2024年01月30日

 株式会社長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫、以下「当社」)は、一般財団法人NHK財団(本部:東京都世田谷区、理事長:田中 宏曉)と「先端映像技術の建築分野への展開」に関する共同研究契約を締結し、NHK財団が有する高度な画像処理技術を活用した寸法計測技術や建物診断技術の研究を進めてきました。このたび、研究成果の第一弾として「厚さ計測システム(特許出願済、以下「本システム」)」を開発いたしましたのでお知らせいたします。なお、本研究成果は、2023年12月26日、27日に開催された「映像情報メディア学会2023年冬季大会」において発表しました。

 現状の建設現場では、断熱工事や床・壁等の不陸(凹凸)調整※などの各施工工程において、設計上確保すべき厚さを計測する作業や、不陸の確認を行うことが必須となっています。しかし、ほとんどの計測作業は手作業で行っているため多くの作業時間を要することや、精度確保のために計測頻度を増やしていることが課題となっていました。

 本システムは、施工前後に撮影した画像データをパソコンに取り込み、プログラム解析するだけで厚さが自動算出できるため、計測作業の回数を減らすと同時に計測精度の向上も期待できます。今後、建設現場のさまざまな施工工程において本システムの検証を進め、来年度中の本格導入を目指します。

 当社は今後も、異業種が有する先端技術を建築分野に活用することで建設現場の作業効率化を図るとともに、施工品質の向上と働き方改革を進めて参ります。

 ※「不陸調整」:床・壁・天井等の不陸(=凹凸)の有無を確認し、水平にする作業


■建設現場での活用イメージ
・断熱性能確保のための発泡ウレタン吹付後の厚さ確認
・コンクリート打設後の不陸確認
・床・壁・天井(フローリング・外壁タイル等)施工前の下地の不陸確認


■「厚さ計測システム」による計測手順※
手順①:正面に設置したプロジェクターからグリッドを投影し、斜めからデジタルカメラで撮影
    (施工前後それぞれ同じ位置から投影・撮影)

手順②:施工前後で撮影した画像データをPCに取り込み、「グリッド交点の差」を解析して厚さを自動算出
※「映像情報メディア学会2023年冬季大会」発表内容より抜粋

【一般財団法人NHK財団 概要】
代表者:理事長 田中 宏曉
本部:東京都世田谷区用賀4-10-1 世田谷ビジネススクエアタワー16階
設立:1951 年 2 月 28 日
HP:https://www.nhk-fdn.or.jp/
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