の有無の確認
② 相続人の確定
③ 相続財産・負債の調査
④ 相続方法の決定(単純相続・限定承認・相続放棄)
⑤ 準確定申告を行う(必要に応じて)
⑥ 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成(必要に応じて)
⑦ 相続税の申告・納付(必要に応じて)
⑧ 相続財産の名義変更・分配

 

その後、故人の命日から数えて49日目に四十九日法要を営むことがあります。四十九日法要は、初七日の法要と同じく必ずしなければならないものではありません。一方で「当たり前にやるもの」と考える人も多く、特別な事情がない限り執り行われるのが一般的です。故人の意思や親族の意向を踏まえ、実施するかどうかや日程を決めるとよいでしょう。

 

 

▲画像提供:PIXTA

親が住んでいたマンションも、相続財産の一つです。ここでは、相続した親のマンションについて、早めに処分すべき理由と具体的な処分方法を解説します。

 

 

 

誰も住んでいない空き家でも、毎年固定資産税がかかります。固定資産税は、毎年1月1日時点で、マンションなどの固定資産を所有している人に課される税金です。

 

マンションの固定資産税の額は、建物・土地の評価額や専有面積などの条件によって変わります。ただし、築年数がある程度経過しているマンションでも、立地や土地の評価額などによっては、建物と土地の固定資産税の合計が10万円以上となるケースは珍しくありません。

 

また、空き家となったマンションを放置すると老朽化による資産価値の低下だけではなく、不法侵入・不法滞在といった犯罪行為に利用されるリスクも高まります。このような理由から、マンションを相続した場合は、そこに住むのか、賃貸に出すのか、あるいは売却するのかを早めに検討しましょう。

 

さらに、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続登記義務化の背景としては、相続後に適切な登記が行われずに所有者不明土地・建物が増え、管理や公共事業に支障が生じるなど深刻な社会問題となっていることが挙げられます。

 

そのため、相続人はマンションなどの不動産を相続したことを知った日から3年以内に、法務局で相続登記を行う必要があります。遺産分割協議が成立したあとは、マンションを相続した人が相続登記の手続きを進めましょう。

 

2024年4月1日以前に相続した不動産も義務化の対象です。この場合は、原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。正当な理由なく期限までに相続登記を行わなかった場合は、10万円以下の過料が科される可能性があるため注意しましょう。

 

マンションを処分する場合は、親の遺品も整理する必要があります。状況に合わせて遺品整理業者へ依頼するとよいでしょう。

 

 

 

相続したマンションの扱い方には、大きく分けて「売却」と「活用」があります。

 

どの方法を選ぶかを判断するためにも、まずはマンションの資産価値を把握しましょう。また、相続税の有無を確認するためには、相続税評価額を把握することも重要です。

 

相続税の計算方法は「(課税遺産総額-基礎控除額)×相続税率-税額控除」です。相続税には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の基礎控除があり、相続財産の総額がこの金額以下であれば、原則として相続税はかかりません。

 

一方で、相続財産の総額が基礎控除を超える場合は相続税の申告・納付が必要です。相続税は原則現金で納める必要がありますが、預貯金だけでまかなえない場合は相続したマンションを売却し、その代金を納税資金に充てることも選択肢の一つです。

 

相続税の有無やマンションの評価額を把握しておくことで、売却・賃貸・居住といった今後の活用方法をより適切に判断できるでしょう。

 

以下では、具体的な処分方法について解説します。

 

 

マンションを「売却」する場合

 

マンションの主な売却方法は、以下の2つです。

 

・そのままの状態で売却する
・リフォームしてから売却する

 

マンションをそのままの状態で売却する場合は、リフォーム費用がかかりません。その代わり築年数が古く老朽化が進んでいたり、設備が時代にそぐわなかったりすると、売却価格や売却に要する時間に影響することがあります。ただし、購入後に自分好みにリフォームしたいと考える買い主もいるため、必ずしもリフォームをしたほうが売れやすいとは限りません。物件の状態や市場のニーズを踏まえて判断することが大切です。リフォームについては、不動産会社に相談してから行いましょう。

 

マンションのリフォームは、管理規約の内容に沿って行う必要があります。専有部分であれば比較的自由にリフォームできることが多いものの、共用部分や建物の構造に影響する工事には制限が設けられている場合があります。リフォームしやすい箇所としては、以下が挙げられるでしょう。

 

・室内の壁紙
・天井のクロス
・床材(フローリング・クッションフロアなど)
・キッチン、トイレなどの水回り設備(配管や共用部分に影響しない範囲)

 

 

マンションを「活用」する場合

 

マンションの主な活用方法は、以下の2つです。

 

・賃貸物件として第三者に貸し出す
・相続人が住む

 

マンションを賃貸として活用すれば、家賃収入を得られる可能性があります。ただし、管理規約の内容やマンションの状態によっては、賃貸として活用できないことも考えられます。

 

貸し出せないケースとしては、以下の理由が挙げられます。

 

・管理規約で賃貸が制限されている
・住宅ローンが残っている場合、契約内容により賃貸への利用が認められていない
・建物の状態が著しく悪い など

 

マンションによっては、管理規約で用途や貸し出し方法に一定の制限が設けられている場合があります。住宅ローンは自分が住むことを前提として契約しているため、金融機関の承諾なく第三者へ貸し出すと契約違反となる場合があります。賃貸を検討する際は、事前に金融機関への確認が必要です。貸し出せたとしても、劣化状況によっては、マンションを第三者に貸し出す前のリフォームが必要になるでしょう。

 

一方で、相続したマンションに住む場合、すでに相続に関する手続きが済んでいれば、あとは引っ越すだけです。

 

第三者に貸し出すのが現実的ではなく、相続人が住む予定もないなら、マンションの売却を検討することになります。相続した親のマンションを売却する流れについて、次章で詳しく見ていきましょう。

 

 

▲画像提供:PIXTA

相続した親のマンションを売却する流れは、「仲介で売却する場合」と、「買い取りで売却する場合」とで異なります。ここでは、それぞれのケースでマンション売却の流れを見てみましょう。

 

 

 

1つ目は、マンションの所有者から仲介の依頼を受けた不動産会社(仲介業者)が、購入希望者を探す方法です。具体的な手続きの流れは、次のとおりです。

 

(1)不動産会社に査定を依頼する:不動産会社にマンションの価値を査定してもらいます。どの不動産会社に査定を依頼すればよいか迷ったら、次章「不動産会社を選ぶ際のチェックポイント」を参考にしてください。
(2)媒介契約を結ぶ:どのような条件でマンションの売却活動を進めるか、契約が成立した際の報酬はどのくらいかなどについて、不動産会社と媒介契約(一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約)を結びます。
(3)価格を決定し売却活動を始める:不動産流通標準情報システム「レインズ」にマンションの物件情報を登録(一般媒介契約以外は法律で義務付けられている)する他、不動産ポータルサイトやチラシなどを活用し、不動産会社が購入希望者を募集します。
(4)購入希望者と売買契約を結ぶ:マンションの買い手が決まったら、売り手・買い手・不動産会社の三者が集まり、売買契約を締結します。
(5)決済・引き渡す:買い手から売却代金を受け取り、マンションを引き渡したら取引は完了です。決済時には、所有権移転登記や抵当権抹消登記(必要な場合)などの手続きを、不動産会社や司法書士が連携して進めます。売り主は必要書類を準備し、手続きに協力します。

 

 

2つ目は、不動産会社(買い取り業者)が、マンションの所有者から直接マンションを買い取る方法です。具体的な手続きの流れは、次のとおりです。

 

(1)不動産会社に査定を依頼する:仲介で売却する場合と同様に、不動産会社にマンションの買い取り価格を査定してもらいます。
(2)不動産会社と売買契約を結ぶ:マンションをいくらで買い取ってもらうのか、引き渡しの日はいつにするのかなどについて、不動産会社と売買契約を締結します。
(3)決済・引き渡しをする:売買契約書の内容に従って、決済とマンションの引き渡しを済ませます。

 

 

▲画像提供:PIXTA

マンションを売却するには、不動産会社選びが重要です。不動産会社を見極めることで、より良い条件でのスムーズな売却が期待できます。

 

不動産会社を選ぶ際は、次のようなポイントをチェックしましょう。

 

・マンションの売却・買い取り実績が豊富である
・査定価格の根拠を明示してくれる
・より良い条件で売却するための提案力がある
・マンションがあるエリアの特色を把握している
・連絡や対応がスピーディー・丁寧である

 

不動産会社によって得意な分野・エリアが異なるため、マンションの売却・買い取り実績が豊富で、マンションがあるエリアに精通している会社を選ぶことは重要です。また、リフォームやハウスクリーニングの必要性を含め、物件の状態に応じた売却方法を提案してくれるかどうかも確認するとよいでしょう。

 

 

親が亡くなると、葬儀の手配や各種届出、相続手続きなど、短期間で進めなければならないことが多くあります。中には期限が決められている手続きもあるため、まずは全体の流れを把握し、優先順位を整理しながら一つずつ落ち着いて対応することが大切です。

 

また、親が所有していたマンションを相続した場合は、相続登記の期限や固定資産税の負担、相続税の有無なども踏まえた上で今後の扱い方を検討する必要があります。判断に迷う場合は不動産会社や司法書士、税理士などの専門家にも相談しながら、自分の状況に合った方法で手続きを進めましょう。

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読者アンケート 
 

監修者

矢口 美加子

  

 

<保有資格>

  • 宅地建物取引士
  • 整理収納アドバイザー1級
  • 福祉住環境コーディネーター2級

<プロフィール>

不動産ライティング事務所 Room.M 代表。不動産売買や不動産投資、リフォームなど不動産関連の記事を複数の大手メディアに寄稿。署名記事の実績は410本以上。モットーは「初心者にも分かりやすい不動産記事の執筆」。家業で不動産投資をしており、契約管理を担当。
※所属会社・役職は取材当時のものです。