2003年08月08日
萩中住宅(東京都大田区、総戸数368戸、鉄筋コンクリート造5階建、8棟)の管理組合(理事長:北畠宏)の下で進めてきました「萩中住宅建替え計画」が、この度、スタートする運びとなりました。萩中住宅は、東京都住宅供給公社が1968年(昭和43年)に分譲した集合住宅で、築35年になります。8棟・総戸数368戸のマンションを建替える事業は、首都圏では最大規模となります。今後、コンサルタントの株式会社シティコンサルタンツ(東京都新宿区、代表取締役:金井修一)並びに事業協力者の有楽土地株式会社(東京都中央区、社長:尾崎朋泰)・長谷工コーポレーション(東京都港区、社長:嵩聰久)の協力体制の下、昨年12月に施行された「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」※1に基づく建替組合設立、権利変換計画の申請などの諸手続きを進めていきます。来年3月より解体工事・本工事に着手し、2006年3月にゆとりあるランドプランで充実した共用施設と最新の設備機器を備えた永住向け都市型マンション(総戸数533戸)が完成する予定です。
萩中住宅では建物の老朽化にともない、1991年より区分所有者による建替え勉強会を実施するなど、建替えについて協議を継続してきました。93年には建替え準備委員会を設立、正式に建替えの検討を開始し、97年にシティコンサルタンツをコンサルタントに選定し、第一次事業計画案を作成しました。その後、2000年に第二次事業計画案を作成し、01年にはマンション分譲で25,000戸の実績を持つ有楽土地と、全国で14件の建替え実績を有する長谷工コーポレーションを事業協力者に決定しました。事業計画案の説明会や意向調査などを経て、昨年12月に旧区分所有法による建替え決議を実施しましたが、全体では5分の4以上の賛成を得られたものの1棟で5分の4以上の賛成を得られず不成立となりました。その結果、今年1月に事業継続と改正・区分所有法での推進を決議しました。6月の改正法施行後、速やかに召集通知を発送し、同月に説明会実施、8月3日に同法第70条「団地内の建物の一括建替え決議」※2を行ないました。なお、同法を適用した建替えは、全国で初の事例になると思われます。
現在、全国のマンションストックは約427万戸あり、そのうち建築後30年を経過した建物は2000年度末で約12万戸ですが、2010年には93万戸に急増すると見込まれています。(国土交通省推計値) 集合住宅の老朽化にともなう建替ニーズは、今後高まっていくと予測される一方で、地権者間の調整や資金調達など様々な問題点から実現困難であるのが現状です。
今回の建替え決議が成立した大きな要因としては、
- (1)建物安全性への不安・居住空間の狭さと陳腐化・給排水管の劣化と補強困難・エレベーターがなく高齢化への対応が急務など、「問題を先送りにすると高齢化などで状況は悪化し、根本的な解決ができなくなる」という区分所有者の認識が大きな原動力となったこと。それにより、計画では平均的住戸(約60m2)を取得する場合、仮住居費用などを別にしても1千万円前後の負担が必要となるが、建替委員会を核に数々の障害を乗り越えることができた。
- (2)事業の特色として、地元町会および近隣住民のご理解を頂き「市街地住宅総合設計制度」の適用許可が得られ、容積率の割増が可能となった(現行200%→総合設計240.11%)。これによって、一般分譲する床面積が増加し、既入居者の建替え費用を軽減できたこと。 (権利変換モデル:[建替前]44.40m2 → [建替後]44.82m2)
- (3)今年6月に改正・区分所有法が施行され、「団地内の建物の一括建替え決議」による建替えが可能になったこと。
- (4)事業パートナーとしてのシティコンサルタンツ・有楽土地・長谷工コーポレーションの各社が持つノウハウを高く評価し、プランの企画・設計、諸官庁との協議、近隣説明、仮住居探し 等々 業務全般を委託したこと。
が挙げられます。
- ※1)「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」による本建替え事業へのメリット
- (1)建替えに合意した区分所有者が法人格を有するマンション建替組合を設立できる。
- (2)建替組合が定めた権利変換計画に従い、区分所有権、抵当権等の関係権利が再建されたマンションに円滑に移行できる。
- (3)建替えに参加しない者等からマンション建替組合が区分所有権等の買取りを行うことができる。
- (4)建替えに伴い必要となる登記を一括して申請できる不動産登記法の特別措置を講じることができる。(費用の軽減)
- ※2)「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」第70条(新設)の要旨
- 敷地全体を2棟以上の建物の区分所有者が共同で所有しており、団地管理規約で各建物を管理の対象にしている団地において、団地管理組合の集会で全体の5分の4以上の賛成、各棟ごとの3分の2以上の賛成が得られれば、団地内の建物全部を取り崩し、一括して建替えを実施することができる。(これまでは各棟ごとの建替え決議が必要であった)
【これまでの経緯及び今後の予定】
| 1993年(H. 5) | 5月 | 再開発検討委員会を設立し建替えについて検討開始 |
|---|---|---|
| 1994年(H. 6) | 5月 | 建替え準備委員会設立 |
| 1997年(H. 9) | 5月 | シティコンサルタンツをコンサルタントに選定第一次建替え事業計画案を作成(事業手法の検討・権利関係の調査・基本計画・概略収支) |
| 1998年(H.10) | 5月 | 建替え事業推進を決議(全体の過半数以上) |
| 1999年(H.11) | 5月 | 第二次建替え事業計画案の作成の為の協力者として 長谷工コーポレーションを選定 第二次建替え事業計画案の作成 (建物診断・耐震診断・施設計画・事業計画・住戸価格 住戸取得モデル・諸問題の対応・大規模修繕との比較等) |
| 2001年(H.13) | 1月 | 建替え推進決議(全体の85%) |
| 9月 | 有楽土地・長谷工コーポレーションを事業協力者に決定 | |
| 2002年(H.14) | 実施計画案の作成 | |
| 5月 | 近隣説明開始、総合設計申請 | |
| 9月 | 実施計画案説明会(棟別)・個別相談会 | |
| 12月 | 建替え決議 (旧区分所有法62条による各棟ごとの建替え決議) ⇒8棟の内1棟のみ4/5の賛成が得られず不成立(全体の84%賛成) | |
| 2003年(H.15) | 1月 | 臨時総会で建替え事業の続行と改正法での建替え推進を決議 |
| 6月 | 改正区分所有法施行、建替え決議集会の召集通知発送 | |
| 7月 | 建替え法定説明会 | |
| 8月 | 建替え決議(改正区分所有法70条による団地一括建替え決議)9月 円滑化法 | |
| 9月 | 円滑化法建替え組合設立申請(予定) | |
| 12月 | 権利変換計画認可申請(予定) | |
| 2004年(H.16) | 2月 | 権利変換期日(予定) |
| 2月 | 仮住戸への移転(予定) | |
| 3月 | 解体工事着工(予定) | |
| 6月 | 本体工事着工(予定) | |
| 2006年(H.18) | 3月 | 完成・引渡し・入居(予定) |
【『(仮称)萩中住宅建替え計画』建築概要】
所在地:東京都大田区萩中一丁目7番地
交通:京浜急行空港線「糀谷(コウジヤ)」駅下車 徒歩5分
| 萩中住宅【建替前】 | 仮称)萩中住宅建替計画【建替後】 | |
|---|---|---|
| 完成日 | 1968年10月 | 2006年3月末(予定) |
| 分譲主 | 東京都住宅供給公社 ※35年間の長期分譲であったが、昭和63年にほとんどの住戸が所有権移転し、自主管理となった。 |
仮称)萩中マンション建替組合(保留床は有楽土地が分譲) |
| 敷地面積 | 15,934.91m2 (4,820.31坪) |
同左 同左 |
| 延床面積 | 18,558.15m2(登記簿) | 48,818.28m2 |
| 構造・規模 | 鉄筋コンクリート造5階建(8棟) | 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上18階/地下1階建 |
| 総戸数 | 368戸 | 533戸 |
| 間取り | 3DK、3K | 2DK~4LDK |
| 共用施設 | 集会室、管理人室、倉庫、ゴミ置など(エレベーターなし) | 管理事務室、防災センター、ゲストルーム、パーティルーム、託児ルーム、多目的ルーム、シアタールームなど(エレベーター7基) |
| 利用容積率 | 116% | 240.11% |
| 指定容積率 | 200% | 240.11% |
| 専有面積 | 44.40m2(148戸) 47.95m2(220戸) |
44.82m2(費用負担なしモデル)~88.38m2 |
| 事業協力者 | [コンサルタント:シティコンサルタンツ] 有楽土地・長谷工コーポレーション |

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