住まいづくりを通じて、 社会信頼に応える未来を創造する。株式会社 長谷工コーポレーション  代表取締役社長 辻 範明

未来に向けて飛躍するためにグループ一丸で事業を推進します

2017年は、長谷工グループの歴史にとってターニングポイントとなる1年だったと感じています。2月に長谷工コーポレーションが創業80周年を迎え、次の節目である90周年、100周年に向けた新たな歴史へと踏み出しました。また4月からは、6年間にわたる中期経営計画の後半3年間として「newborn HASEKO Jump Up Plan(NBj計画)」がスタートしています。計画初年度は過去最高の連結経常利益を更新する1,005億円を達成し、2018年3月期〜2020年3月期の合計連結経常利益2,400億円という目標に向けて好調な滑り出しとなりました。

「NBj計画」を進めるにあたって、私たちは様々な社会課題に注目しました。少子化・高齢化、人口減少、都市のコンパクト化、災害対策、建築物の老朽化対策、環境配慮・省エネルギー化促進、コミュニティ形成といった社会課題に対して長谷工グループは、分譲マンションを中心に、賃貸・高齢者住宅や商業・介護・子育て・健康・医療・教育といった様々な分野を組み合わせ、ハードとソフトの両面から住まいと暮らしの創造を実現していこうと考えています。
また、この数年は建設需要の高まりを受けて事業が好調ですが、この状況はいつまでも続くものではありません。市況の波に左右されずに成長を続けるためには、新規にマンションを建設するフロー事業だけでなく、管理や修繕、リフォーム等のストック事業を着実に育てていくことが重要です。ストックはまた、安全・安心に永く住まい続けるために不可欠な分野でもあります。住まいという社会資本を維持するという意味でも、より一層力を入れていかなければならないと考えています。

CSRの体制・方針が整ったことで活動の基盤が固まりました

「NBj計画」では、「中長期的な視点を踏まえた新たな取組みへの挑戦」「実効性の高いガバナンス・内部統制の確立」も基本方針として掲げています。その具体的な取り組みの一つとして、2017年4月にCSR部を発足し、グループとしてCSRに関する活動を推進していく体制を整えました。さらに2018年3月には、グループ社員の活動の指針となる「CSRビジョン」と「CSR方針」を社内外に発表し、環境・社会とともに永続していくという想いを新たにしました。
「CSRビジョン」と「CSR方針」の策定にあたっては、グループ各社の社員をメンバーとするワーキンググループで議論を重ねました。長谷工グループらしいビジョンとはどんなものなのか、社員が主体的に考えて取りまとめていくプロセス自体にも、大きな意義があったと考えています。
また、議論の際には、長谷工グループと社会との関わりを広い視点で捉えることを目指し、持続可能な開発目標(SDGs)と事業の関連についても整理を行いました。SDGsの掲げる目標11(住み続けられるまちづくりを)は、まさに長谷工グループの企業理念「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」そのものであり、様々な形で課題解決に貢献できるものと考えています。また、目標3(すべての人に健康と福祉を)、目標7(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)なども、住まいづくりと密接な関わりがあると認識しています(P10 SDGs参照)。
そして、こうした課題を解決するためのCSR取り組みテーマとして「住んでいたい空間」「働いていたい場所」「大切にしたい風景」「信頼される組織風土」の4つを定めました。今後、これらのテーマを実践するための計画を定め、具体的な活動に取り組んでいきます。

多様なステークホルダーとより強い信頼関係を築いていきます

マンションは完璧であることが当たり前と考えられているため、最良の品質と最高のサービスを提供することに対して、私たちは社会的責任と使命感を負っています。そしてそれらは、ステークホルダーとの関わりなしには実現できないものであると認識しています。
品質を支える高い技術を発揮するためには、協力会社や職方との信頼関係が欠かせません。長谷工グループは設計から施工までを一定のやり方で進めるため、その手法に慣れた協力会社とともに長く仕事をすることで、高い技術を維持することができています。また、グループで管理事業も行っているため、お客様から直接お伺いした評価やご要望を次の仕事に反映できるという強みも持っています。
また、地球環境にやさしい住まいづくりのために、設計・施工における様々な取り組みも進めています。エネルギー収支をゼロにするゼロ・エネルギー・マンションにも今後積極的に取り組んでいく考えです。

働き方改革については業界全体で機運が高まっていますが、その実現のためには生産性向上が不可欠であると考えています。建設作業所での「土日閉所(4週8休)」に向けて協力会社と連携をとるほか、工場で事前に作ったものを現地で組み立てる省力化工法の導入なども進めます。加えて、コンピューター上で3Dモデルを組み合わせることができるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を、設計は2018年度、施工は2019年度までに、一般的な物件ですべて対応できるようにします。
また、よりよい住まいの提供のためには、女性社員がその能力を存分に発揮することも重要です。技術系の女性採用・活用をグループとして進めるとともに、女性社員によるプロジェクト・チームを組成するなど、マンションづくりのあらゆる局面で女性の活躍を推進します。

一人ひとりが考え、行動し、挑戦し続けるグループを目指します

私は常々、グループ社員に向けて「大企業ではなく、大いなる中小企業を目指そう」と伝えています。マンションを中心としたトップ企業としての自負を持ちながらも、慢心することなく、社員一人ひとりが新しい挑戦をし続けることによって、創業100周年への道が拓けると考えています。
大きな時代の変化の中にあっても、住まいに関してお客様の人生全体のサポートができること。それが、長谷工グループの目指す「住まいと暮らしの創造企業グループ」のあり方です。本報告書では、そうした想いを実現するための具体的な体制や取り組みについての詳細をまとめました。今後とも、皆様のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2018年10月